Trademark Appeal Case
THINKシリーズと混同のおそれ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90555(T2006−90555/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4975580号商標(以下「本件商標」という。)は、「Think as One」の文字を標準文字により表してなり、平成18年1月23日に登録出願され、第9類、第35類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成18年8月4日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次のとおりである。
(1)登録第2571577号
商標の構成:「THINK PAD」
登録出願日:平成2年12月27日
優先権主張:アメリカ合衆国、1990年6月29日
設定登録日:平成5年8月31日
更新登録日:平成15年4月15日
書換登録日:平成16年10月20日
指定商品 :第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第4679937号
商標の構成:「THINKCENTRE」(標準文字)
登録出願日:平成14年12月4日
優先権主張:アメリカ合衆国、2002年8月26日
設定登録日:平成15年6月6日
指定商品 :第9類及び第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商 品
(3)登録第4679936号
商標の構成:「THINKVANTAGE」(標準文字)
登録出願日:平成14年12月4日
優先権主張:アメリカ合衆国、2002年8月26日
設定登録日:平成15年6月6日
指定商品 :第9類及び第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商 品
(4)登録第4899408号
商標の構成:「THINKPLUS」(標準文字)
登録出願日:平成17年4月1日
設定登録日:平成17年10月7日
指定商品及び指定役務:第9類、第37類及び第42類に属する商標登録 原簿記載のとおりの商品及び役務
(5)登録第4696902号
商標の構成:「THINKVISION」(標準文字)
登録出願日:平成15年1月28日
優先権主張:アメリカ合衆国、2002年12月12日
設定登録日:平成15年8月1日
指定商品 :第9類及び第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商 品
(6)登録第4560042号
商標の構成:「ThinkScribe」(標準文字)
登録出願日:平成13年2月21日
設定登録日:平成14年4月12日
指定商品 :第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(7)登録第4422628号
商標の構成:「THINKLIGHT」(標準文字)
登録出願日:平成11年9月29日
設定登録日:平成12年10月6日
指定商品 :第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(8)登録第4908315号
商標の構成:「THINKSTORE」(標準文字)
登録出願日:平成17年4月11日
設定登録日:平成17年11月11日
指定役務 :第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
以下、これらの登録商標を一括して「引用商標」という。
3 登録異議申立の理由の要点
(1)引用商標は、いずれも「THINK」(又は「Think」)の欧文字と他の欧文字とからなるものであり、「THINK」を母体としたシリーズ商標となっているものである。引用商標は米国を初めとして全世界で使用され、特にパソコンの分野においては申立人の「THINK」シリーズとして需要者間に広く知られている。
本件商標は、語頭に位置する「Think」の部分が特に強い印象を与えるものであり、これがパソコン等に使用されると申立人の「THINK」シリーズに属するものと誤認・混同されるおそれがある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び第15号に該当する。
(2)本件商標は、「Think」の文字をその構成に有することから引用商標に類似するものといえるものであり、その指定商品及び指定役務は引用商標のものと抵触している。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)申立人の提出に係る証拠(甲第10ないし同第18号証)によれば、引用商標がパソコン等の商品について使用されていることが認められるものの、いずれも「ThinkPad」、「ThinkCentre」、「ThinkVantage」等のように、一連一体の態様で使用されているに止まり、これらを「THINK」シリーズとして積極的に強調ないしは説明するものは見当たらない。加えて、甲第10ないし同第18号証は、申立人の商品を紹介するインターネットのホームページの写しであり、これのみでは、引用商標の使用の期間、地域、範囲、宣伝広告の期間、手段、規模等や引用商標を使用する商品の販売数量、売上高、市場占有率等が必ずしも明らかでなく、引用商標そのものが、申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者間に広く認識されているものということはできない。まして、これが「THINK」シリーズ商標として広く認識されているものと認めることはできない。
そうすると、引用商標は、いずれも、「THINK」又は「Think」の文字部分のみを分離抽出して、これより生ずる称呼をもって取引に資されるものというべきではなく、「シンク」のみの称呼は生じないものとみるのが自然である。
(2)本件商標は、上記1のとおり、同一態様の文字で外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、観念上も構成各文字間に軽重の差は見られず、「Think」の文字部分のみが特に強い印象を与えるものではなく、むしろ、構成全体をもって一体不可分の一種の造語を表したものとして認識し把握されるとみるのが自然である。そして、本件商標全体から生ずると認められる「シンクアズワン」の称呼も冗長という程のものでなく、一連によどみなく称呼できるものである。
そうすると、本件商標は、「シンクアズワン」の一連の称呼のみを生ずるものであり、また、親しまれた既成の観念を想起し得ないものというべきである。
(3)以上を前提にして、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるか否かについて検討する。
(ア)先ず、本件商標と引用商標との類否についてみるに、引用商標は、「シンク」のみの称呼は生じないものの、それぞれの構成文字に相応して、「シンクパッド」、「シンクセンター」、「シンクバンテイジ」、「シンクプラス」、「シンクビジョン」、「シンクスクライブ」、「シンクライト」又は「シンクストア」の各称呼を生ずるものと認められるところ、これら各称呼と本件商標から生ずる「シンクアズワン」の称呼とは、相違する各音の音質の差、音構成の差等により明らかに区別することができるものである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものといえる。そして、本件商標が親しまれた既成の観念を想起し得ないものである以上、本件商標と引用商標とを観念上比較することもできない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(イ)次に、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する「THINK」シリーズ商標として取引者、需要者間に広く認識されているものとはいえないこと、引用商標と本件商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標であることを考慮すれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれもないといわなければならない。
(ウ)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものではない。
(4)以上のとおり、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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