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Trademark Appeal Case

要部抽出と称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90580(T2006−90580/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4976784号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4976784号商標(以下「本件商標」という。)は、「The Brue」の文字を標準文字で表してなり、平成17年5月27日に登録出願、第25類「被服,バンド,ベルト,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年8月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第2644805号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成3年3月13日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同6年4月28日に設定登録されたものである。そして、指定商品については、同16年3月24日、第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第20類、第21類、第22類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。同じく、登録第2667121号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成3年3月13日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同6年5月31日に設定登録されたものである。そして、指定商品については、同17年2月16日、第25類「運動用特殊靴」に書換登録がなされたものである。同じく、登録第2164511号商標(以下「引用商標3」という。)は、「Aldo Brue」(「e」にアクサン・グラーヴがある。)の文字を書してなり、昭和61年8月14日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成元年8月31日に設定登録されたものである。

(2)理由の要点

本件商標は、以下ア及びイに該当するものであるから、その登録を取り消されるべきである。

ア 商標法第4条第1項第11号該当

各引用商標中の「Aldo Brue」における「Aldo」の語は、西洋諸国において極めて一般的なクリスチャンネームであって、識別力の弱い語であるのに対し、「Brue」は、特別な意味を持たない造語であって極めて特殊な語であるため、極めて強い識別力を有する。したがって、本件商標と、各引用商標とを対比した場合、「Brue」に強い注意力が払われ、外観上のみならず、称呼上も出所の混同を生ずる。

本件商標中の「The」は、英語の定冠詞として広く知られており、識別力に欠けるため、本件商標の要部は「Brue」部分のみにあり、各引用商標の要部である、Aldo Brue氏の姓名「Brue」と同一である。ゆえに、要部を同一にする商標であり、称呼上類似する。本件商標は、各引用商標と同一又は類似の指定商品に係るものであって称呼上または外観上類似する商標である

イ 商標法第4条第1項第15号及び同第19号該当

(ア)申立人の「Aldo Brue」商標は、イタリアの有名ブランドであり、「Aldo Brue」ブランドの需要者は、一般に「西洋的な」発音に極めて精通し、商標「Aldo Brue」を付した靴は高品質で高価な製品であることを十分に認識している。また、同需要者は、同商標が、販売される靴のデザイナーかつ創作者の名前及び名字によって構成されているということを知っているので、本件商標に接した場合、「Brue」という名字を容易に認識するため、本件商標を指定商品に使用すると、各引用商標との間には極めて強い関連性があると認識される危険性があり、あたかも申立人の製造・販売に係る商品であるかの如く商品の出所について誤認を生ずるおそれがある。そして、このような場合には、申立人が「Aldo Brue」ブランドの下で積年の品質管理等の努力により獲得した高品質な製品のイメージ・信用が段損される。したがって、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(イ)「Aldo Brue」商標は、本件商標の出願日以前から、世界の主要な国々で登録されている(甲第5号証ないし甲第20号証)。そして、これらの国々の中で「Brue」単独、「Brue」の語を含んだ抵触関係を生ずる商標の登録を認めている国はない。我が国において、本件商標のような明らかな「コピー」商標に対する本件異議の申立てが受け入れられなければ、模倣者を尊重する結果になると憂慮する。

そして、我が国においても、ムーンスターやアキレス等と並ぶゴム靴メーカーとして広く知られるアサヒコーポレーンヨンを通じて、「Aldo Brue」を付した商品が多数流通している事実(甲第21号証)に鑑みると、本件商標のような「コピー」商標は、少なくともイタリア国で周知・著名な「Aldo Brue」商標の出所表示機能を稀釈化させ、若しくは、それに化体した名声等を毀損させる目的をもって出願したもの、又は、外国で周知な商標について取引上の信義則に反する不正の目的で出願したものと考えざるを得ない。

ゆえに、本件商標は、外国において需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものであり、商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当について

引用商標は、図形と「Aldo Brue」(「e」にアクサン・グラーヴがある。)の欧文字からなる(引用商標1及び2)か、前記欧文字からなる(引用商標3)ものである。そして、当該欧文字は、同じ書体をもってまとまりよく表されており、構成中「Brue」(「e」にアクサン・グラーヴがある。)の文字部分のみに限定して強く印象されて、当該部分から生じる称呼や観念をもって取引に資されるとすべき格別の理由は認められないから、特定の観念を生じさせない一連の造語として看取されるとみるのが相当である。また、構成文字全体より生ずると認められる「アルドブルー」あるいは「アルドブルエ」の称呼もよどみなく一気に称呼し得るものである。

してみれば、各引用商標は、「アルドブルー」あるいは「アルドブルエ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生じさせないものである。

一方、本件商標は、構成文字に相応して「ザブルー」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生じさせない造語からなるものと認められる。

しかして、本件商標の称呼と各引用商標の称呼を対比すると、両者は構成音数の相違及び相違する各音の音質の差異によって全体の音感が著しく異なるから、相紛れるおそれはなく判然と区別し得るものである。

また、本件商標と各引用商標とは、外観あるいは観念において、相紛れるおそれはないものである。

してみると、本件商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、各引用商標に類似する商標と判断することはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当について

申立人提出の甲各号証によれば、申立人が各国において引用商標に係る商標登録を得ていること(甲第1号証ないし甲第20号証)、及び申立人の商品が我が国に輸入されたこと(甲第21号証)をうかがい知ることができるとしても、本件の証拠によっては、引用商標が、本件商標の出願時に、我が国あるいは外国の需要者の間で広く認識されるに至っていたものと認めることはできない。

そして、本件商標が、引用商標に類似する商標といえないことは、前記(1)のとおりであり、本件商標を更に引用商標と関連付けてみなければならない格別の理由は見いだせないから、結局、両者は、別異の出所を表すものとして看取されるというのが相当である。

してみると、本件商標の出願時において、本件商標を指定商品に使用しても、需要者が引用商標を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信し、商品の出所を混同するおそれがあると判断することはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第19号該当について

前記(1)及び(2)のとおり、本件商標の出願時において引用商標が我が国及び外国の需要者の間で周知の商標となっていたとは認められず、かつ、本件商標が引用商標に類似する商標とは認められないから、本件商標は、その余の要件に言及するまでもなく、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。

よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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