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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90650(T2006−90650/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4988560号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4988560号商標(以下「本件商標」という。)は、「糖Q会」の文字を標準文字で書してなり、平成18年1月19日に登録出願、第41類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年9月15日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、下記とおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4817694号商標(以下「引用商標1」という。)は、「東急」の文字を標準文字で書してなり、平成16年4月6日に登録出願、第35類、第36類、第37類、第38類、第39類、第40類、第41類、第42類、第43類、第44類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年11月12日に設定登録されたものである。

(2)登録第4817695号商標(以下「引用商標2」という。)は、「とうきゅう」の文字を標準文字で書してなり、平成16年4月6日に登録出願、第35類、第36類、第37類、第38類、第39類、第40類、第41類、第42類、第43類、第44類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年11月12日に設定登録されたものである。

(3)登録第4817696号商標(以下「引用商標3」という。)は、「TOKYU」の文字を標準文字で書してなり、平成16年4月6日に登録出願、第35類、第36類、第37類、第38類、第39類、第40類、第41類、第42類、第43類、第44類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年11月12日に設定登録されたものである。

以下、引用商標1ないし3をまとめていうときには、「各引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由の要点

(1)各引用商標等の著名性について

申立人は、大正11年に設立され、昭和17年に現商号である「東京急行電鉄株式会社」に商号変更し、平成18年3月末日現在で290社9法人からなるわが国でも有数の企業グループである「東急グループ」の中核企業として現在に至っている(甲第2号証及び甲第3号証)。

各引用商標は、申立人及びそのグループ会社の商号の略称ないし商標として使用され、本件商標の登録出願時には、需要者、取引者に広く認識されているものである(甲第7号証)。

また、申立人は、全国各地に「東急会」を設置し、地域コミュニティー活動などを通して、社会貢献や環境保全に積極的に取り組み、地域社会に根ざした事業活動を行っており(甲第2号証、甲第8号証)、「東急会」(以下「申立人標章」という。)は、北海道、東北、上信越、北関東、東関東、西関東、中部・北陸、関西、中国・四国、九州・沖縄、アジア地域、米国・カナダ地域の12ブロックに分かれて活動を展開している(甲第9号証ないし甲第24号証)。したがって、申立人標章は、本件商標の登録出願時には、需要者、取引者に広く認識されるに至っているものである。

(2)商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号について

本件商標からは、「トーキュウカイ」の称呼、若しくは、その要部「糖Q」からは、「トーキュウ」の称呼が生ずる。

一方、各引用商標からは、「トーキュウ」の称呼が生じ、また、申立人標章からは、「トーキュウカイ」の称呼が生ずる。

したがって、本件商標は、著名な各引用商標及び申立人標章と、称呼を同一にする類似の商標であり、本件商標の指定役務は、各引用商標の指定役務と同一又は類似の役務であるばかりでなく、申立人標章が使用される役務と同一又は類似の役務である。

また、本件商標は、これをその指定役務について使用するときは、申立人及びそのグループ会社の取扱いに係る役務であるかのように、役務の出所の誤認を生じさせるおそれがある。

さらに、本件商標は、著名な各引用商標及び申立人標章の出所表示機能を稀釈化させ、また、その名声を毀損させる目的をもって出願されたものである。

(3)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と各引用商標は、称呼において類似し、また、本件商標の指定役務は、各引用商標の指定役務と同一又は類似するものである。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記のとおり、「糖Q会」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、外観上まとまりよく一体的に表してなるばかりでなく、これより生ずると認められる「トウキューカイ」の称呼も、よどみなく称呼し得るものであるから、構成文字の全体をもって、特定の観念を生じない造語を表したものと理解されるというべきである。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「トーキュウカイ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、造語よりなるものといわなければならない。

これに対し、各引用商標は、前記のとおり、それぞれ「東急」、「とうきゅう」、「TOKYU」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して、「トウキュー」の称呼を生ずるものである。

そこで、本件商標と各引用商標との類否についてみるに、両商標は、それぞれ前記構成のとおりであるから、外観上全く異なる商標といわなければならない。

また、本件商標より生ずる「トウキューカイ」の称呼と各引用商標より生ずる「トウキュー」の称呼とは、「カイ」の音の有無の差異を有するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、明瞭に聴別し得るものである。

さらに、本件商標は、前記認定のとおり、造語よりなるものであるから、各引用商標とは、観念上比較することはできない。

してみれば、本件商標と各引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号について

「東急」の文字よりなる引用商標1は、申立人及びそのグループ会社の略称ないしその取扱いに係る商品又は役務を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたことは、特許庁において顕著な事実といえる。

また、甲第2号証、甲第8号証ないし甲第24号証によれば、申立人の各グループ会社は、全国各地において、地域社会とのコミュニケーションを密にするために「東急会」を組織し、国内では、北海道をはじめとする9地域において、また、海外では、米国・カナダ、アジアの2地域において、「北海道東急会」、「東北東急会」、「上信越東急会」等、それぞれの地域名と「東急会」の文字とを結合させた名称をもって、スポーツ大会、文化講演会、音楽会などの文化活動や社会に貢献するための活動を行っていることが認められる。

しかし、申立人標章は、上記のとおり、各地域内において、当該地域名を冠した名称をもって、各地域ごとに使用されているのであり、申立人標章それ自体が、引用商標1と同程度の著名性を獲得しているとみることは困難であるといわざるを得ない。

加えて、本件商標を構成する「糖Q会」の文字は、前記(1)のとおり、構成文字の全体をもって、自他役務の識別標識としての機能を発揮するものであるのみならず、該構成は、漢字2字の間にローマ文字1字を配した極めて特異な構成よりなるものであるから、本件商標に接する需要者は、構成全体の特異性に印象付けられるというのが相当である。

してみれば、本件商標と申立人標章とが、「トウキューカイ」の称呼を同じくするものであるとしても、両者は、外観において、大きく異なるばかりでなく、申立人標章は、申立人及びそのグループ会社の略称等を表すものとして著名な「東急」と密接に結びついて認識されているものであるから、本件商標とは観念においても大きな隔たりがあるというべきであって、両者を総合的に観察すれば、非類似のものといわなければならない。

また、本件商標と各引用商標とが商標において非類似であることは、前記(1)で認定したとおりである。

そうすると、本件商標に接する需要者は、これより直ちに、各引用商標のみならず、申立人標章をも想起、連想するとみることはできないから、本件商標をその指定役務について使用しても、該役務が申立人及びそのグループ会社の取扱いに係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

さらに、前記認定のとおり、本件商標は、各引用商標及び申立人標章と非類似の商標というべきであるから、不正の目的をもって使用するものということもできない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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