Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90653(T2006−90653/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4989113号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成17年10月7日に登録出願、第3類「香」及び第44類「アロマテラピーの提供」を指定商品及び指定役務として、平成18年9月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品に使用するものとして広く認識されている「SHARP」(甲第3号証)又は「シャープ」(甲第4号証)の文字よりなる商標(これらの商標をまとめて、以下「引用商標」という。)と類似する商標であるから、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用するときは、該指定商品及び指定役務が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)引用商標の著名性について
引用商標が、申立人の業務に係る商品「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具」等について使用され、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたことは、甲第5号証ないし甲第15号証を総合しても、これを認めることができる。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、別掲のとおり、中央に数字の「1」を配し、これを囲むように描いた4本の曲線図形と「sharp one」の文字とを組み合わせた構成よりなるものである。そして、本件商標中の「sharp one」の文字部分は、独立して自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであるところ、該文字部分中、「sharp」は、「鋭い」などを意味する英語として、我が国においても日常的に使用されているものであって、指定商品及び指定役務との関係からみれば、「刺激の強い(香り)」などを意味するものとして捉えられ、「sharp one」の文字部分全体として、「強烈な一撃」なる意味合いを表したと理解されるとみるのが相当である。
そうすると、本件商標中の「sharp one」の文字部分は、構成全体が同一の書体でまとまりよく書され、また、これより生ずると認められる「シャープワン」の称呼も語呂よく称呼し得ることも相俟って、構成文字全体をもって一体不可分の商標を表したと理解されるというべきである。
したがって、本件商標は、その構成中の「sharp one」の文字部分より生ずる称呼は、「シャープワン」の一連の称呼のみであり、単に「シャープ」の称呼及び「鋭い」の観念は生じないものといわなければならない。
してみれば、本件商標より「sharp」の文字部分のみを抽出し、そのうえで、本件商標と引用商標とが類似する商標であるとする申立人の主張は、理由がないというべきである。他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき理由は見出せない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
前記(1)で認定したとおり、引用商標が申立人の業務に係る商品「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具」等を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたことは認めることができる。
しかしながら、本件商標は、前記(2)のとおり、その構成中の「sharp」の文字部分が独立して認識されるものではない。しかも、本件商標が使用される指定商品「香」及び指定役務「アロマテラピーの提供」は、申立人の業務に係る商品「電気機械器具、通信機械器具、電子応用機械器具」等とは、商品・役務の用途、目的、効能、品質・質等を著しく異にするばかりでなく、生産者・提供者、販売場所・提供場所、取引系統等をも大きく相違するものである。また、引用商標が商品「香」及び役務「アロマテラピーの提供」について使用され、本件商標の登録出願前より需要者の間に広く認識されているという事実を認めるに足る証拠は見出せない。
そうすると、本件商標に接する需要者は、本件商標が使用される指定商品及び指定役務、並びに本件商標中の「sharp one」の文字部分全体より生ずる意味合いから、これより直ちに引用商標を想起又は連想することはないとみるべきである。
してみると、本件商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、需要者をして、該指定商品及び指定役務が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれはないといわなければならない。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということができないから、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。