Trademark Appeal Case
結合商標の要部と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90420(T2005−90420/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標本件登録第4868375号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲のとおりの構成からなり、平成16年6月1日に登録出願され、第37類「機械器具設置工事,機械器具設置工事に関する助言,半導体製造用機械器具の修理又は保守,集積回路製造装置の修理又は保守,電子応用機械器具の修理又は保守,電気通信機械器具の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守,光学機械器具の修理又は保守,理化学機械器具の修理又は保守,写真機械器具の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,金属加工機械器具の修理又は保守」を指定役務として平成17年6月3日に設定登録されたものである。
2 取消理由の通知
本件商標の登録に対し、平成17年8月10日付けで登録異議の申立てがされた結果、平成18年7月18日付けで商標権者に対して通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る証拠によれば、「HERMES」(5文字目の「E」には仏語のアクサン記号「`」が付されている。)及び「エルメス」の標章(以下、まとめて「引用標章」という。)は、申立人の取扱いに係るバッグ、ベルト等の皮革製品を始め、衣料品、香水、時計、宝飾品等のいわゆるファッション関連商品について永年使用され、本件商標の登録出願時には既に、「エルメス」と称呼され、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国の取引者・需要者間において広く認識されており、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものと認められる。
しかして、本件商標は、後掲のとおり、長方形内に表された黒色の「Hermes」の文字及び黒地に白抜きの「Epitek」の文字からなるものであり、その構成に照らし、視覚上「Hermes」の文字部分と「Epitek」の文字部分とが分離して看取されるものである。加えて、「Hermes」の文字が、「<ギリシア神話>ヘルメス(神々の使者、科学・弁舌などの神、ローマ神話のMercuryに当たる)」を意味する英語(仏語)であるのに対し、「Epitek」の文字は、英和辞典等に見られない綴り字からなるものであって、既成の親しまれた観念を有する語とは認められず、また、両者を結合して熟語的意味合いが生ずるものとも認め難いことから、両文字部分は、常に一体不可分のものとしてのみ認識し把握されるものとはいえない。
そうすると、本件商標は、「Hermes」の文字部分自体が独立して看者の注意を強く惹くことも少なくないものというべきである。また、この「Hermes」の文字部分は、引用標章と仏語のアクサン記号を除くほか同一の綴りからなるといえるものである。そして、本件商標の指定役務には、皮革製品の加工・修理に係る機械器具を含む機械器具設置工事、同工事に関する助言、皮革の加工技術等に係る電子応用機械器具の修理又は保守等の役務が含まれていること、申立人は同人の取扱いに係る皮革製品の加工・修理等も行っていること、昨今の企業の多くは多角経営化の傾向にあること、引用標章は極めて高い周知著名性を有していること、本件商標と引用商標とは仏語のアクサン記号を除き、同一の綴りからなること、引用商標のアクサン記号は余り目立たつものではなく、アクサン記号が無くても引用商標の著名性から「エルメス」と称呼されることがあること等を総合勘案すれば、本件商標をその指定役務に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、その構成中の「Hermes」の文字部分に注目し、周知著名となっている引用標章を連想・想起し、該役務が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとして、その登録を取り消すべきものと判断するのが相当である。
3 当審の判断
商標権者に対し、上記2の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、上記2の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、この取消理由によって、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。