Trademark Appeal Case
造語商標の称呼類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−68009(T2006−68009/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第854230号商標(以下「本件商標」という。)は、「NEOLYST」の文字を書してなり、2005年3月4日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して同年3月7日に国際登録、第1類「Chemical catalysts for the manufacture of organic molecules and polymers.」を指定商品として、2006年(平成18年)年4月28日に設定登録がされたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次のとおりである。
(1)登録第4503494号商標(以下「引用商標1」という。)は、平成12年9月6日に登録出願、「NOBLYST」の欧文字を標準文字で書してなり、第1類「化学品」を指定商品として、同13年8月31日に設定登録がされたものである。
(2)登録第4726536号商標(以下「引用商標2」という。)は、平成15年3月14日に登録出願、「ネオライト」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第2類「塗料,顔料,壁紙剥離剤」を指定商品として、同年11月14日に設定登録がされたものである。
3 登録異議申立の理由
(1)本件商標と引用商標1との類否
本件商標は、「NEOLYST」の欧文字からなり、全体として特定の観念を生じない造語である。
しかして、本件商標の後半部の「LYST」の文字は、例えば、「分析者」を意味する「ANALYST」を「アナリスト」と称呼するように、これよりは「リスト」の称呼を生ずるものであり、また、例えば、「飛ぶ」を意味する「FLY」を「フライ」と称呼することから、これより「ライスト」の称呼をも生ずるものである。
したがって、本件商標全体からは、「ネオリスト」又は「ネオライスト」の称呼を生ずるものということができる。
他方、引用商標1は、「NOBLYST」の欧文字からなり、全体として特定の観念を生じない造語であって、そのうちの「LYST」の文字については、本件商標の場合と同様であるから、これより「ノブリスト」又は「ノブライスト」の称呼を生ずるものである。
そこで、まず、本件商標から生ずる「ネオリスト」と引用商標1から生ずる「ノブリスト」の称呼を比較するに、語頭の「ネ」と「ノ」の音は同じナ行の音であり、強く発音され、これに続く「オ」と「ブ」の音は語頭音に吸収されるから、両者は全体の語感・語調において称呼上極めて近似するものといわざるを得ない。
次に、「ネオライスト」と「ノブライスト」の称呼を比較するに、「ライスト」の音が強く発音されるから、やはり全体の語感・語調において称呼上極めて近似するものである。
また、両商標は、ともに7文字から構成され、「N」「O」「L」「Y」「S」「T」の6文字を共通にするから、外観上も類似する商標であり、両商標の指定商品も類似する。
(2)本件商標と引用商標2との類否
引用商標2は、前記2のとおり、「ネオライト」の文字よりなるから、「ネオライト」の称呼を生ずるものであり、本件商標から生ずる「ネオライスト」との違いは、「ス」の音の有無のみである。
しかして、該「ス」の音は、無声摩擦音であり、他の音と比較して弱音となり、しかも、聴取しにくい中間に位置する音であるから、両商標を一連に称呼したときは、聴き誤るおそれがあることは明らかである。
以上のとおり、本件商標と引用商標1とは、外観及び称呼において類似する商標であり、また、引用商標2とも称呼上類似する商標であって、その指定商品も類似するから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標1との類否
本件商標は、「NEOLYST」の文字よりなるから、該構成文字に相応して「ネオリスト」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。
他方、引用商標1は、「NOBLYST」の欧文字よりなるから、該構成文字に相応して「ノブリスト」の称呼を生ずるものである。
そこで、「ネオリスト」と「ノブリスト」の称呼を比較するに、両者は、ともに5音構成からなるうち、称呼の識別上重要な地位を占める語頭音「ネ」と「ノ」の差異を有するほか、これに続く「オ」と「ブ」の音も異なるから、両称呼を全体として、それぞれ一連に称呼しても、互いに相紛れるおそれはないというべきである。
また、両者の外観も互いに区別し得る差異を有し、いずれも特定の観念を有しない造語と認められるから、観念上も紛れるおそれはないものである。
したがって、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似する商標ということはできない。
(2)本件商標と引用商標2との類否
本件商標は、「ネオリスト」の称呼を生ずること上記(1)のとおりであり、他方、引用商標2は、「ネオライト」の文字よりなるから、「ネオライト」の称呼を生ずるものである。
そこで、「ネオリスト」と「ネオライト」の両称呼を比較するに、両者は、ともに5音から構成されるうち、第3音と第4音において、「リ」と「ラ」、「ス」と「イ」の差異を有するから、語感、語調を異にし、互いに聴き誤ることはないものというべきである。
また、両者の外観も互いに区別し得る差異を有し、いずれも特定の観念を有しない造語と認められるから、観念上も紛れるおそれはないものである。
したがって、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似する商標ということはできない。
(3)申立人主張の称呼「ネオライスト」と引用商標1「ノブライスト」及び引用商標2「ネオライト」との類否
申立人は、本件商標から「ネオライスト」の称呼をも生ずる旨主張しているところ、仮に、該称呼を生ずるとしても、引用商標1から生ずるとしている「ノブライスト」とは、語頭部における「ネオ」と「ノブ」の差異を有するから、上述(1)と同じく明確に区別し得るものである。
同様に、「ネオライスト」と引用商標2から生ずる「ネオライト」とは、6音と5音の構成音数の差異及び「ス」の音の有無という著しい差異を有するから、全体の語調、語感を異にし、互いに相紛れるおそれはないというべきである。
(4)結語
以上のとおり、本件商標と引用商標1及び2とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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