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Trademark Appeal Case

ふんわりせっけんの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−6270(T2006−6270/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ふんわりせっけん」の文字を標準文字で書してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,身体用防臭剤,身体用消臭剤,その他の化粧品,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「消臭剤(身体用のもの及び工業用のものを除く。),芳香消臭剤(身体用のもの及び工業用のものを除く。),防臭剤(身体用のもの及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),その他の薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,おりもの専用シート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液,食餌療法用食品及び食餌療法用飲料」を指定商品として、平成16年7月23日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、『柔らかくふくらんでいるさま。軽やかなさま。』の意味を有する『ふんわり』の文字と、『せっけん』の文字を、一連に『ふんわりせっけん』と普通に用いられる方法で書してなるから、これを、本願指定商品中『せっけん類』に使用しても、全体として、『ふんわりした泡のせっけん』あるいは『ふんわりした仕上がり効果を与えるせっけん』程の意味合いを表したものと看取、把握させるにとどまり、商品の品質、効能を表示したものとして認識されるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 本願商標は、「ふんわりせっけん」の文字よりなるところ、本願指定商品中の「せっけん類」との関係からして、「ふんわり」と「せっけん」の語を連綴してなるものと容易に理解されるものである。

そして、「ふんわり」の語は、岩波書店発行の「広辞苑第五版」によれば、「(「ふわり」を強めた語)で柔らかくふくらんでいるさま。軽やかなさま。」の意を有するものであり、指定商品中の「せっけん類」との関係において、例えば、以下の(1)ないし(16)のように、新聞紙上及びインターネット上で普通に使用されているものである。

(1)「ドラム式専用の液体せっけん、ミヨシ石鹸(新製品)」の見出しのもと、「ごわつかず、ふんわり仕上がるドラム式洗濯機専用の液体せっけん『ドラム式専用液体複合せっけん』。複合せっけんとは、合成洗剤と昔ながらのせっけんの利点を組み合わせたもの。原料はヤシ油由来の界面活性剤。ドラム式洗濯機の特徴である“たたき洗い”によるごわつきを抑え、柔軟剤がいらないほど柔らかく洗い上げる。」との記事(2006/09/01, 日経流通新聞MJ)及び「ドラム式専用液体複合せっけん」の見出しのもと、「節水型のドラム式洗濯機に合わせて、溶けがよく、少ない泡で洗えるせっけんを造りました。せんいにやさしいせっけんだから、柔軟剤なしでもふんわり仕上がり、また泡切れがいいので、すすぎがスピーディ。」との記載(http://www.miyoshisoap.com/drum/ekitai/index.html)。

(2)「粉せっけんで、ふんわり、パルセイユ石鹸(新製品)」との見出しのもと、「松のオイル(樹脂酸)で作った『洗濯用パルセイユ粉石けん』。優れた洗浄力と柔軟効果を発揮し、柔軟仕上げ剤が必要ないほどふんわり洗い上げる。」との記事(2005/09/16, 日経流通新聞MJ)。

(3)「シリア製の自然派、クロスロードトレーディング(新製品)」の見出しのもと、「地中海東岸のシリアで製造した自然派せっけん『カサブ石鹸』。原料に一番搾りオリーブ油とローレル(月桂樹)油を使用。オリーブ油は人の肌とよく似た組成で、汚れを落としつつ脂肪酸を補って潤いを与える。・・・ふんわりとした泡立ちでさっぱり洗い上げる。」との記事(2004/07/27, 日経流通新聞MJ)。

(4)「アミノ酸を配合、味の素(新製品)」との見出しのもと、「美白ケアに着目したアミノ酸配合の洗顔せっけん『ジーノ』。独自開発のアミノ酸洗浄成分を配合。・・・クリーミーでふんわりと豊かな泡が立つ。」との記事(2004/06/22, 日経流通新聞MJ)。

(5)「肌にハッカの清涼感、ツムラ(新製品)」との見出しのもと、「清涼感とふんわりした泡の感触が心地よい夏のボディーソープ『なごみ 清涼仕立て』。」との記事(2004/06/12, 日経流通新聞MJ)。

(6)「泡をそのまま固めた石鹸、花王(新製品)」との見出しのもと、「ホイップしたての泡をそのまま固めた石鹸(せっけん)『花王石鹸ピュア ホイップ 香りシリーズ』。せっけん生地を泡立て、ホイップしたてのふんわりした泡をそのまま固める新製法を採用。素早く泡立ち、泡でやさしく洗い上げるせっけんに仕上げた。」との記事(2003/07/24, 日経流通新聞MJ)。

(7)「すっきり溶ける粉せっけん、ミヨシ(新製品)」との見出しのもと、「さらさらとした粒ぞろいの粒子で溶けるスピードが約40%向上した粉せっけん『ニューそよ風』。・・・天然アミノ酸系の分散剤を配合。生分解性がよく、環境にやさしい。繊維を傷めず、ふんわり洗い上がる。」との記事(2002/09/12, 日経流通新聞MJ)。

(8)「ふわふわ、さりげなく......、空気のようなモノが好き(はやりの考現学)」との見出しのもと、「せっけんにも泡立てタイプが相次ぎ出ている。花王が九月に発売した泡立てたせっけんをそのまま固めた『ピュア ホイップソープ』、ミヨシが三月に売り出した泡状の『オリーブ畑泡の洗顔せっけん』などだ。」との記事(2001/01/20, 日経プラスワン)。

(9)「シャボン玉石けん社長森田光徳氏――無添加貫く信念(ベンチャー企業九州を動かす)」との見出しのもと、「せっけん分九五%以上、水分八%以下の無添加せっけんを造り、国鉄に納めると同時に、自宅にも持ち帰り、使ってみた。それまで自社の合成洗剤で体を洗うとゴワゴワしていたのに対し、無添加せっけんは触感がふんわりしている。」との記事(1999/07/16, 日本経済新聞 地方経済面 (西部特集))。

(10)「豊かな泡で!しっとりふんわり。豆腐せっけん」の見出しのもと、「ダイズエキス・ニガリは、お肌に潤いを与えハリのある素肌に導く効果があると言われています。潤いとハリのあるお肌のために、これらの成分を配合し、しっとりふんわり洗い上げます。」との記載(http://tenant.depart.livedoor.com/t/azashop/item394959.html)。

(11)「メイド・イン・アースの液体せっけん」の見出しのもと、「柔軟剤なしでも、ココヤシのオイル分でふんわり仕上がること。」の記載(http://www.rakuten.co.jp/earth/369807/)。

(12)「無添加せんたく用せっけん」の見出しのもと、「洗い上がりのふんわり感は柔軟剤いらず。通常の洗濯洗剤は脱脂力が強く、それが衣類をけばだたせてお肌の刺激となってしまうことがあります。一方、無添加せっけんは繊維をいためにくく柔軟剤を使ったときと同じくらいふんわりとした仕上がりです。」との記載(http://kyusai-kinki.com/SHOP/M1003.html)。

(13)「『ペリカン石鹸』 たませっけん」の見出しのもと、「ヨーグルトの恵みでふんわり若いお肌・よーぐると玉 体に良いといわれているヨーグルトの秘密は、乳酸菌のつくる多糖成分です。よーぐると玉はそのヨーグルトの恵みを無着色の石鹸に配合しました。紫外線や加齢などによって疲れたお肌をふんわりしっとりさせ、若々しく透き通るようなお肌に整えます。」との記載(http://diese2.cx.shopserve.jp/SHOP/E007.html)。

(14)「無垢シリーズ マカダミア」の見出しのもと、「マカダミア油100%のふんわりやわらかな洗い心地 無垢シリーズは一種類の油だけで作るシンプルなせっけんです。無垢シリーズ『マカダミア』は、マカダミア油100%のとてもリッチなせっけん。洗っているときはふんわり、洗い流して水分をふき取るとすべすべになっています。」との記載(http://www.igoods.jp/s/nonoya/1040/)。

(15)「豆腐の盛田屋」の見出しのもと、「豊かな泡立ちと、なめらかな使用感 Tゾーンや小鼻脇のベタつきもすっきり さらにお肌をやさしく洗い上げます・・・そして手を返しても肌にくっつくほどふんわり泡立つ、豆腐屋ならではの豆乳せっけんができました。」との記載(http://www.tofu-moritaya.com/sizenseikatsu/)。

(16)「おすすめの逸品 新製品森林の極上石けん 【天然青森ヒバ油入り洗濯石けん】」の見出しのもと、「森林の極上石けんマーケット初登場! 冬でも水に溶けやすく、すすぎが簡単・抗菌消臭効果 抜群の洗浄力・ふんわり仕上げで衣類が黄ばみません。・・・グリセリン効果により、ゴワゴワせず、ふんわりやわらかい仕上がりになります。」との記載(http://www.coara.or.jp/~wadasho/biba.htm)。

2 上記1で述べた新聞記事及びインターネット情報によれば、商品「せっけん類」について、「柔らかい仕上がり効果を与えるせっけん」あるいは「泡立ちの良いせっけん」程の意味合いを表すものとして、「ふんわり」の語が普通に使用されているということができる。

請求人(出願人)は、「原審説示の意味合いを表す場合は、『ふんわりした泡のせっけん』『ふんわりした仕上がり効果を与えるせっけん』のように表記されることはあるとしても、『ふんわりせっけん』のみの表記では、意味不明であって、商標自体の造語性を物語るものというべきである。指定商品との関係において『ふんわりせっけん』は品質・効能表示として使用されておらず、また、日常一般的に通用する表現でもない。『ふんわりせっけん』は明らかに自他商品識別機能を発揮し得る商標であり、また品質の誤認を生じるおそれもない。」旨、主張している。

しかしながら、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(平成12年9月4日判決 東京高裁平成12年(行ケ)第76号)ことから、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され、把握されているかによって判断されなければならないというべきである。

してみれば、本願商標構成中の「ふんわり」の文字の語義及びその指定商品との関係における使用例、並びに、商品名である「せっけん」の文字とを結合した商標であることからして、「ふんわりせっけん」の構成文字全体からも、これに接する需要者等は、「(ふんわりした)柔らかい仕上がり効果を与えるせっけん」あるいは「(ふんわりした)泡立ちの良いせっけん」程の意味合いを容易に理解するにとどまり、単に商品の品質、効能、効果を表示するにすぎないものと認識し、把握するものであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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