Trademark Appeal Case
欧文字商標の称呼類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第4030号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「CORELE」の欧文字を横書してなり、第25類「下着その他の被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、運動用特殊衣服」を指定商品とし、平成5年6月30日に登録出願、指定商品につき同7年9月25日付手続補正書により「婦人用下着、スポーツウェアおよびレジャーウェア」に補正されたものである。
第2 原査定の引用商標
原査定において商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した商標登録第948956号に係る商標(以下、「引用商標」という。)は、「コーレル」の片仮名文字と「KORELL」の欧文字を二段に横書きしてなり、昭和44年12月24日登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として同47年2月1日設定登録、昭和57年5月27日、平成4年5月28日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
第3 請求人の主張
1 請求の趣旨
「原査定を取り消す。本願商標は、登録すべきものとする。」旨の審決
2 請求の理由
本願商標と引用商標の有する外観、称呼、観念のそれぞれの判断要素をもとに商標の類否を判断する。
(1)外観
本願商標と引用商標は、その外観の構成において共通する部分はなく、その外観において非類似である。
(2)称呼
本願商標「CORELE」は、特定の意味のない造語であるが、本願商標の出願人がフランス法人であること、及び本願指定商品分野が、いわゆるファッション業界にあって、特に販売業者及び女性購買者は、欧文字の商標をフランス語風に発音する。そして、このような場合に本願商標は「コレル」と称呼される。
これに対し、引用商標は、特定の意味のない造語と理解され、その構成中の片仮名文字「コーレル」が欧文字「KORELL」の読み仮名と理解されるから「コーレル」の称呼が生じる。
わずか3音からなる本願商標の「コレル」の短い構成音中の語頭音に引用商標の「コーレル」のように長音を伴うことによって、称呼全体の語感・語調に大きな影響を及ぼし、この長音の有無により本願商標と引用商標とは称呼上十分に聴別可能な商標である。
(3)観念
本願商標「CORELE」の構成中「C」と「ELE」の文字は、ラテン語若しくはフランス語に語源を発する文字であり、引用商標「コーレル/KORELL」の構成中「K」の文字は、英語、ドイツ語若しくはスカンジナビア諸国語に語源を発する文字である。そのため、両商標を一見した場合、本願商標は女性的な印象を想起させ、引用商標は男性的な印象を想起させる。特に、女性購買者にとっては、「婦人用下着、スポーツウェアおよびレジャーウェア」を指定商品としている本願商標は、その観念上の認識と指定商品との間に非常に密接な関係が生じ、両商標が誤認混同するおそれも、混同されている事実もない。
(4)殊に本願指定商品の顧客は女性に限定され、商品販売の店舗、場所も特定される実情は商標の類否判断の結論を左右すべき重要な理由となり得る。
(5)したがって、本願商標は、引用商標から識別し得るものであり、商標法第4条第1項第11号に該当せず、登録されるべきである。
第4 当審の判断
1 そこで、本願商標と引用商標との類否について検討する。
(1)本願商標は、上記のとおり「CORELE」の欧文字を横書してなるものであり、特定の語義を生じない造語と認められる(この点については請求人も争わないところである。)。そして、「CORELE」の文字は、我が国において最も普及している英語において「cor〜」の文字を有する語、例えば、英語「corn」(トウモロコシ)が「コーン」、「coral」(サンゴ)が「コーラル」と発音されている例に倣い、「コーレル」と称呼されることも決して少なくないものとみるのが相当である。そうすると、本願商標は、「コーレル」の自然称呼が生ずるものである。
(2)引用商標は、上記のとおり「コーレル」の片仮名文字と「KORELL」の欧文字を二段に横書きしてなるところ、その構成中の「コーレル」の片仮名文字部分が欧文字「KORELL」の読みを特定するために表示されたものと理解され、これらの文字よりは特定の語義を生じないものと認められ、その構成文字に相応して「コーレル」の称呼が生ずることは明らかである。
(3)本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、いずれも特定の語義を生じないものであるから、観念については比較することはできないが、前記認定したとおり称呼を同一にするものである。
また、本願商標「CORELE」と引用商標「コーレル/KORELL」とを見ると、両者の外観は、引用商標において片仮名文字の併記のある点で相違するほか、欧文字部分も、ともに6文字からなるうち、冒頭の文字において「C」と「K」、末尾において「E」と「L」が相違するが、中間において「OREL」が共通するものである。しかも、引用商標の片仮名文字部分は、「KORELL」の欧文字部分のみから生ずる称呼をそのまま片仮名で記載しただけのものであり、欧文字との関連性が強いだけに、その印象がさほど強いとはいえないこと、両商標の欧文字部分がいずれも特定の観念のある欧文字ではないため、その配列文字について特段の注意を払うのは少ないこと、両者は称呼が同一であることを考慮すると、取引者、需要者が両商標の外観に接した場合、両商標は誤認混同するおそれが高いとはいえないが、全く類似しないとまでいうことはできない。
したがって、本願商標と引用商標とは、観念においては特定の意味を生じないものであって比較することができないが、外観においてある程度類似性が否定できないものであって、前記認定のとおり称呼が同一のものであり、全体として出所の混同を生ずるおそれのある類似する商標であるといわなければならない。
そして、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似する商品である。
2 請求人は、本願指定商品の顧客は女性に限定され、本願商標はフランス語風に発音されて「コレル」の称呼が生ずる旨主張する。
しかしながら、本願指定商品は「スポーツウェア、レジャーウェア」を含む商品であり、顧客が女性に限定されるものではなく、本願商標がその指定商品及び購買者との関係から常にフランス語風に発音されるものでもなく、本願商標より「コーレル」の称呼が生ずることは、前記1(1)で認定したとおりであり、請求人の主張は失当である。
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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