Trademark Appeal Case
マホービン"の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−20968(T2005−20968/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「マホービン」の片仮名文字を横書きしてなり、第7類、第11類及び第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年7月20日に登録出願され、その後、指定商品については、同17年4月6日付け及び同18年1月10日付けの手続補正書により、最終的に第7類「食品製造用真空凍結乾燥機」、第11類「漁船用低温魚類保冷庫を含む業務用冷蔵庫」及び第12類「冷却源を有する船舶用低温魚類保冷庫・冷却源を有する低温魚類保冷庫を具えた冷凍運搬船」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、近時の我が国における、いわゆるカタカナ語表記の実情よりすれば、容易に『中に入れた液体の温度を長時間保つようにした瓶』の意味を有する『魔法瓶』或いは『魔法びん』を指称したと理解される『マホービン』の文字を書してなることに加え、本願指定商品と関係の深い保温容器業界において、例えばビールサーバーに、『ステンレスマホービンで、飲み頃温度をキープ』のように『ステンレスの真空マホービンを採用した商品』の品質(構造)の特徴を表示するものとして『マホービン』の文字が採択・使用されている実情が見られることをも併せ考慮すると、これをその指定商品中前記文字に照応する商品、例えば『真空凍結乾燥機,漁船用冷却設備,陸上用冷却設備,業務用冷蔵庫,船舶用糧食庫,冷凍運搬船の部品及び附属品』について使用してもこれに接する者は、『魔法瓶構造(前記した中に入れた液体の温度を長時間保つようにした瓶構造)の製品』の意味合いを表すものとして把握、認識するに止まり、単に商品の品質(構造)を表してなるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「マホービン」の文字を書してなるところ、「中に入れた液体の温度を長時間保つようにした瓶。内外2層のガラスまたはステンレスの間を真空にし、熱の伝導・対流・輻射の程度を少なくしたもの。」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)の意味を有する「まほうびん【魔法瓶】」を容易に認識するものである。
ところで、近時、省エネや環境保護の観点より、電気やガスを節約できるための魔法瓶構造の容器、施設や保管庫、魔法瓶仕様の冷蔵庫等が実在していることが、以下の新聞記事情報やインターネットの情報により認められる。
(ア)「電気ポットの使い方は?(節テク)」(2003.08.30 朝日新聞東京朝刊 57頁)の見だしのもと「『保温』機能での消費電力を減らすため、ステンレス製の外容器と内容器の間を真空層にした『魔法瓶構造』のものが、その典型だ。」との記載
(イ)「1000度の高熱でも美術品『大丈夫』林原などが保管庫【大阪】」(2005.10.30 朝日新聞大阪朝刊 9頁)の見だしのもと「・・・1千度以上の高熱にも耐える保管庫の共同開発に成功した。美術品の保管や一般家庭での貴重品の保存など、幅広い応用が期待できる。・・・真空魔法瓶構造をしており、容器の周りにはゲル状の水が内蔵されている。」との記載
(ウ)「角氷がまるごと入る卓上ポット発売へ/象印マホービン」(2006.01.28 読売新聞大阪朝刊 7頁)の見だしのもと「象印マホービンは魔法瓶構造の卓上ポット『ステンレスポット』を2月21日に売り出す。」との記載
(エ)「文化庁検討会が一般公開を了承 高松塚壁画【大阪】」(2006.06.30 朝日新聞大阪朝刊 32頁)の見だしのもと「・・・石室解体の方針について再確認し、来年春の解体に合わせて建設する保存修理施設で壁画を一般公開する方針を了承した。施設は空調の利く二重壁の『魔法瓶構造』にする。」との記載
(オ)「平成16年度水産業構造改革加速化技術開発事業(漁船漁業構造改革関係分)」(http://www.jfa.maff.go.jp/gyosen/five/siryou5-3.pdf)のホームページには、「次世代型まぐろ延縄漁船の開発」の見だしの頁に「一貫したまぐろ船上加工システムの開発」とした図解に「釣穫→四ツ割加工→ロイン(フィレ)凍結庫へ→マホービン式魚倉へ」との記載
(カ)「株式会社巴商会」(http://www.tomoeshokai.co.jp/products/equipment/index.html)のホームページには「ガス設備/供給設備」の「容器・貯槽」に「マホービン式容器」との記載
(キ)「National」(http://national.jp/appliance/product/system_ref/feature03.html)のホームページには「システムキッチン用冷蔵庫」として、「商品の特長 環境へ配慮した『省エネ&エコ仕様』」、「真空断熱材による魔法瓶仕様/ナショナルの冷蔵庫は、従来の硬質ウレタンだけでなく、真空断熱材により魔法瓶のように、スッポリ包みこまれています。」との記載
(ク)「平成13年度/エアポンプ式、炭酸ガスボンベ式のもの、どれを選びますか?/ビアサーバー」(http://www.pref.fukushima.jp/syouhi/test/H13beerserver.htm)のホームページには「テストした商品の仕様」の表に「商品No.3」の電動式エアポンプの付加機能の欄に「保冷機能(魔法瓶構造)」との記載
以上より、卓上ポットから冷蔵庫及び施設に至るまで大小を問わない商品において、保温、保冷のために商品の周りを真空層等にした魔法瓶構造や魔法瓶仕様のものを採用しているといえ、また、漁船においても「マホービン方式の魚倉」を備えているものがあるといえる。
さらに、請求人(出願人)においても、平成17年4月6日付けの意見書に添付の物件をみると、魚類を低温保管する漁船用低温魚類保冷庫について「マホービン方式のメリット」及び「マホービン方式魚▲そう▼冷却方式」という表示で使用しているものである。
そうすると、「マホービン」の文字からなる本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品が魔法瓶構造(内外2層のガラスまたはステンレスの間を真空にし、熱の伝導・対流・輻射の程度を少なくしたもの。)の商品であると理解するにとどまり、該商品の機能、品質を表示したものと認識し、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであるといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人(出願人)は、本願商標の指定商品は、商品「魔法瓶」との関連性が希薄であり、しかも「マホービン」の文字は、造語と捉える余地もあることから、本願商標が需要者及び取引者に「魔法瓶」を一義的に直感させると考えるべき格別の理由はない旨、及び請求人使用に係る魚類を低温保管する漁船用低温魚類保冷庫の構成は請求人独自の技術によるものである旨述べているが、魔法瓶構造の商品が各種開発、製造されていること上記のとおりであるから、その主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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