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Trademark Appeal Case

じっくり商標の識別力と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−14854(T2006−14854/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「じっくり」の文字を標準文字で書してなり、第3類「化粧品」を指定商品とし、平成16年2月18日に登録出願された商願2004−14279に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同17年3月18日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

(1)商標法第3条第1項第3号該当

本願商標は、「落ち着いて時間をかけて念入りに行うさま。」(広辞苑第五版)を表す「じっくり」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、「クリーム,美容液を含ませた目元用マスク状化粧品,化粧水,洗顔料,リップケア化粧品,ヘアトリートメント」等、「(肌、唇、髪等に)徐々に効果を与える商品,(肌、唇、髪等に、)時間をかけて念入りに、有効成分が作用する商品」が多数販売されている実情が認められることからすれば、これを、本願指定商品「化粧品」に使用しても、上記意味合いを理解させるにとどまり、商品の品質、効能を表したにすぎないものと認める。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第11号該当

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4747102号商標(以下「引用商標」という。)は、「ジックリパック」の片仮名文字を標準文字で書してなり、平成12年4月25日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,洗濯用柔軟剤,つや出し剤,研磨紙,靴クリーム,塗料用剥離剤 」を指定商品として、同16年2月13日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号に該当するとの理由について

本願商標は、「じっくり」の文字を標準文字で書してなるところ、該文字自体は、「落ち着いて時間をかけて念入りに行うさま。」(広辞苑第五版)の意味を有する語であるにすぎず、指定商品との関係においても、それ自体で、「(肌、唇、髪等に)徐々に効果を与える商品,(肌、唇、髪等に、)時間をかけて念入りに、有効成分が作用する商品」といった意味合いを看取させる働きを持つものとはいい得ないし、また、特定の商品の品質等を直接的かつ具体的に表示するものともいい難い。

さらに、当審において調査するも、指定商品を取り扱う業界において、「じっくり」の文字自体が商品の品質等を表示するものとして、取引上、普通に使用されている事実も発見し得なかった。

してみれば、請求人(出願人)が、本願商標をその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第11号に該当するとの理由について

本願商標は、「じっくり」の文字よりなるから、その構成文字に相応して「ジックリ」の称呼が生ずるものであり、かつ、「落ち着いて時間をかけて念入りに行うさま」(広辞苑第五版)の観念を生ずるものである。

他方、引用商標は、「ジックリパック」の文字を標準文字で書してなるところ、全体としてまとまりよく一体的に構成されていて、これより生ずる「ジックリパック」の称呼も格別冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、たとえ、引用商標の後半部に、引用商標の指定商品中に含まれる「パック用化粧料」を認識させる「パック」の文字が含まれているとしても、かかる構成においては、これが「パック用化粧料」を表したものとして解されるというよりは、むしろ、「ジックリパック」の構成全体をもって、特定の観念を生じない一種の造語を表したものとみるのが相当である。

そうとすると、引用商標からは、その構成全体に相応して、「ジックリパック」の称呼のみが生ずるものである。

してみれば、本願商標より生ずる「ジックリ」の称呼と引用商標より生ずる「ジックリパック」の称呼とは、明らかな音構成の差異等により、称呼上相紛れるおそれはないものというべきである。

また、本願商標と引用商標とは、前記の構成からみて、外観においても区別し得るものであり、観念については、引用商標が特定の観念を生じない一種の造語というべきものであることから、比較することはできない。

そうとすれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点よりみても、互いに類似しない商標といわざるを得ない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。

(3)以上よりすれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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