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Trademark Appeal Case

指定商品における使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−31536(T2005−31536/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3031100号商標(以下「本件商標」という。)は、「HyQ」の欧文字を書してなり、1992年1月3日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、第5類「診断用に用いられる培地」を指定商品として、平成4年7月3日に登録出願、同7年3月31日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標についてその登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

1 請求の理由

本件商標は、継続して過去3年以上日本国内においてその指定商品について使用されていないものであるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、答弁書において本件商標を「診断用に用いられる培地」に継続的に使用していると述べ、被請求人が発行した2004年度・2005年度版製品カタログの写しとその抄訳を乙第2号証として提出している。そして乙第2号証において「HyQ」と共に記載された製品番号「SFM4MAb」は「治療用Mab生産のための最適な無血清培地である。」と記載されている旨述べている。

しかしながら、乙第2号証は米国で発行された製品カタログであり、米国で仮にこれが「治療用Mab生産のための最適な無血清培地」として使用されていたとしても、日本において本件商標が「診断用に用いられる培地」に実際に使用されている旨を立証していることには必ずしもならない。

すなわち、「培地」には「研究・調査」に用いられる「培地」も存在し、診断・医療用培地とそれら以外の培地とは特許庁における類似群も異なり、いずれの「培地」に本件商標が使用されているかは本件審判請求においては重要な問題である。

そして米国において発行されたカタログに「治療用Mab生産のための最適な無血清培地」なる記載があることのみをもってして、本件商標が日本国内で「診断用に用いられる培地」に使用していることを立証していることにはならない。

また被請求人は、乙第3号証及び乙第4号証において日本における輸入販売元であるフナコシ株式会社による仕入実績表及びカタログを示しているが、これとて本件商標が「診断用に用いられる培地」に使用されていることを立証しているとはいえない。

被請求人は、日本国内において本件商標を「診断用に用いられる培地」について本件の審判の請求登録前3年以内に使用していることを示す客観的な証拠により登録商標の使用を立証すべきであって、提出された証拠は採用されるべきではない

(2)まとめ

提出された証拠を総合的に見ても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかが、本件商標を第5類「診断用に用いられる培地」について使用していることを証明しておらず、提出された証拠は採用されるべきではない。

したがって、本件商標の登録は、商標法50条1項の規定により取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。

1 被請求人たる本件商標権者は、本件商標を現在に至るまで継続的に使用しており、以下、使用の事実を立証する。

(1)被請求人たるハイクローン・ラボラトリーズ・インコーポレイテッドは、少なくとも本件審判の請求の登録日(平成18年1月18日)(被請求人は、「平成18年1月16日」と述べているが、これは誤りである。)前3年以内である2004年(平成16年)1月ないし12月の間、本件商標を、当該指定商品「診断用に用いられる培地」について使用している。

(2)被請求人は、本人が発行した2004年度・2005年度版製品カタログの写しとその抄訳を乙第2号証として提出する。この製品カタログの26頁に本件商標「HyQ」が記載されていると共にその登録商標が付された製品番号「SFM4MAb」は「治療用Mab生産のための最適な無血清培地」と記載されている。

また、本件商標「HyQ」に、製品番号「SFM4MAb−Utility」を付した商品の説明として「研究と診断におけるMab生産のための好適な無血清培地」と記載されている。よって、本件商標が当該指定商品の広告として使用されていることは明らかである。

(3)次に、被請求人は、日本国における輸入販売元である東京都文京区本郷2丁目9番7号所在のフナコシ株式会社に本件商標「HyQ」を使用した「HyQ SFM4MAb」及び「HyQ SFM4MAb−Utility」を販売したことを証明するフナコシ株式会社の仕入実績表を乙第3号証として提出する。この乙第3号証から、フナコシ株式会社は本件商標「HyQ」を使用した診断用培地としての「HyQ SFM4MAb−Utility」を2003年12月11日付で被請求人に発注し2004年1月8日付で納品(INVOICE)され、また、2004年7月22日付で同様に発注し、2004年7月29日付で納品(INVOICE)され、且つ2004年11月18日付で同様に発注され、2004年12月2日付で納品(INVOICE)されていることが明らかになっている。また、本件商標「HyQ」を使用した当該指定商品としての「HyQ SFM4MAb」について、上記フナコシ株式会社は被請求人に対して2004年3月18日付で発注し2004年4月1日付で納品されると共に2004年5月27日付で同様に発注し2004年6月3日付に納品されていることが明らかである。

(4)さらに、被請求人は、日本の輸入販売元であるフナコシ株式会社の2005−2006用総合カタログ試薬編の写しを乙第4号証として提出する。

この試薬編の659項には、本件商標「HyQ」が使用された「HyQ SFM4MAb」及び「HyQ SFM4MAb−Utility」の当該指定商品が掲載されており、本件商標は当該指定商品の広告として使用されていることは明らかである。

2 以上の立証事実から明らかなように、本件商標は、当該指定商品「診断用に用いられる培地」について、被請求人が、本件審判の請求の登録前の少なくとも3年間に継続して使用していた事実は明らかである。

第4 当審の判断

1 乙第2号証ないし乙第4号証によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第2号証は、被請求人の2004年度・2005年度版製品カタログの抄訳(26頁)であり、(ア)「HyQ 登録商標の丸記号 SFM4MAb TM(上部に小さく表示されている。)」の見出しの下に、「治療用Mab製造のための最適の無血清培地」の記載、及び(イ)「HyQ 登録商標の丸記号 SFM4MAb TM(上部に小さく表示されている。)−Utility」の見出しの下に、「研究と診断におけるMab製造のための好適な無血清培地」の記載が認められる。

(2)乙3号証は、フナコシ株式会社の仕入実績表の写しであり、「仕入実績2004年1月〜2006年3月」の表題の下の「商品コード」、「商品名」、「仕入先名」、「INVOICE日付」、「入荷数量」等の欄の「商品コード」欄内に「SH30382.01」、「商品名」欄内に「〜HyQ SFM4MAb−Utility」、「仕入先名」の欄内に「HYCLONELABORATORIES.INC(HYC)」、「INVOICEO日付」の欄内に「20041202」、「入荷数量」の欄内に「2」、同じく「商品コード」欄内に「SH30513.01」、「商品名」欄内に「〜HyQ SFM4MAb」、「仕入先名」の欄内に「HYCLONELABORATORIES.INC(HYC)」、「INVOICEO日付」の欄内に「20040603」、「入荷数量」の欄内に「1」の記載が認められる。

(3)乙4号証は、フナコシ株式会社発行の「フナコシ総合カタログ2005−2006試薬編ベストセレクション」と題する商品カタログの写しであり、その659頁(3枚目)の中程に、「商品コード」として「SH30513.01」、「品名」として「〜HyQ SFM4MAb」の記載、同じく「商品コード」として「SH30382.01」、「品名」として「〜HyQ SFM4MAb−Utility」」の記載が認められる。

2 そして、上記1(ア)及び(イ)の商品は、それぞれ「治療用Mab製造のための最適の無血清培地」「研究と診断におけるMab生産のための無血清培地」に関する説明記載(乙第2号証)と「微生物・動植物あるいはその組織・細胞の培養に使用する液体ないし固形の物質」(広辞苑第5版の「培地」の項目参照)の記載を合わせみると、本件商標の指定商品である第5類の「薬剤」の範疇に属する「診断用に用いられる培地」とみて差し支えないというのが相当である。

また、上記1(ア)の商品名は、その構成中に「HyQ登録商標の丸記号」を表示した態様において、「HyQ」の文字からなる本件商標と社会通念上同一の商標を使用していると認め得るものである。

3 乙第2号証ないし乙第4号証及び被請求人の主張を合わせ勘案すれば、フナコシ株式会社は、被請求人の日本における輸入販売元であり、被請求人から本件商標の使用を許諾された者とみるのが相当である。そして、これを否定する証拠はない。

4 以上を総合すれば、被請求人の通常使用権者と認められるフナコシ株式会社は、本件審判の請求の登録前3年以内の少なくとも2004年(平成16年)6月から12月にかけて、日本国内において、「HyQ」の商標を付した商品「診断用に用いられる培地」を輸入し、譲渡していたものと推認される。

してみると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人の通常使用権者と認められる者によって、本件商標の指定商品「診断用に用いられる培地」について本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものといわざるを得ない。

5 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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