結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2004−24986(T2004−24986/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「NANOハイテン」文字を横書きしてなり、第6類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年9月9日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、当審において、同19年3月13日付けの手続補正書により、「高張力鋼,高張力鋼板,高張力鋼管,高張力棒鋼,高張力線材」と補正されたものである。
原査定は、「本願商標は、『NANOハイテン』の文字を書してなるものであるところ、その構成中の『NANO』の文字が10億分の1を意味する接頭語であって、10億分の1メートルレベルで原子や分子を操って新しい材料の創出や新しい機能を引き出す技術である『ナノテクノロジー(超微細技術)』は、近年、材料分野を中心に注目を集めており、急速に研究、開発が進んでいる。そして、高張力鋼を含めて鋼を強化するものは析出物であり、この析出物をナノサイズ化することでより強化することができるところ、高張力鋼を含めた鉄及び鋼の分野でも、ナノレベルでの結晶構造、ナノレベルでの粒界制御等の研究は数多くなされており、析出物をナノサイズ化したり、その組織結晶がナノスケールで制御された商品が開発されており、『ナノ複合材料、ナノ結晶合金』の如く表示されている事実を認めることができる。また、その構成中の『ハイテン』の文字は、鉄鋼を取り扱う業界の分野において、『高張力鋼(High Tensile Steel)』の略称として使用されているものである。そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は『析出物をナノサイズ化した高張力鋼』の如き意味合いを表したものとしか理解・認識しないものと認められる。してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは『析出物をナノサイズ化した高張力鋼・高張力鋼板あるいは析出物をナノサイズ化した高張力鋼を用いた鋼管・棒鋼・線材・建築用又は構築用の金属製専用材料・金属製建造物組立てセット・金属製管継ぎ手』を理解・認識させるにとどまるものであって、単に商品の品質を表示したにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の本願指定商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
当審において、要旨以下の審尋を発し、期間を定めて請求人に対し意見を述べる機会を与えた。
請求人は、本願審判請求の理由の要点2において、「仮に本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、請求人のみが本願商標を指定商品に使用しており、かつ指定商品の性質上、需要者が特定の者に限られることから、その結果需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識できるに至っている。」旨述べているが、具体的に商標法第3条第2項に該当する旨主張するならば、例えば、以下のような証拠を提出されたい。
なお、使用により識別力を有するに至った商標として登録が認められるのは、その商標と同一の商標及びその商標を使用していた特定商品と同一の商品に関する場合のみとされることに留意されたい。
(ア)納入伝票、注文伝票、請求書又は領収書等
(イ)広告宣伝等が掲載された印刷物(新聞、雑誌、カタログ、ちらし等)
(ウ)商標が使用されていることを明示する写真等
(エ)広告業者又は印刷業者等の証明書
(オ)同業者、取引先又は需要者等の証明書
(カ)公的機関の証明書
請求人は、本願商標が、請求人の商品「高張力鋼および高張力鋼板」に使用された結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるものであるとして、甲第12号証ないし同第23号証を提出して主張するとともに、前記1のとおり、その指定商品を補正しているものである。
本願商標は、「NANOハイテン」の文字を横書きしてなるところ、構成各文字は同じ書体、同じ大きさで一体的に書き表されており、全体として一語を形成しているといえるものである。そして、たとえ「NANO」の文字が「10億分の1」を意味する接頭語であって、10億分の1メートルレベルで原子や分子を操って新しい材料の創出や新しい機能を引き出す技術である「ナノテクノロジー(超微細技術)」の語があり、また、「ハイテン」の文字が「高張力鋼(High Tensile Steel)」の略称として使用されているものであるとしても、これを組み合わせた「NANOハイテン」の語から、原審説示の如き「析出物をナノサイズ化した高張力鋼」の意味合いを、直ちに看取し得るものとはいい難いものであって、むしろ、構成文字全体をもって一体不可分の、一種の造語を表したものとして理解されるものとみるのが相当である。
また、「NANOハイテン」の語は出願人により、平成15年4月より現在に至るまで使用されているものであり、本願指定商品を取り扱う業界においては出願人の業務にかかる商品であることが、相当程度知られていると認められるところであり、さらに、当審において職権をもって調査したが、「NANOハイテン」の文字が本願指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実を発見することができなかった。
そうすると、本願商標を、補正後の指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分果たし得るものであって、かつ、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取り消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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