結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−31003(T2006−31003/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4459242号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハイダックス」と「HiDAX」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成11年10月4日に登録出願、第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造用機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,風水力機械器具,農業用機械器具,漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,機械式駐車装置,芝刈機,業務用食器洗浄機,修繕用機械器具,電動式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」、及び第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,地盤改良工事,土質改良工事,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)の修理又は保守,土木機械器具の修理又は保守,土木機械器具の貸与,鉱山機械器具の修理又は保守,建築設備の運転,建築一式工事及び土木一式工事に関する助言,建築一式工事及び土木一式工事に関する技術情報の提供,建築一式工事及び土木一式工事に関する施工監理,耐震用緩衝器の修理又は保守,耐震用緩衝器の貸与」を指定商品又は指定役務として、平成13年3月16日に設定登録されたものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1及び第2号証を提出した。
請求人の調査によれば、本件商標は、指定商品中、第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造用機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,風水力機械器具,農業用機械器具,漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,機械式駐車装置,芝刈機,業務用食器洗浄機,修繕用機械器具,電動式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)但し、地震や強風による建物の揺れを吸収する制震装置、及びこれらの類似商品を除く。」につき継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何等正当な理由が存するとも認められない。
本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないから、使用権者による使用ということも問題にならない。
(1)被請求人は、本件商標を制震システムに使用しているから、これが本件取消審判請求に係る指定商品「地震や強風による建物の揺れを吸収する制震装置、及びこれらの類似商品及びその他の機械要素(陸上乗物用のものを除く)」への3年以内の使用に該当する旨を述べている。
(2)被請求人の証拠書類について
(ア)乙第1号証
被請求人は、乙第1号証において自らのウェブページを印刷したものを提出しているが、「高性能制震システム『HiDax(ハイダックス)』に新型誕生」の表題にもあるように、使用に係る商品は高層ビルにおける地震や風揺れの制御システムであることがわかる。これは、第1頁の末尾に「HiDax(ハイダックス)」に関する注釈として、「HiDax:High Damping system in the next generation(次世代型制震システム)」の太字部分を商標に採用していることからも明らかである。
(イ)乙第2号証
「鹿島技術研究所年報」は、被請求人のオイルダンパに関する研究論文である。
(ウ)乙第3号証
被請求人の「HiDax(ハイダックス)」に係る技術パンフレットであり、次世代型制震システムのラインナップとして、最上位機種の 「HiDax−s」をはじめ、「HiDax−e」、「HiDax−u」を写真及び図入りで仕組みを説明しており、第5及び第6頁では森タワー(六本木ヒルズ)や汐留タワーなど、「HiDax(ハイダックス)」の納入実績が示されている。
特に第2頁の「頭脳を持ったオイルダンパ」の項で、「HiDax−sは(中略)〜制震システムです。」と、「HiDax」が「システム」の商標であることを断言している。
(エ)乙第4号証
「HiDax(High Damping System in the Next Generation)」をはじめ、 「HiDAM(High Damping System)」、「HDS(Honeycomb Damper System)」、「DUOX(アクティブ二重動吸振器型制震システム)」、「JDS(Joint Damper System)」 、 「AMD(Active Mass Driver System)」、「TRIGON(錘駆動式ハイブリッド制震システム)」、「AVS(Active Variable Stiffness System)」 、 「AVD(Active Variable Damping System)」等々、風揺れや地震の規模に応じた「制震システム」ラインナップで、制震技術全般に関する被請求人の技術パンフレットである。
(3)登録商標の使用について
被請求人は、制震システムの中に含まれる「緩衝器」や「制動装置」が「機械要素」に属するため、「地震や強風による建物の揺れを吸収する制震装置、及びこれらの類似商品及びその他の機械要素(陸上乗物用のものを除く。)」に登録商標を使用している旨述べている。
しかし、被請求人が「緩衝器」や「制動装置」などの「機械要素」について本件商標を使用しているならば、これらが独立して商取引に使用されている必要があるが、証拠書類には「制震システム」(完成品)以外に「緩衝器」や「制動装置」等が商取引された形跡はない。
また、被請求人は、判決等を引用して本件との関係を述べるが、本件は「緩衝器」及び「制動装置」を含む「機械要素」の使用・不使用を争点としており、商品の類似概念について争っているものではない。
(4)まとめ
以上、被請求人の提出した証拠書類は自社パンフレット等主観的なもので、「機械要素」の具体的な商取引を客観的に立証したものではない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第4号証を提出した(なお、被請求人は前記証拠を「甲号証」と表記するが、前記のとおり、乙号証として取り扱うものとする。)。
(1)請求人から取消の対象とされた指定商品は、下記のとおりである。
第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造用機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,風水力機械器具,農業用機械器具,漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,機械式駐車装置,芝刈機,業務用食器洗浄機,修繕用機械器具,電動式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)但し、地震や強風による建物の揺れを吸収する制震装置、及びこれらの類似商品を除く。」
(2)請求人から取消の対象とされた指定商品のうち、「但し、地震や強風による建物の揺れを吸収する制震装置、及びこれらの類似商品を除く。」の部分を除いては、本件商標に係る指定商品中の第7類の指定商品と同じである。
(3)乙第1ないし第4号証には、いずれも本件商標の使用が見られる。
乙第1号証である鹿島建設株式会社のウェブサイトホームページ(http://www.kajima.co.jp/news/press/200408/30alto−j.him)[2004/8/30]の「高性能制震システム『HiDAX』(ハイダックス)に新型誕生」の記事のプリントアウトでは、「HiDAX」「ハイダックス」の文字が見られる。
乙第2号証である鹿島記述研究所年報 第52号 2004年9月30日「エネルギ吸収効率に着目したON/OFF型パッシブオイルダンパの記事」にも「HiDAX」「ハイダックス」の文字が見られる。
乙第3号証「HiDAX」のパンフレットでも、表紙その他に「HiDAX」「ハイダックス」の文字が見られる。
乙第4号証「制震技術」のパンフレットでは、第7頁に「HiDAX」「ハイダックス」の文字が見られる。
そして、この「HiDAX」「ハイダックス」の文字の使用対象は、建物の高性能制震システムに使用する機械装置であり、「地震や強風による建物の揺れを吸収する制震装置、及びこれらの類似商品」である。とくに、オイルダンパおよびそれを制御する装置がこれに該当する。
オイルダンパを例にとると、これはオイルジャッキであり、緩衝器、制動装置として、機械要素に属する(「商品及び役務区分解説」編集 特許庁商標課 発行 社団法人 発明協会参照)。
よって、本件商標は、すくなくとも機械要素について使用されているものである。
(4)例えば、「文房具」を指定商品とする場合、シャープペンシルについて使用されているが、定規について使用されていないときには、指定商品「文房具」を取り消すことはできないはずである。
東京高裁 平成11年(行ケ)第147号審決取消請求訴訟事件では、「ばんどう太郎」の文字を横書きしてなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品とする登録商標に関して、当該登録商標が「すし」について使用されているものの、指定商品中「うなぎの蒲焼き及びそれに類似する商品」については日本国内において、継続して3年以上、使用されていたものとは認められず、かつ、使用されていなかったことについて正当な理由があるものとは認められないから、商標法50条2項の規定により、上記商品については、その登録を取り消すべきものとされた。
この判例は、不使用取消の審判が「うなぎの蒲焼き及びそれに類似する商品」について提起された例であり、使用している「すし」と同じ、「加工食料品(他の類に属するものを除く)」を取消の対象としたものではない。
本件取消審判においては、「機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」を取消の対象としており、これは前記判例の不使用取消の審判で、「加工食料品(他の類に属するものを除く)」を取消の対象としたのと同じである。
(5)以上総合して、本件商標権は、「地震や強風による建物の揺れを吸収する制震装置、及びこれらの類似商品及びその他の機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」については使用が認められるべきである。
(1)2004年(平成16年)11月に作成されたと認められる被請求人の技術パンフレット(乙第3号証)は、その表紙に「HiDAX」及び「ハイダックス」の文字が表示されている。
その1頁には、「HiDAXラインナップ」として、「HiDAX−s」「HiDAX−e」「HiDAX−u」との表示があり、2頁には、「HiDAX−sは、鹿島が業界に先駆けて実用化した建築構造物用オイルダンパHiDAMにマイコン、センサなどを組み合わせたセミアクティブ型制震システムです。・・・HiDAX−sは普及型HiDAX−e、HiDAX−uの誕生により、HiDAXシリーズの最上位機種として位置づけられます。」との記載があり、HiDAX−sのしくみが図示され、その設置の実例が示されている。3頁には、「HiDAX−e」「HiDAX−u」の表示があり、それらのしくみ及び設置のようすが示されている。
(2)2003年(平成15年)1月に作成されたと認められる被請求人の技術パンフレット「制震技術」(乙第4号証)の7頁に、「HiDAX」の表示があり、「HiDAX(ハイダックス)は建物にマイコン制御のオイルダンパを組込み、地震や強風による揺れを吸収させるセミアクティブ型制震システムです。」との記載と、「HiDAX」について、「頭脳を持ったオイルダンパ」として前記(1)と同様の記載がある。
(3)2004年8月30日の被請求人のホームぺージ(乙第1号証)には、「高性能制震システム『HiDAX/ハイダックス』に新型誕生」として、「HiDAX−e」及び「HiDAX−u」の概要と特長が掲載されている。
(4)「鹿島技術研究所年報 52号 2004年9月30日」(乙第2号証)は、上記「HiDAX(ハイダックス)」とは別の新しいオイルダンパに関する論文と認められるところ、その文章中には「HiDAX(ハイダックス)」の表示が数次にわたり記載されているが、その中の「1.はじめに」のb.には、「HiDAXを構成する上で必須のセンサ,コントローラ,電磁バルブ,各種配線などが一切不要となり、・・・。」との記述が認められる。
(5)上記パンフレット等に使用されている商標は、いずれも、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。
そこで、本件審判においては、「機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」が取消請求の対象となっており、「地震や強風による建物の揺れを吸収する制震装置、及びこれらの類似商品」が取消請求の対象から除かれていることは、審判請求書の記載に照らして明らかである。
しかして、本件商標の使用をしているとして示された前記1の商品は、前記カタログ等に表された機能や仕様からみると、その部品として緩衝器や制動装置あるいは弁等が用いられているとしても、これらを構成要素としてなる制震装置(システム)というべきものであり、機械の部品としての商品が含まれる「機械要素」の範疇に属するものとはいい難いものであって、まさに、地震や強風による建物の揺れを吸収する制震装置とみるのが相当である。
そして、前記システムに用いられている緩衝器や制動装置等そのものについて、本件商標が使用をされたと認め得る証左は見いだせない。
してみると、それは、取消請求に係る指定商品ではなく、但し書きで明示的に除かれた商品についての使用というべきであるから、上記1をもって、取消請求に係る指定商品について本件商標の使用を証明したとすることはできないものである。
ほかに取消請求に係る指定商品について、本件商標の使用を認め得る証拠はなく、また、不使用の正当理由についての主張及び立証はない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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