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Trademark Appeal Case

ポロ図形商標の類否と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成5年審判第18026号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示の構成よりなり、第25類「紙類 文房具類」を指定商品とし、平成1年11月30日に商標登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、米国のザ・ポロ/ローレン・コンパニー社が被服、革製品、日用品等に使用し、我が国においても著名な、馬に乗りポロ競技をしている人物の図を描いてなる商標と類似するものであるからこのような商標をその指定商品について使用するときには、恰も上記会社と何らかの関係を有する商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定判断し、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

本件審判請求の理由は、次のように要約されるものである。

(1)米国のザ・ポロ/ローレン・コンパニー社が使用する商標は、紳士・婦人用被服、ネクタイ、ハンカチ等の商品にラルフローレンのデザインによる極めて独創性に富み、かつ非写実的なもので「ポロゲーム」をしている人を彷彿させる程度に過ぎない特異性を持った「ポロプレーヤーの図形」に「RALPHLAUREN」、「POLO RALPHLAUREN」等の文字を表示したものであり、かつ宣伝,広告に努めた結果、該図形の外観上の特徴と相俟って、需要者、取引者はこれを一見して、ザ・ポロ/ローレン・コンパニー社の業務に係る商品であることを看取し得る程度に広く認識されているものと認められる。このラルフローレンのマークは、取引業者と需要者との間の取引において「ポロバイラルフローレン」又は「ラルフローレンのポロマーク」として理解,認識されているものであって、使用商標の図形部分については、その構成の特異性を持って、外観的にのみ把握され取引に当たるものであり、これより「ポロプレーヤー」又は「ポロゲーム」の称呼観念は生じないものと判断するのが相当である。このことについては、昭和55審判第18789号によっても明らかなところである。

(2)本願商標は図形と欧文字の結合よりなるところ、その構成中の図形部分は、2騎によるポロ競技の球をとり合う様を躍動感あふれる独特の描出方法で表わしたもので、極めて特異性ないし個性のあるものであって、それ故に自他商品についての識別力を有するものと認められる。これに対して、ザ・ポロ/ローレン・コンパニー社の「ポロプレーヤーの図形」は競技者一騎のみからなり、しかも、スティックを振り上げた状態を描いたものであって、本願商標と使用商標との図形部分のみを対比しても、両者はその外観において顕著な差異が存するものであること明らかである。

(3)本願商標と同一の商標が、第21類で登録されている。このことによっても、ザ・ポロ/ローレン・コンパニー社の使用にかかる商標とは明らかに相違すると言えるものである。

(4)ザ・ポロ/ローレン・コンパニー社の使用にかかる「ポロプレーヤーの図形」が、ラルフローレンのデザインによる被服等を取り扱う業界において、著名であることを前提としても、本願商標は前述のとおり別異なものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、ザ・ポロ/ローレン・コンパニー社の業務に係る商品と混同を生じさせるおそれがあるということはできない。

また、本願商標の指定商品の「紙類、文房具類」と、ザ・ポロ/ローレン・コンパニー社の業務に係る商品の「被服」とは、その原材料,製法について著しい差異を有するばかりでなく、用途,用法はもとより生産者,販売者等取引系統をも異にする商品であるから、出願人が本願商標をその指定商品に使用するも、その商品がザ・ポロ/ローレン・コンパニー社の取り扱いに係る商品であるかの如く取引者,需要者間において商品の出所につき混同を生じさせるおそれがあるとはいい難いものである。

以上のとおり、商標の構成及び指定商品からみていずれにしても商標法第4条第1項第15号の規定に該当するものではないと確信する。

4 当審の判断

(1)「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標の著名性について

「男の一流品大図鑑」(株式会社講談社 昭和53年7月20日発行)及び「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(サンケイ マーケティング 同58年9月28日発行)によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立し、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」いう。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」で主演したロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことからアメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

我が国においても、そのころからラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「POLO」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。そのうちの1例を別紙に表示する。

そして、「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」(株式会社洋品界 昭和55年4月発行)における「ポロ/Polo」の項及び「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」(ボイス情報株式会社同59年9月発行)の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び同63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、

「dansen男子専科」(株式会社 スタイル社1971年7月発行)、前出「男の一流品大図鑑」、「世界の一流品大図鑑’79年版」(株式会社 講談社 昭和54年5月発行)、別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」(株式会社 チャネラー同54年9月発行)、「男の一流品大図鑑’81年版」(同55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(同55年6月発行)、「MEN’S CLUB 1980,12」(婦人画報社同55年12月発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(同56年6月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、「流行ブランド図鑑」(株式会社講談社同60年5月発行)に紹介されている。

眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラル・フローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。

他に、これを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、[ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決「平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡」がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年までには、既に、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)本願商標は、別紙に表示するとおりであって、その構成中に「POLO」の文字を含んでいるものである。また、本願商標の2騎のポロ競技者を表した図形の描き方は、著名なラルフ・ローレンのポロ競技者の図形商標と似たところがあり本願商標の図形部分からポロ競技を認識させる。

そして、本願商標は「ポロ」の称呼、観念が生ずるものと認められる。

(3)他方、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして著名商標である引用商標は「ポロ」の称呼、観念が生ずることは前記したとおりである。

(4)そうすると、本願商標をその指定商品に使用する場合には、これに接する取引者・需要者は、前記した実情からラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして著名商標である引用商標を連想し想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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