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Trademark Appeal Case

「起業道」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−14096(T2006−14096/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「起業道」及び「KIGYODO」の文字を二段に書してなり、第9類、第16類、第35類、第38類、第41類ないし第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、平成17年7月7日に登録出願されたものである。

そして、指定商品及び指定役務については、原審における同18年2月28日付け手続補正書及び当審における同年7月3日付け手続補正書により、最終的に、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,雑誌・新聞・ムックを内容とする電子出版物,ゲームに関する電子出版物」、第16類「文房具類,雑誌,新聞,ムック」、第38類「電気通信(放送を除く。),放送」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断して、本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は「起業道」「KIGYODO」と二段に書してなるところ、本願指定商品・役務中、例えば「経営の診断又は経営に関する助言」などとの関係において、「起業道」の語は「起業のみちすじ(過程)」程の意味合いにて、その役務説明等に用いられることがあり、例えば「印刷物」などとの関係においては、同様の意味合いにて、その内容説明等で使用されている語ですから、前述した商品・役務等との関係においては、前述の意味合いを理解するにとどまるものと判断され、需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務(「電子出版物,印刷物,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作」の範囲)に使用するときは、商品・役務の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)本願商標は、登録第4821641号商標及び登録第4824641号商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

そして、拒絶の理由に引用した登録第4821641号商標は、「起業家道」の文字を標準文字で書してなり、平成16年4月22日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同年11月26日に設定登録されたものである。

同じく、登録第4824641号商標は、「起業家道」の文字を標準文字で書してなり、平成16年4月22日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿記載の役務を指定役務として、同年12月10日に設定登録されたものである。

以下、これらをまとめて「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号について

本願商標は、上記1のとおり「起業道」の漢字及びその読みを欧文字表記したと認められる「KIGYODO」の文字を二段に横書きしてなるところ、「起業道」の文字が原審説示の「起業のみちすじ(過程)」のごとき意味合いを看取させるものであるとしても、これよりは、直ちに特定の商品の品質又は役務の質等を直接的、かつ、具体的に表示するものと認識されるということはできないものというのが相当である。

また、当審において調査するも、本願商標を構成する文字が、その指定商品又は指定役務を取り扱う業界において、特定の商品の品質又は役務の質等を表示するものとして、取引上普通に使用されていると認めるに足る事実も発見することができなかった。

そうとすれば、本願商標は、その指定商品又は指定役務に使用しても、自他商品又は自他役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものであり、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標とはいい得ないものであり、かつ、商品の品質又は役務の質について誤認を生じさせるおそれはないというべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない

(2)商標法第4条第1項第11号について

本願商標は、上記1のとおり、「起業道」及び「KIGYODO」の文字を書してなり、その構成文字に相応して、「キギョードー」の称呼を生ずるものと認められる。

他方、引用商標は、上記2のとおり「起業家道」の文字からなり、その構成文字に照応して、「キギョーカドー」の称呼を生ずるものと認められる。 そこで、本願商標より生ずる「キギョードー」の称呼と引用商標より生ずる「キギョーカドー」の称呼との類否について検討するに、両者は、「キギョー」及び「ドー」の音を共通にするものの、中間において「カ」の音の有無の差異を有するものである。

しかして、該差異音「カ」は、破裂音であって、それ自体明確に発音され、かつ、聴取される音であることに加え、長音の後に位置することからさらに強く聴取されるものといえるから、この差が5音ないし6音という比較的短い音構成の両称呼に及ぼす影響は大きく、したがって、両称呼は、それぞれ一連に称呼しても、十分聴別することができるものと認められる。

また、両商標は、上記1及び2のとおり、外観上、互いに区別し得る差異を有するものであり、かつ、観念上、本願商標からは、「新しく事業を起こす道」のごとき意味を有するのに対して、引用商標からは、「新しく事業を起こす人の道。」のごとき意味を有することから、観念についても明確な差異を有するものであって、互いに区別し得るものである。

したがって、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似しない商標であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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