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Trademark Appeal Case

娯楽施設提供の役務範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−31057(T2006−31057/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4033397号商標の「第41類 娯楽施設の提供」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4033397号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成4年9月29日に登録出願、第41類「植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与」を指定役務として、同9年7月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、本件商標の商標登録原簿及び商標公報を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定役務中「娯楽施設の提供」について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上日本国内において使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁

ア 特許庁商標課編「商標及び役務の区分解説〔国際分類第8版対応〕」には、第41類「娯楽施設の提供」は、「この概念には、遊戯場、遊園地等の娯楽施設を利用させる役務が含まれる。」としており、また、特許庁商標課編「『商品及び役務の区分』に基づく類似商品・役務審査基準〔国際分類第8版対応〕」によれば、「娯楽施設の提供」に含まれる役務として「囲碁所又は将棋所の提供、カラオケ施設の提供、スロットマシン場の提供、ダンスホールの提供、ぱちんこホールの提供、ビリヤード場の提供、マージャン荘の提供、遊園地の提供」が挙げられている。上記記載よりすれば、第41類「娯楽施設の提供」とは、ある一定の娯楽を提供するためにその娯楽の備品・設備を備える施設を提供することであり、単に催し物を行うための「場所・会場」を提供・貸与するものではないと考えられる。

なお、催し物を行うための場所や会場の貸与は第41類「映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」に該当し、会議室の貸与や展示施設の貸与は第43類「会議室の貸与」「展示施設の貸与」に該当する役務である。

イ これを本件についてみると、

(ア)乙第1号証に示された「ふれあい餅つき」や「新春書初め広場/おもしろ福笑い遊び」なるイベントは、第41類「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」なる役務に該当するものであり、「娯楽施設の提供」ではない。また、乙第1号証には、イベントの開催年を表示していない。

(イ)乙第2号証は、第41類「映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」、若しくは第43類「会議室の貸与」の役務に関する広告物に商標を使用しているにすぎず、第41類「娯楽施設の提供」に使用するものではない。また、乙第2号証は、その発行日の記載がない。

(ウ)乙第3号証中の「きっずランド」なるイベントは、いかなる内容の役務が提供されたのかが不明である。また、乙第3号証には、イベントの開催年を表示していない。

(エ)乙第4号証には、「期間 平成15年8月31日まで」の記載があり、これより、平成15年8月31日まで会場の表示に「ワールドコンベンションセンターサミット2Fアトリウム特設会場」なる表示を使用していたという事実を証明しているにすぎず、本件審判の請求の登録(平成18年9月8日)前3年以内の使用ではない。

(オ)乙第5号証におけるディナーショーの開催者は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれでもない。乙第5号証は、商標権者が第41類「映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」なる役務を提供していることを証明するものであっても、「娯楽施設の提供」に本件商標を使用している事実を証明するものではない。

(カ)乙第6号証におけるイベントの開催者は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれでもない。乙第6号証は、商標権者が第41類「映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」、第43類「展示施設の提供」なる役務を提供していることを証明するものであっても、「娯楽施設の提供」に本件商標を使用している事実を証明するものではない。

(キ)乙第7号証における落語の上演の開催者は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれでもない。乙第7号証は、商標権者が第41類「映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」なる役務を提供していることを証明するものであっても、「娯楽施設の提供」に本件商標を使用している事実を証明するものではない。

(ク)乙第8号証におけるイベントの開催者は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれでもない。乙第8号証は、商標権者が第41類「映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」、第43類「会議室の貸与」、「展示施設の提供」なる役務を提供していることを証明するものであっても、「娯楽施設の提供」に本件登録商標を使用している事実を証明するものではない。

(ケ)乙第9号証におけるコンサートの開催者は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれでもない。乙第9号証は、商標権者が第41類「映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」なる役務を提供していることを証明するものであっても、「娯楽施設の提供」に本件商標を使用している事実を証明するものではない。

(コ)乙第10号証は、催し物のための第41類「映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」や第43類「会議室の貸与」の役務の提供に関する広告物であって、本件商標を「娯楽施設の提供」に使用するものではない。また、乙第10号証には、年月日を特定する表示は記載されていない。

ウ 以上のとおり、乙第1号証ないし乙第10号証は、本件商標を指定役務中の「娯楽施設の提供」について、過去3年以上日本国内において使用した事実を証明するものではないから、本件商標の登録は、「娯楽施設の提供」について取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。

(1)使用の事実

乙第1号証から乙第10号証に示すとおり、商標権者(被請求人)は、「World/Convention/Center/SUMMIT」、「ワールド/コンベンション/センター/サミット」、「ワールドコンベンションセンターサミット」、「World Convention Center SUMMIT」等の標章に関し、顧客が役務の提供について利用する施設に標章を付し、施設が発行するパンフレットやリーフレットに標章を付し、役務提供に係る広告に標章を付して、これらを展示し、頒布して使用している。

「娯楽施設の提供」について具体的なサービスの内容としては、「パーティー(婚礼や異性の紹介に関するものに限定されない)会場の提供及びこれに関する情報の提供」(乙第1号証)、「イベント会場の提供」(乙第2号証)、「ゲームコーナーの提供」・「子ども用遊戯施設の提供」(乙第3号証、乙第4号証)、「ナイトクラブの提供」(乙第5号証)、「ダンスホールの提供」(乙第6号証)、「興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供」(乙第7号証ないし乙第9号証)「娯楽施設の提供の媒介又は取次ぎ」・「娯楽施設の提供に関する情報の提供」(乙第10号証)等が挙げられる。

(2)むすび

以上のとおり、本件商標は、その商標権者により継続して過去3年以上日本国内において、指定役務中の「娯楽施設の提供」について使用されており、現在も使用中であるから、請求人の主張は理由がない。

4 当審の判断

(1)被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定役務「娯楽施設の提供」について、本件商標を使用していたとして、乙第1号証ないし乙第10号証を提出しているので、以下検討する。

(2)商標法施行規則別表(平成3年政令第299号により改正された商標法施行令第1条に基づく商標法施行規則第6条による。以下、単に「別表」という。)によれば、第41類「十 娯楽施設の提供」には、「囲碁所又は将棋所の提供 カラオケ施設の提供 スロットマシン場の提供 ダンスホールの提供 ぱちんこホールの提供 ビリヤード場の提供 マージャン荘の提供 遊園地の提供」が例示されている。また、「商品及び役務区分解説」(1996年12月25日改訂第3版発行)の第41類「10 娯楽施設の提供」によれば、「この概念には、遊戯場、遊園地等の娯楽施設を利用させる役務が含まれる。」ことが認められる。

そうすると、商標法上にいう「娯楽施設の提供」とは、一般的には、役務提供者が役務提供の場所たる施設内に、あらかじめ利用者(顧客)が娯楽を受けるための設備を備え付けて、利用者がその娯楽施設(設備)を利用し、享受する対価として、料金を徴収する役務ということができる。したがって、会議や様々なイベント等を行うために会場を利用する者(顧客)に対し会場を貸与する役務、あるいは当該会場において提供される演芸の上演、音楽の演奏、飲食物の提供等は、娯楽施設の提供には含まれないと解するのが相当である。このことは、別表第42類に「会議室の貸与 展示施設の貸与」が例示されているのをはじめ、別表第41類に「映画、演芸、演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営 映画の上映、制作又は配給 演芸の上演 演劇の演出又は上演 音楽の演奏」、別表第42類に「飲食物の提供」、「理容 美容」、「婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供」などが例示されていることからも明らかである。

また、商標法第50条にいう「登録商標」の使用とは、自他商品又は自他役務の識別機能を果たす態様で使用されていることをいい、使用に係る商標が登録商標の使用といい得るためには、当該使用に係る商標の具体的な使用方法や表示の態様からみて、それが出所を表示し自他商品又は自他役務を識別するために使用されていることが客観的に認められることが必要であるといわなければならない。

(3)そこで、乙第1号証ないし乙第10号証についてみるに、

ア 乙第1号証は、2006年5月に発行されたと認められる「PHOENIX SEAGAIA RESORT」なる表題のあるパンフレットと認められるところ、23頁の上部には、別掲(2)のとおりの構成よりなる商標(以下「使用商標」という。)が表示され、その下に、「PHOENIX SEAGAIA RESORT」の中の施設の一つである「ワールドコンベンションセンター サミット」の紹介として、「2000年の九州・沖縄サミット外相会合の開催会場にもなった、国際レベルの会議も対応できる5000名収容可能なサミットホールや、特別会議室『フェニックスルーム』のほか中会議室4室、小会議室4室の会議室を備え、最新の設備で会議、会合、イベント、パーティーなどに対応いたします。」と記載され、「サミットホール」、「フェニックスルーム」、「料亭四季乃」、「アティラウ」(チャペル)の紹介及び「その他の施設」として、衣裳室、美容室、挙式場、撮影可能なスタジオがある旨の記載がある。

そうすると、乙第1号証に表示された使用商標は、会議や会合等を開催する者のために貸与される会議室、婚礼のための施設、貸し衣装、美容などの施設を備えた施設(建造物)である「ワールドコンベンションセンター サミット」について使用される商標というのが相当であって、娯楽施設の提供のために使用される商標と認めることはできない。

イ 乙第2号証は、「フェニックス・シーガイア・リゾート/2005−2006/年末年始のご案内」なる表題のあるリーフレットであるところ、その見開き部分の左には、「Happy Resort Year End−New Year Event」の文字のもと、「ふれあい餅つき お客様とスタッフいっしょに新春餅つき大会。・・場所(時間)/ワールドコンベンションセンターサミット(1/1・2 10:30〜)」、「新春書初め広場/おもしろ福笑い遊び ご家族お揃いで、書初めやキャラクター福笑いをお楽しみ下さい。 場所/ワールドコンベンションセンターサミット他」などの記載がある。

しかし、上記「ふれあい餅つき」、「新春書初め広場/おもしろ福笑い遊び」なるイベントには、料金等の記載がなく、年末年始の宿泊利用者のために無料で行ったイベントとも推測することができるばかりでなく、「ワールドコンベンションセンターサミット」の文字部分は、イベント会場の名称としての使用であり、自他役務を識別するための商標の使用と認めることはできない。したがって、乙第2号証は、本件商標が娯楽施設の提供について使用されたという事実を立証するものではない。

ウ 乙第3号証は、JTB九州国内旅行企画販売部の発行に係る「2003.7/1〜9/30 宮崎フェニックスシーガイア シェラトン・リゾートステイ」なる表題のある旅行案内パンフレットと認められるところ、5頁の「夏のイベント情報」には、「きっずランド」なるイベントの記載があり、また、その開催場所として「ワールドコンベンションセンターサミット内2Fアトリウム」の記載がある。

しかし、乙第3号証に記載された「ワールドコンベンションセンターサミット」の文字部分は、イベント会場の名称としての使用であり、自他役務を識別するための商標の使用と認めることはできない。したがって、乙第3号証は、本件商標が娯楽施設の提供について使用されたという事実を立証するものではない。

エ 乙第4号証は、「サマーキッズランド」の看板等を写した写真1葉及び遊戯施設を備えた部屋の写真2葉、並びに「サマーキッズランド入場割引券(見本)」と認められるところ、「サマーキッズランド入場割引券(見本)」には、「期間 平成15年8月31日(日)まで」、「場所 ワールドコンベンションセンターサミット2階アトリウム特設会場」、「入場料 300円」などの記載があり、下部に、「Sheraton Resorts/PHOENIX SEAGAIA/MIYAZAKI,JAPAN/フェニックス・シーガイア・リゾート」の記載がある。

しかし、乙第4号証に記載された「ワールドコンベンションセンターサミット」は、イベント会場の名称としての使用であり、自他役務を識別するための商標の使用と認めることはできない。むしろ、「サマーキッズランド入場割引券(見本)」の下部に表示された「Sheraton Resorts/PHOENIX SEAGAIA/MIYAZAKI,JAPAN/フェニックス・シーガイア・リゾート」の文字部分が乙第4号証の娯楽施設の提供についての商標と認められるものである。したがって、乙第4号証は、本件商標が娯楽施設の提供について使用されたという事実を立証するものではない。

オ 乙第5号証は、「新しいスペイン料理/ヌォーヴァ・コシーナ」の表題のあるちらしと認められるところ、上記表題の上下には、「スパニッシュ フード&ワイン特別企画」、「世界の料理界で注目を浴びているスペイン料理を、スペインのお酒とともにご紹介します。また、お食事後は、本格的なフラメンコショウもお楽しみいただけます。」、「2006年10月4日 ワールドコンベンションセンターサミット 4Fサミットホール」、「Sheraton Grande/OCEAN RESORT/MIYAZAKI,JAPAN」などの記載がある。

そうすると、乙第5号証は、飲食物の提供及び飲食物の提供に付随して提供されるフラメンコショウ(演芸の上演)についての広告であり、これに記載された「ワールドコンベンションセンターサミット」の文字部分は、飲食物が提供される会場の名称としての使用であり、自他役務を識別するための商標の使用と認めることはできない。したがって、乙第5号証は、本件商標が娯楽施設の提供について使用されたという事実を立証するものではない。

カ 乙第6号証は、「ハワイアン・ウィーク/2003,11/29〜12/7」「宮崎に居ながらにして、ハワイアンミュージック、フラダンス、ハワイアンキルト、料理を体験しよう!」との表題及び「ハワイアンクリスマスコンサート」、「ハワイの一流ミュージシャン、フラダンサーによる本場の演奏とダンスをお楽しみ下さい!/2003,12/5」との表題のあるちらしと認められるところ、「会場 ワールドコンベンションセンターサミット4Fサミットホール」などの記載があり、その他、「キャッシー中島 ハワイアンキルト展」、「フラダンスワークショップ」、「ハワイアンフード ハワイアンカクテル」などの記載がある。

そうすると、乙第6号証は、ハワイ音楽の演奏、フラダンスの上演・教授、ハワイの飲食物の提供等についての広告であり、これに記載された「ワールドコンベンションセンターサミット」の文字部分は、上記役務が提供される会場の名称としての使用であり、自他役務を識別するための商標の使用と認めることはできない。したがって、乙第6号証は、本件商標が娯楽施設の提供について使用されたという事実を立証するものではない。

キ 乙第7号証は、「江戸落語を楽しむ会/三遊亭鳳楽独演会」の表題のあるちらしと認められるところ、「平成16年7月3日(土)」、「会場/シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート ワールドコンベンションセンターサミット 3階瑞洋」などの記載がある。

そうすると、乙第7号証は、演芸の上演についての広告であり、これに記載された「ワールドコンベンションセンターサミット」の文字部分は、上記役務が提供される会場の名称としての使用であり、自他役務を識別するための商標の使用と認めることはできない。したがって、乙第7号証は、本件商標が娯楽施設の提供について使用されたという事実を立証するものではない。

ク 乙第8号証は、「JOY FM/Summer Midnight Live 2003」の表題のあるちらしと認められるところ、下部には、コンサート会場と理解される「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート ワールドコンベンションセンターサミット」、「主催:エフエム宮崎」などの記載がある。

そうすると、乙第8号証は、エフエム宮崎が主催するコンサートの広告であり、これに記載された「ワールドコンベンションセンターサミット」の文字部分は、上記役務が提供される会場の名称としての使用であり、自他役務を識別するための商標の使用と認めることはできない。したがって、乙第8号証は、本件商標が娯楽施設の提供について使用されたという事実を立証するものではない。

ケ 乙第9号証は、「ガイアの響 コンサート2005」の表題のあるちらしと認められるところ、「2005.5/5」、「会場/ワールドコンベンションセンターサミット4Fサミットホール」、「主催/フェニックス・シーガイア・リゾート」などの記載がある。

そうすると、乙第9号証は、乙第8号証と同様に、コンサートの広告であり、これに記載された「ワールドコンベンションセンターサミット」の文字部分は、上記役務が提供される会場の名称としての使用であり、自他役務を識別するための商標の使用と認めることはできない。したがって、乙第9号証は、本件商標が娯楽施設の提供について使用されたという事実を立証するものではない。

コ 乙第10号証は、「Meetings,Incentives,Conventions & Exhibitions/MIYAZAKI JAPAN」、「PHOENIX SEAGAIA RESORT」なる表題のあるパンフレットと認められるところ、8頁には、上部に表示された使用商標のもと、「ワールドコンベンションセンターサミット/World Convention Center SUMMIT」について、「2000年の九州・沖縄サミット外相会合の開催会場になったワールドコンベンションセンターサミットは、五ツ星のインターナショナルホテルであるシェラトン・グランデ・オーシャンリゾートに隣接しています。5000名収容可能なサミットホールや、特別会議室『フェニックスルーム』のほか、中会議室4室、小会議室4室の大小10の会議室をご用意し、最新設備を整えて、さまざまな会議、会合、イベント、パーティなどに対応いたします。」との記載がある。

そうすると、乙第10号証に表示された使用商標は、乙第1号証と同様に、会議や会合等を開催する者のために貸与される会議室等を備えた施設(建造物)である「ワールドコンベンションセンター サミット」について使用される商標というのが相当であって、娯楽施設の提供のために使用される商標と認めることはできない。

(4)以上によれば、乙第1号証及び乙第10号証において、商標権者が経営する「PHOENIX SEAGAIA RESORT」のうち、会議、会合、イベント等を催す主催者に貸与する会議室等を備えた「ワールドコンベンションセンターサミット/World Convention Center SUMMIT」について、使用商標が使用されていることは認められるものの、該役務は、「会議室の貸与」、「展示施設の貸与」等の役務であって、本件請求に係る指定役務である「娯楽施設の提供」と認めることはできないのみならず、乙第2号証ないし乙第9号証において、「ワールドコンベンションセンターサミット」の文字部分の表示が認められるものの、該表示は、イベントが開催される会場の名称としての使用であり、自他役務を識別するための商標としての使用と認めることはできない。他に商標権者が、本件請求に係る指定役務「娯楽施設の提供」について、本件商標ないしこれと社会通念上同一と認められる商標を使用したと認めるに足る証拠は見出せない。

(5)むすび

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定役務について、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定役務中「娯楽施設の提供」について、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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