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Trademark Appeal Case

不使用取消と商標の使用態様

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第7533号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1、本件商標

本件登録第2512897号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成2年6月14日に登録出願され、「SHL」の文字を左横書きしてなり、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、平成5年3月31日に設定登録されたものである。

2、請求人の主張

本件商標の指定商品中「金属加工機械器具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由および答弁に対する弁駁を次のように述べている。

(1)請求人の調査によれば、本件商標は、その指定商品中「金属加工機械器具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しておらず、又、それについての正当事由も存在しない。従って、本件商標は指定商品中「金属加工機械器具」について、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人は、「乙第1号証は、商標権者が製造・販売している金属加工等に用いられる工業用ロボット及びシステムコンベアのカタログである。」と主張しているが、該カタログは、その記載文中に「高速組立ロボットSRX−410、双腕型高速組立ロボットSRX−340及び直交型高速組立ロボットSRX−450」の記載があることは認められるにしても、これが金属加工用ロボットのカタログとは認められないばかりでなく、他の説明語句等を総合すれば、システムコンベア、すなわち汎用コンベアのカタログであるとしか認められない。

しかも、システムコンベアは、荷役機械器具の概念に属する商品であって、金属加工機械器具の概念には属さない商品である。

してみると、乙第1号証は、本件商標が金属加工機械器具に使用されている事実を立証するに足るものではない。

次に、乙第2号証乃至同第10号証は、乙第1号証に記載されたシステムコンベアに用いられるユニットの寸法や種類を示す詳細なカタログであったり、該システムコンベアに係る取引書類(注文書或いは出庫票)であると認めるとしても(乙第5号証、同第7号証、同第8号証及び同第10号証は、いずれも具体的商品の記載が無いので、それ自体は必ずしも該システムコンベアに係る取引書類であるとは認め難い。)、システムコンベアが荷役機械器具の概念に属する商品であって、金属加工機械器具の概念には属さない商品であり、従って、これが金属加工機械器具に使用されている事実を立証するものでないこと、乙第1号証と同じである。

仮に、乙第1号証乃至同第10号証に係る商品が金属加工機械器具の概念に属するものであるとしても、乙第2号証乃至同第10号証に使用されている「SHL」の文字は、商標として使用されているものではない。

すなわち、乙第2号証乃至同第10号証が、乙第1号証記載のシステムコンベアに係る取引書類であるとしても、甲第1号証のカタログには、既に「SONY」及び「SHAL−CON」の文字が商標として記載されており、又、乙第2号証乃至同第10号証に記された「SHL」の文字は、その態様からみても、あくまで需要者が商品を注文する際に、商品を特定する便宜のための寸法や種類等を示すための各種商品分野において類型的に採択使用されている「製品コード」即ち商品分類符号として使用されているものにすぎず、自他商品の識別標識(いわゆる社会通念上の商標)として使用されているものではなく、従って、これが商標として使用されているものでないことは明らかである。

したがって、被請求人が提出した上記乙各号証をもってしては、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが本件商標の指定商品中の金属加工機械器具について本件商標を使用していたことを立証したものとは到底認めることができない。

よって、本件商標は、指定商品中の「金属加工機械器具」について、商標法第50条により、その登録の取消を免れないものであるから、審判請求の趣旨どおりの審決を求めるものである。

3、被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める」と答弁し、証拠方法として乙第1号証ないし同第11号証(答弁書及び第2答弁書における甲第1号証ないし甲第11号証の表示は、被請求人側の提出した証拠であるから請求人側が提出した証拠と区別するため乙第1号証ないし乙第11号証に読み替えて表示した。)を提出した。

(1) 本件商標は、審判請求人が取消を請求している金属加工機械器具について、過去3年以内に日本国内において使用されている。

その事実を裏付ける資料として添付した乙第1号証乃至第10号証で示される如く、本件商標は審判被請求人である商標権者により、第9類の金属加工に用いられるシステムコンベアの商標として使用されている。

乙第1号証は、商標権者が製造・販売している金属加工等に用いられる工業用ロボット及びシステムコンベアのカタログである。

乙第2号証は、そのカタログに記載されたコンベアの寸法や種類を示す詳細なカタログであり、当該カタログ中の「製品コード翻訳」の欄中に、「SHL」の商標が金属加工に用いられるシステムコンベアの商標として使用されている。

乙第3号証乃至第10号証は、過去3年以内に商標権者が「SHL」の商標を使用していたことを示す注文書及び出庫票である。

上記より、商標権者が、金属加工機械器具の分類に含まれる商品について、本件商標をその注文書および出庫票に使用しており、商品の取引者・需要者も本件商標によって商品を識別していること、及び、注文書及び出庫票に記載された日付から、本件商標が過去3年以内に取引きにおいて継続して使用されていることが明らかである。

上述の如く、本件商標は、被請求人により日本国内において、過去3年以内に使用されたことが確認されているものであるから、本件審判請求は棄却されるべきものである。

(2)請求人の弁駁に対する答弁(第2)

請求人の弁駁書によると、▲1▼乙第1号証に示された物品は、汎用コンベアであって、荷役機械器具の概念に属する商品であること、▲2▼乙第2号証乃至第10号証には具体的商品の記載がないため、金属加工機械器具に使用されている事実を立証するものではないこと、▲3▼乙第1号証乃至第10号証に係る商品が、金属加工機械器具の概念に属するものであるとしても、カタログ等に示された「SHL」の文字は、態様からみて商標として使用されているものではないことから、被請求人が提出した乙各号証をもってしては、商標権者等が、過去3年以内に日本国内において「金属加工機械器具」について使用していた事実を示すものではなく、その登録の取り消しを免れられないものであると弁駁している。

しかしながら、被請求人としては、かかる主張には到底承服できないので、以下にその理由を申し述べる。

▲1▼乙第1号証に示された物品は、汎用コンベアであるとのことであるが、これは、乙第1号証のカタログ中の説明において、ユニットを必要に応じて自由に組み込めるとの記載があることから汎用コンベアと理解されたものと思われる。

しかしながら、ユニットを自由に組み込めるとはいえ、それは、製造する製品の工程に応じてレイアウト等を変更できるということに過ぎず、その用途はあくまで生産ラインにおいて用いられるものであり、カタログ記載中の金属加工等に用いられる「高速組み立てロボット」等と組み合わせて使用するものである。

従って、乙第1号証に示された商品は金属加工機械器具に該当するものである。

▲2▼乙第2号証ないし同第10号証には具体的商品の記載がないため、金属加工機械器具に使用されている事実を立証するものではないとのことであるが、甲第2号証は「パレット」、「直線コンベア」または「コンベア脚」等の記載から明らかな通り、被請求人の製造するコンベア等の製品の寸法や種類を示す詳細な商品カタログであり、このカタログ中「製品コード翻訳」の欄に「SHL」の商標を使用していることを示す証拠である。

また、乙第3号証、同第4号証及び同第9号証は、注文書中に「シャルコン」との記載があり、これは乙第1号証に示したシステムコンベアのユニットの商標「SHAL−CON」を示すものである。このことから、乙第3号証、同第4号証及び同第9号証に記載された商品は、乙第1号証に示されたシステムコンベアを構成する各物品の商標であることが明らかである。また、乙第3号証、同第4号証及び同第9号証に記載された「SHL」の商標は、乙第2号証においても使用されている「SHL」のカタログにより、需要者が特定し、注文を行ったものであり、乙第2号証に記載された商品の商標として「SHL」が使用されていることが明らかである。

一方、乙第5号証ないし同第8号証及び同第10号証には、「シャルコン」の商標は使用されていない。このことから、需要者は「シャルコン」の商標によって、「システムコンベア」製品を認識し、そのシステムを構成する物品は「SHL」の商標によって識別されていること、すなわち、「SHL」は単独でも法上の商標に該当するものであることが明らかである。

したがって、乙第2号証ないし同第10号証の各記載のみからは、具体的商品の記載はないが、乙第1号証の記載内容も含めて検討する限り、金属加工機械器具の使用事実を示すものであることが明らかである。

▲3▼乙第1号証ないし第10号証に係る商品が、金属加工機械器具の概念に属するものであるとしても、カタログ等に示された「SHL」の文字は、態様からみて商標として使用されてるものではないとのことであるが、上述の乙第5号証ないし同第8号証、及び同第10号証に示した通り、需要者において「シヤルコン」を用いずに「SHL」の標章のみが記載されている注文書において、商品の識別が行われている取引きの実状に鑑みると、「SHL」は商標として使用されているものと思料する。

さらに、被請求人は、先に提出している乙第4号証の証拠を補強する証拠として乙第11号証を提出する。

乙第11証は、乙第4号証に記載されている「バックアップ重荷重用SHL−BUC/B」に示された商品の取扱い説明書の抜粋である。

かかる証拠中、「機能」の欄において、「プレス、カシメなどの高負荷作業ができます」との記載があることから明らかな通り、本物品は特に金属加工機械専用の商品であることが明らかであり、本件商標の使用は、金属加工機械器具についての商品であるものと思料する。

また、かかる金属加工を含めた高負荷作業を前提にして設計され、その作業のための機器をセットとして組み合わせて販売されている以上、乙第1号証、同第2号証において示されている商品は、すべて金属加工機械器具の概念に属する商品であるものといえ、先に提出している乙第1号証ないし同第10号証において示された使用は、金属加工機械について商標「SHL」を使用していることを示しているものである。

上記より、商標権者が、金属加工機械器具の分類に含まれる商品について、本件商標をその注文書及び出庫票に使用しており、商品の取引者及び需要者も、本件商標によって商品を識別していること、及び注文書及び出庫票に記載された日付から、本件商標が日本国内において過去3年以内に取引きにおいて継続して使用されていることが明らかであると思われるので、本件審判請求は棄却されるべきものと思料する。

4 当審の判断

被請求人の提出に係る乙第1号証によれば「SHAL−CON」は、各種機能を備えたシステムコンベアと認められるものである。

しかしながら、該商品は、組立ロボット等の各種アタッチメントを組み込むことができ手組生産から自動化まで対応できる商品である。さらに、乙第11号証の該商品の取り扱い説明書をみると、その2頁には「自動機のベースに取付けて、搬送されてきたパレットを停止させ、持上げて精密な位置決めをし、プレス、カシメなどの高負荷作業ができる」(重荷重バックアップユニット)と記載されていること及び同7頁の動作説明等の記載をみると、該商品が単に搬送を目的にする商品ではなく、主に金属加工を含めた高負荷作業が円滑に行なえるよう設計されたものであることを窺い知ることができる。

そして、該商品の金属加工用のアタッチメントである「位置決めユニット」には「SHL−1BUC」の文字が使用されており、該文字部分中「SHL」は、独立して自他商品識別機能を果すものと言い得るものであるから、本件商標と社会通念上同一性を有する商標の使用と認められるものである。

一方、乙第3号証、同第4号証、同第9号証は、得意先から被請求人宛の注文書(写し)と認められるものであり、該注文書は、いずれも平成9年3月5日、同13日、同25日に発行されたものである。また、該注文書の品名及び仕様の欄には「シャルコン ジョイント」「バックアップ重荷重用」等と記載され、「SHAL−CON」の部品表示としての「SHL」が使用されており、これをもって需要者が商品識別をしていることが窺える。

以上、被請求人が提出している乙各号証を総合勘案すれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内に、請求に係る商品「金属加工機械器具」について、本件商標を使用していなかったものとは言い得ないものである。

したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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