Trademark Appeal Case
称呼類似性と長短音
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90523(T2006−90523/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4969510号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成12年8月16日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年6月5日に登録をすべき旨の審決がなされ、同年7月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の2件の登録商標を引用している。
(a)登録第2221773号商標は、「DON」の欧文字と「ドン」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、昭和62年12月7日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年4月23日に設定登録されたものである(以下「引用商標1」という。)。
(b)登録第3351203号商標は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成4年12月3日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年10月9日に設定登録されたものである(以下「引用商標2」という。)。
(2)商標法第4条第1項第11号について
(ア)引用商標1との関係
本件商標を構成する「DAWN」の語は、外来語辞典にも見受けることができないほど日常使用する語ではなく、「ドーン」と発音する取引者・需要者は少なく、「ドン」と称呼される場合も少なくないものである。
引用商標1は、片仮名文字「ドン」に対応する称呼は「ドン」であるが、ローマ文字「DON」に対応する称呼は「ドン」であると共に「ドーン」とも称呼されるものである。
したがって、両称呼は、「ドン」あるいは「ドーン」の称呼を同じくするものである。また、仮に、「DAWN」の称呼を「ドーン」としても、「ドーン」と「ドン」の称呼とを聴別することは困難であって、簡易迅速を尊ぶ取引においては、聴別し難い語韻語調の近似したものとして聴取されるものというべきである。そして、両者の指定商品も互いに抵触する。
(イ)引用商標2との関係
引用商標2は、特許庁の電子図書館の称呼検索データにおいて、「ドーン」の称呼を生ずる商標として認定されている商標である。
してみれば、本件商標と引用商標2とは、観念及び外観において相違するものであっても、「ドーン」の称呼において同一であり、称呼上相紛れるおそれのある類似の商標である。そして、両者の指定商品も互いに抵触する。
(ウ)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標1との類否について
本件商標は、別掲(1)のとおり、文字と図形とを組み合わせた構成からなるところ、容器の形状と思しき図形部分の下方に顕著に書された「DAWN」の文字部分は、それ自体独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものということができる。そして、該「DAWN」の語は、「夜明け、あけぼの」等の意味を有する英語の成語であって、例えば、三省堂発行の「コンサイス英和辞典」によれば、高校において学習する基本語である旨の表示がされていることからみれば、比較的知られている英単語ということができるものであるから、該文字部分からは、その英単語の読みに相応した「ドーン」の称呼をもって自然な称呼を生ずるというべきである。
他方、引用商標1は、その構成文字に相応して、欧文字部分及び片仮名文字部分のいずれからも、「ドン」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標から生ずる「ドーン」の称呼と引用商標1から生ずる「ドン」の称呼とを比較するに、両者は、「ド」と「ン」の音を共通にし、語頭に位置する「ド」の音に長音を伴うか否かに差異を有するところ、前者は、ゆったりと、やや間延びした感じで「ドーン」と称呼されるのに対し、後者は、簡潔に「ドン」と称呼されるものである。
そして、両者は、共に、短い音構成からなるものであり、これらの差異が称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえないものであるから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、語調・語感が異なるものであり、さらに、「DAWN」の文字部分は、「夜明け、あけぼの」等を意味する英語であるのに対し、「DON」の文字部分は、「〜様(スペインの敬称)、首領、〜を着る、ドン(男子の名)」等を意味する英語であり、両文字部分の観念は明らかに相違するものであることを併せ考えれば、両称呼は、彼此紛れるおそれはないものと判断するのが相当である。
その他、本件商標と引用商標1とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
(2)本件商標と引用商標2との類否について
引用商標2は、別掲(2)に示したとおりの構成からなるところ、申立人は、引用商標2から「ドーン」の称呼を生ずる旨主張しているが、その構成中の筆記体で表された欧文字「D」と「ne」の間に配されている図形部分は、太陽の如き図形を表したものと理解し得るとしても、直ちに特定の文字を表したものとはいい難い。
そうとすれば、引用商標2は、文字と図形とを組み合わせた一種独特な構成からなる商標とみるのが自然であり、引用商標2から直ちに特定の称呼を生ずることはないものとみるのが相当である。
してみれば、引用商標2から「ドーン」の称呼を生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標2とが該称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標2とを類似のものとすべき特段の理由は見出せない。
なお、申立人は、特許庁の電子図書館の称呼検索データによれば、引用商標2は「ドーン」の称呼を生ずる商標として認定されている旨主張しているが、称呼検索データとして掲載されている称呼は、称呼検索の便宜をも考慮して、なるべく広範な称呼を採録しているものであり、これをもって、当該商標の称呼が特定されるという性質のものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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