Trademark Appeal Case
商標の称呼・外観類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90549(T2006−90549/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4974684号商標(以下「本件商標」という。)は、「M−TOX」の欧文字を標準文字で表してなり、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年10月26日に登録出願、同18年8月4日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立の理由の要点
(1)申立人の使用に係る商標の著名性について
「BOTOX」と「ボトックス」商標(以下「引用商標」という。)は、申立人アラーガン インコーポレイテッド(以下「申立人」という。)の業務に係る「眼瞼の痙攣等の顔面痙攣症状を治療するための薬剤」等の商標として、本件商標の出願日以前から我が国はもとより世界中の医療関係者の間において広く知られているものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は引用商標と外観及び称呼において類似し、また、その指定商品も互いに近似すること及び引用商標の著名性からみれば、本件商標がその指定商品について使用された場合には、該商品が申立人の業務に係る商品であるかの如く認識され、あるいは申立人と経済的又は組織的・人的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤認され、その出所について混同を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
第3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、前記したとおり「M−TOX」の文字からなるのに対し、引用商標は、前記したとおり「BOTOX」と「ボトックス」の文字からなるところ、両商標の構成各文字は、いずれも外観上まとまりよく一体的に表現されているものであるから、その構成文字に相応して、本件商標からは「エムトックス」の称呼を、引用商標からは「ボトックス」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。
そこで、本件商標から生ずる称呼と引用商標から生ずる称呼を比較すると、両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭部分において、音質の異なる「エム」と「ボ」の音に明らかな差異を有するものであるから、該差異音が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼したときには、語調、語感が異なるものとなり、互いに聞き誤るおそれはないものといわなければならない。
この点について、申立人は、両称呼中の「トックス」の音部分が特に強調されて発音される旨主張しているが、確かに、「ト」の音は、促音を伴っていることから、やゝ強めに発音されることを否定するものではないが、上記した語頭音部分における顕著な差異こそが聴者に強い印象を与えるものというべきである。
また、本件商標と引用商標の外観を比較してみても、印象の強い前半部分において、「M−」と「BO」の文字の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、両者の外観を見誤ることはないものということができる。
更に、両商標は、いずれも造語と認められるものであるから、観念については、比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。
なお、申立人は、審決例・審査例を挙げているが、それら審決例等で争われている商標は、いずれも、本件とは商標の構成を異にするものであって、事案を異にするものというべきであるから、上記認定に影響を及ぼすものとは認められない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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