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Trademark Appeal Case

商標の類否判断と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90559(T2006−90559/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4976124号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

本件登録第4976124号商標(以下「本件商標」という。)は、「univervalmuse」及び「ユニバーバルミューズ」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成17年12月26日に登録出願され、第14類、第16類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同18年8月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第885724号商標(以下「引用商標」という。)は、「MUSE」の文字を横書きしてなり、2005年7月13日にフランスにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条の規定による優先権を主張して、2005年12月21日に国際登録され、第18類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品とするものである。

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)本件商標は、引用商標と称呼上類似するものであり、指定商品中第18類の商品については、引用商標の指定商品と同一又は類似であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)引用商標を付した「かばん類、袋物」等は日本を含む世界において販売されており、引用商標は我が国でも広く知られているから、本件商標を第18類に属する商品に使用した場合には、申立人の商品と混同を生ずるおそれが極めて強く、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)引用商標は、前記2のとおり、2005年(平成17年)12月21日に国際登録され、平成18年6月29日に我が国を指定する領域指定の通報がされたものの、未だ我が国における審査を経ておらず、設定登録もされていないものである。

したがって、引用商標を引用して本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとする申立人の主張は、商標・商品の類否について検討するまでもなく、前提条件(先願に係る他人の登録商標)を欠くものであって、認めることができない。

上記のとおり、本件商標は、商標・指定商品の類否について検討するまでもないところであるが、事案に鑑み、仮に引用商標が登録された場合の類否について検討しておくこととする。

本件商標は、前記1のとおりの構成からなるところ、構成各文字は外観上まとまりよく一体に表現されており、しかも、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼できるものであるから、構成全体をもって一体不可分のものとして認識し把握されるとみるのが自然である。

そうとすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ユニバーサルミューズ」の一連の称呼のみを生ずるものであり、全体として親しまれた既成の観念を有しない一種の造語として認識し把握されるものというのが相当である。

他方、引用商標は、その構成文字に相応して、「ミューズ」の称呼及び「物思いにふける。見つめる。」の観念を生ずるものといえる。

そうとすれば、本件商標から生ずる「ユニバーサルミューズ」と、引用商標から生ずる「ミューズ」の称呼とは、音構成の顕著な差異により、それぞれ明瞭に区別することができるものである。

また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、本件商標が親しまれた既成の観念を有しない以上、観念上両者を比較すべくもない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、仮に引用商標が登録されたとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)申立人は、引用商標が我が国においても広く知られているとして甲第3及び第4号証を提出している。しかしながら、甲第3号証は、我が国における申立人のバッグの販売所の一覧表の写し一葉にすぎず、これからは取扱商品や使用に係る商標等具体的な事実が一切不明である。また、甲第4号証はインターネットによる通信販売を示すホームページの写し1通であり、これには、「Yves Saint Laurent」、「イヴサンローランミューズバッグ」の表示と共に商品「バッグ」の写真が掲載されていることが認められるものの、「ミューズ」の表示自体は単独で用いられていないばかりでなく、「MUSE」については、商品説明の項目及び品名・品番等が記載された項目中に「Muse」の表記が見うけられるが商標の使用というには疑問の余地が残るところである。その他、引用商標を使用した商品が販売、宣伝広告等されている事実を示す証左はなく、引用商標について、その使用の態様、期間、地域、範囲、宣伝広告等の具体的な使用状態が一切明らかでない。

そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国において取引者・需要者間に広く認識されているものとは到底認めることができない。

一方、本件商標は、前記1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「muse」又は「ミューズ」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき格別の理由を見出し難いものである。

かかる事情の下において、本件商標をその指定商品中の第18類に属する商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同するおそれもないものというのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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