Trademark Appeal Case
図形商標の称呼・観念
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90595(T2006−90595/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4980464号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年9月20日に登録出願され、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年8月18日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の3件の登録商標を引用している。
(1)別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成18年5月1日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年10月13日に設定登録された登録第4995670号商標(以下「引用商標1」という。)
(2)別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成14年9月13日に登録出願、第9類、第12類、第18類、第20類、第21類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年7月25日に設定登録された登録第4693934号商標(以下「引用商標2」という。)
(3)「P F FLYERS」の欧文字を横書きしてなり、平成3年2月19日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年8月31日に設定登録、その後商標権の存続期間の更新登録がされ、更に、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録が同16年9月22日になされた登録第2564708号商標(以下「引用商標3」という。)
2 商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標2及び同3とは、「ピイエス」「ピーエス」及び「ピイエフ」「ピーエフ」の称呼及び外観において類似する商標であり、指定商品も同一又は類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
3 商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号について
引用商標3「P F FLYERS」は、1937年にハイテク機能を有する近代スニーカーのブランドとして創設されたものであり、また、引用商標1は、引用商標3の語頭の部分の「PF」を図案化したものであって、いずれも本件商標の出願日以前にスニーカー業者、需要者の間で申立人がスニーカーに使用する商標として周知、著名の域まで達していたものである。
引用商標1及び3の周知・著名性、商品の取引の実情等を考慮すると、引用商標1と同一の構成よりなる本件商標の構成が偶然採択されたとは考えられず、本件申立人の業務上の信用を利用して不正の利益を得ようとする目的が推認されるから、本件商標は申立人の業務に係る商品を示す周知、著名な商標に類似する商標であって、申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがあり、かつ、不正の目的をもって使用するものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものである。
第3 当審の判断
1 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標と引用商標2及び同3との類否について検討するに、本件商標は、別掲(1)のとおりの構成からなるところ、かかる構成態様からは、欧文字を基調に図案化したことが窺えるとしても、その図案化の程度からすると、一見して直ちに如何なる文字を表したものか判読することが困難であり、むしろ、構成全体をもって、親しまれた既成の観念を想起し得ない、一種の幾何図形として認識し把握されるものというのが自然である、そうすると、本件商標からは、特定の称呼及び既成の観念は生じないものというべきである。
他方、引用商標2は、別掲(3)のとおり、欧文字の「P」と「S」を基調にしたものと容易に窺うことができるものであるから、該構成文字に相応して、「ピイエス」及び「ピーエス」の称呼を生じるものであるが、該文字は特定の意味合いを有するものではないから、これより特定の既成の観念は生じないものというべきである。
次に、引用商標3は、「P F FLYERS」の文字を一連にまとまりよく表してなるものであるから、その構成文字全体に相応して「ピイエフフライヤーズ」及び「ピーエフフライヤーズ」の称呼を生ずるものであり、また、該文字は特定の意味合いを有するものではないから、これより、特定の観念は生じないものというべきである。
そこで本件商標と引用商標2及び同3を比較するに、本件商標からは特定の称呼及び既成の観念が生じない以上、本件商標と引用商標2及び同3とは、称呼及び観念において比較すべくもない。また、本件商標は、幾何図形であるのに対し、引用商標2及び同3は、いずれも欧文字を表してなるものであるから、本件商標と引用商標2及び同3は、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標2及び同3とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
2 本件商標の商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号該当性について
申立人は、引用商標1及び同3を引用して本件商標が商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に該当する旨主張している。
申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標1及び同3は、申立人によって、商品スニーカーについて使用され、申立人の業務に係る商品を表示するものとして紹介されていることは認められるが、その使用の期間、範囲、規模等の事実が必ずしも明らかではなく、該証拠をもって、引用商標1及び同3が申立人の業務に係る商品について使用する商標として我が国の取引者、需要者間に広く認識されているとまではいうことができない。
引用商標1は、別掲(2)のとおりの構成よりなるところ、申立人が主張するように「P」と「F」の欧文字を基調に図案化されたことが窺えるとしても、一見して直ちに如何なる文字を表したものか判読することができるとまでは認め難く、むしろ一種の幾何図形を表してなるものと認識し把握されるものとみるのが自然であるから、これより、特定の称呼及び既成の観念は生じないというべきである。
そこで、本件商標と引用商標1及び同3の類否についてみるに、本件商標は上記1のとおり、その構成全体をもって一種の幾何図形として認識し把握されるものであって、特定の称呼及び既成の観念も生じないものであるから、本件商標と引用商標1及び同3とを称呼及び観念について比較することはできないものである。そして、本件商標は輪郭を施された縦長図形であるのに対し、引用商標1は黒の太字で描かれた横長図形であるから、受ける印象が異なるものであり、それぞれの構成に照らしてみれば、外観上判然と区別し得る差異を有するものというべきである。
そうすると、本件商標と引用商標1及び同3とは、外観、称呼、観念のいずれにおいても類似することのない別異の商標というべきである。
してみれば、本件商標は、上述のとおり引用商標1及び同3に類似するものではなく、本件商標を商標権者がその指定商品について使用した場合に、これに接する取引者・需要者が引用商標1及び同3を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものであり、かつ、商標権者が不正の利益を得る目的、あるいは他人に損害を加える目的など不正の目的をもって使用するものとは判断し得ず、この点を認めるに足りる証拠もない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するものではない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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