Trademark Appeal Case
一体不可分と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90602(T2006−90602/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4981108号商標(以下「本件商標」という。)は、「アースセイバー」の文字と「Earth Saver」の文字を二段に横書きしてなり、平成17年7月20日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年8月25日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は、「アース」の文字を縦書きしてなり、昭和21年9月27日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、昭和22年10月7日に設定登録された登録第369817号商標ほか、いずれも願書に記載したとおりの構成よりなり、その指定商品、登録出願日、設定登録日は商標登録原簿に記載のとおりである登録第369818号商標、同第1085293号商標、同第1365189号商標、同第1380942号商標、同第1380943号商標、同第1611673号商標、同第1668872号商標、同第1668873号商標、同第1668874号商標、同第2169482号商標、同第2488151号商標、同第3234062号商標、同第4061824号商標、同第4379138号商標、同第4379139号商標、同第4387731号商標、同第4409284号商標、同第4409285号商標、同第4425222号商標、同第4445610号商標、同第4445611号商標、同第4454745号商標、同第4556141号商標、同第4556142号商標、同第4685834号商標(上記引用登録商標は、いずれも現に有効に存続しているものである。これら商標をまとめて、以下「引用商標」という。)と類似する商標であり、かつ、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の著名商標「アース」、「EARTH」との関係で、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であるから、その指定商品中の「洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く),パイプクリーナー,せっけん」について、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「アースセイバー」の文字と「Earth Saver」の文字を二段に横書きしてなるところ、これらの文字は、いずれも同一の書体をもって外観上一体的に書されているばかりでなく、構成文字全体から生ずると認められる「アースセイバー」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。また、「Earth Saver(アースセイバー)」からは、「地球を救助する者(物)」なる意味合いが想起されるものである。
そうすると、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと理解されるというのが相当であって、その構成中の「アース」、「Earth」の文字部分のみを抽出して、観察すべきものではない。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「アースセイバー」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「地球を救助する者(物)」なる観念を生ずるものといわなければならない。
してみれば、本件商標よりその構成中の「アース」、「Earth」の文字部分のみを分離、抽出し、本件商標と引用商標とが類似の商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあり、採用することができない。
その他、本件商標と引用商標とを類似の商標とみるべき理由は見出せない。
よって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人は、甲第2号証ないし甲第22号証を提出し、「アース」、「EARTH」の文字よりなる商標(以下「申立人商標」という。)は、登録異議の申立てに係る指定商品を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、周知・著名であった旨主張する。
しかし、前記(1)で認定したとおり、本件商標と引用商標とは、商標において非類似のものであり、したがって、本件商標は、申立人商標とも非類似の商標というべきである。
また、甲第2号証ないし甲第22号証によれば、申立人は、「トイレの芳香洗浄剤」には「セボン」の文字よりなる商標を、「口中洗口液」には「モンダミン」の文字よりなる商標を、「入浴剤」には「バスロマン」の文字よりなる商標を、というように使い分け、これらの商標を需要者に印象づけるように使用し、宣伝・広告していることが認められるところであり、登録異議の申立てに係る指定商品について、申立人商標が需要者の印象に残る態様で使用されている事実を明らかにする証拠は見出せない。
そうすると、申立人商標が登録異議の申立てに係る指定商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたと認めることは困難であるといわざるを得ない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
甲第2号証ないし甲第22号証によれば、申立人商標は、申立人の業務に係る商品「殺虫剤、駆虫剤」等に使用され、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたことが認められる。
しかしながら、前記認定のとおり、本件商標は、申立人商標とは商標それ自体非類似のものであるばかりでなく、申立人商標が使用される「殺虫剤、駆虫剤」と登録異議の申立てに係る指定商品「洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く),パイプクリーナー,せっけん」とは、商品の品質、用途等において大きく異なるものである。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品中、登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても、これに接する需要者が申立人商標を想起することはなく、本件商標を使用した商品を申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというのが相当である。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、「洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く),パイプクリーナー,せっけん」について、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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