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Trademark Appeal Case

称呼の類否と字訳

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90439(T2006−90439/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4958326号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4958326号商標(以下「本件商標」という。)は、「NOVARX」の欧文字を標準文字で書してなり、平成17年10月11日に登録出願、第5類「がんの治療用薬剤,その他の薬剤」を指定商品として、同18年6月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4123787号商標(以下「引用A商標」という。)は、「NOVARTIS」の欧文字を横書きしてなり、第5類「除草剤,殺虫剤,殺菌剤,殺そ剤,動物用薬剤,ビタミン剤,その他の薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,耳帯,眼帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,医療用腕環,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,防虫紙」を指定商品とし、1996年2月15日にスイス連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成8年8月9日に登録出願、同10年3月13日に設定登録されたものである。

同じく、登録第4171149号商標(以下「引用B商標」という。)は、「NOVARTIS」の欧文字を横書きしてなり、第10類「手術用機械器具,縫合器具,その他の治療用機械器具,歯科用機械器具,獣医科用機械器具,義肢,義眼,義歯,その他の医療用機械器具,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,デンタルフロス,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓,医療用手袋,家庭用電気マッサージ器,しびん,病人用便器,耳かき」を指定商品とし、1996年2月15日にスイス連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成8年8月9日に登録出願、同10年7月31日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由

本件商標は、引用A及びB商標と、称呼及び外観において類似する商標であり、その指定商品も類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用B商標との類否について

本件商標の指定商品は、第5類「がんの治療用薬剤,その他の薬剤」であるのに対し、引用B商標の指定商品は、第10類に属する、前記2に記載されたとおりの商品であるところ、指定商品が類似のものであるか否かは、取引の実情、すなわち、生産部門、販売部門、商品の原材料及び品質、用途、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品との関係にあるかどうか等を総合的に考慮して判断すべきであり、これを本件についてみるに、本件商標の指定商品と引用B商標の指定商品が互いに類似するものとはいい難い。

してみれば、本件商標と引用B商標とは、商標の類否について論ずるまでもなく、指定商品において互いに類似しないものというべきであるから、引用B商標との関係において、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)本件商標と引用A商標との類否について

本件商標の指定商品は、第5類「がんの治療用薬剤,その他の薬剤」であるのに対し、引用A商標の指定商品中には、第5類に属する「除草剤,殺虫剤,殺菌剤,殺そ剤,動物用薬剤,ビタミン剤,その他の薬剤」が含まれているものであるから、引用A商標の指定商品中には、本件商標の指定商品と同一又は類似の商品が包含されていることは明らかである。

しかして、互いの指定商品が牴触している「薬剤」において、両商標の類否について検討する場合、当該商標を訳すにあたっては、医薬品一般名称の字訳基準によって字訳される場合も決して少なくないものとみるのが相当である。

そうすると、本件商標は、特定の意味合いを有さない造語と認められる「NOVARX」の欧文字よりなるところ、財団法人日本公定書協会が編集し、株式会社薬事日報社が発行した「医薬品一般名称辞典1996」(1996年4月25日発行)の字訳基準によれば、「NO」は「ノ」、「VA」は「バ」、「R」は「ル」、「X」は「クス」と字訳するものと認められるから、本件商標からは、「ノバルクス」の称呼を生ずるとみるのが相当である。

他方、引用A商標は、「NOVARTIS」の欧文字よりなり、本件商標と同様に、特定の意味合いを有さない造語と認められるものであって、前記字訳基準によれば、「NO」は「ノ」、「VA」は「バ」、「R」は「ル」、「TI」は「チ」、「S」は「ス」と字訳するものと認められるから、引用A商標からは、「ノバルチス」の称呼が生ずるものであり、また、かかる構成からは、英語読み風又はローマ字読み風の「ノバルティス」の称呼を生ずる場合も決して少なくないというべきである。

そこで、まず、本件商標より生ずる「ノバルクス」の称呼と、引用A商標より生ずる「ノバルチス」の称呼を比較するに、両者は、5音構成という比較的短い音構成よりなり、第4音において、「ク」の音と「チ」の音の差異を有するものである。

そして、「ク」の音は、後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する無声子音(k)と母音(u)との結合した音節であるのに対し、「チ」の音は、舌先を硬口蓋に接触して破裂させ、ついで摩擦させる子音(t∫)と母音(i)との綴音であって、該両音は、母音を異にし、50音図の同行に位置するものでもなく、調音位置、調音方法を異にするものであるから、この差異が両称呼に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼した場合には、その語調、語感が異なり、互いに聞き誤るおそれはないものと判断するのが相当である。

次に、本件商標より生ずる「ノバルクス」の称呼と、引用A商標より生ずる「ノバルティス」の称呼を比較するに、両者は、5音構成という比較的短い音構成よりなり、第4音において、「ク」の音と「ティ」の音の差異を有するものである。

そして、「ク」の音は、前記のとおり、後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する無声子音(k)と母音(u)との結合した音節であるのに対し、「ティ」の音は、舌先を上前歯のもとに密着して破裂させる無声子音(t)と母音(i)よりなるものであって、該両音は、母音を異にするものであって、かつ、調音位置、調音方法も異にするものであるから、この差異が両称呼に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼した場合には、その語調、語感が異なり、互いに聞き誤るおそれはないものと判断するのが相当である。

また、本件商標は、欧文字6文字で「NOVARX」、引用A商標は、欧文字8文字で「NOVARTIS」とそれぞれ書されているものであり、両者は、構成文字数が相違し、その相違する構成文字も「X」と「TIS」のように明らかに異なるものであるから、この差異が全体の外観に与える影響は決して小さいものとはいえず、たとえ両者を時と処を異にして離隔的に観察した場合でも、外観において、相紛れるおそれはないというべきである。

加えて、本件商標と引用A商標は、共に、特定の意味合いを生じない造語と判断されるものであるから、観念上比較し得ないものである。

してみれば、本件商標と引用A商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点からみても、互いに類似しない商標であるというべきである。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、引用A商標との関係において、互いに非類似の商標というべきものであり、また、引用B商標との関係では、前記(1)において述べたとおり、指定商品において、互いに牴触するものではないというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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