Trademark Appeal Case
称呼類似と周知商標の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90563(T2006−90563/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4978307号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に表示するとおりの構成からなり、平成17年8月11日に登録出願、第11類「加熱器,調理台,流し台,家庭用の厨房用レンジフード」及び第20類「台所用キャビネット」を指定商品として平成18年8月11日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次に掲げるとおりである。
(1)登録第2721268号商標
商標の構成:TOYO KITCHEN
登録出願日:平成2年9月22日
設定登録日:平成9年5月9日
更新登録日:平成19年2月20日
指定商品 :第19類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第4022503号商標
商標の構成:トーヨーキッチン
登録出願日:平成4年3月13日
設定登録日:平成9年7月4日
更新登録日:平成19年4月24日
指定商品 :第19類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録第4022504号商標
商標の構成:別掲(2)に表示するとおり
登録出願日:平成4年3月13日
設定登録日:平成9年7月4日
更新登録日:平成19年4月24日
指定商品 :第19類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(4)登録第4528149号商標
商標の構成:「TOYO KITCHEN」及び「トーヨーキッチン」の文字を上下二段に書した態様
登録出願日:平成12年11月6日
設定登録日:平成13年12月7日
指定商品 :第6類、第11類及び第19類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(5)登録第2514379号商標
商標の構成:TOYO KITCHEN
登録出願日:平成2年9月22日
設定登録日:平成5年3月31日
更新登録日:平成15年3月11日
書換登録日:平成16年5月12日
指定商品 :第6類、第11類、第14類、第16類、第17類、第19類ないし第22類、第24類、第26類、第27類及び第31類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(6)登録第2664619号商標
商標の構成:トーヨーキッチン
登録出願日:平成4年3月13日
設定登録日:平成6年5月31日
更新登録日:平成16年4月27日
書換登録日:平成16年5月26日
指定商品 :第6類、第11類、第14類、第16類、第17類、第19類ないし第22類、第24類、第26類、第27類及び第31類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(7)登録第2664620号商標
商標の構成:別掲(2)に表示するとおり
登録出願日:平成4年3月13日
設定登録日:平成6年5月31日
更新登録日:平成16年4月27日
書換登録日:平成16年5月26日
指定商品 :第6類、第11類、第14類、第16類、第17類、第19類ないし第22類、第24類、第26類、第27類及び第31類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
以下、これらを一括して「引用商標」という。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標は、引用商標と称呼上類似するものであり、その指定商品と引用商標の指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)申立人がシステムキッチン等について使用する「TOYO KITCHEN」及び「トーヨーキッチン」の商標(以下「使用商標」という。)は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者間に広く認識されている。そして、本件商標は、使用商標と相紛らわしく類似する商標であり、その指定商品もシステムキッチン関連商品であって使用商標に係る商品と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)使用商標は全国的に知られた周知・著名な商標であるので、申立人の業務に係る商品と同一又は類似である本件商標の指定商品に本件商標が使用されたときは、申立人を想起させ、当該商品が申立人の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)周知著名な使用商標に類似する本件商標が使用されると、申立人の長年の努力によって築き上げた使用商標の周知・著名性が希釈化され、その顧客吸引力が毀損され、打撃を被るおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、別掲(1)のとおり、英明朝体風の「TOTO」の文字を大きく顕著に表し、その下段にこれより小さな細いゴシック体風の「KITCHEN」の文字を併記した構成からなり、両文字部分が文字の大きさ及び活字体を異にすることと相俟って、「TOTO」の文字部分がひときわ看者の注意を強く惹くものである。そして、上記「KITCHEN」の文字は、「台所、キッチン、台所の」の意味を有する英語として我が国においても親しまれているばかりでなく、本件商標の指定商品は台所に関連した商品といい得るものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合には、これに接する取引者、需要者は、上記「KITCHEN」の文字部分を商品の用途、品質等を表示したものと認識し理解するに止まり、顕著に表された「TOTO」の文字部分を自他商品の識別標識たる要部として認識し把握するものというのが自然である。加えて、上記「TOTO」の文字は、トイレまわりの商品をはじめ洗面所、浴室、キッチン等の商品について使用する商標として取引者、需要者間に広く認識されているものである。これらを総合すると、本件商標は、「TOTO」の文字部分から生ずる称呼をもって取引に資されるものというべきであり、「トートー」の称呼を生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、いずれも、構成が同書同大の文字をまとまりよく一体的に表してなるものであること、それぞれの指定商品も広範なものであること、申立人(引用商標の商標権者)の商号の略称として認識される場合もあること、などを総合すると、一連一体のものとして認識し把握されるというべきであり、「トーヨーキッチン」の一連の称呼を生ずるものというのが相当である。
しかして、本件商標から生ずる「トートー」の称呼と引用商標から生ずる「トーヨーキッチン」の称呼とは、「キッチン」の音の有無という顕著な差異及び「ト」と「ヨ」の音の差異により明瞭に区別することができるものである。
そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、また、両者は、いずれも全体として親しまれた既成の観念を有する成語を表したものとはいえないから、観念上比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性について
申立人の提出に係る証拠によれば、使用商標は、引用商標と同様の「TOYO KITCHEN」又は「トーヨーキッチン」の文字からなるものであるところ、システムキッチン等の商品について使用する商標として相当程度広く認識されていることが認められ、また、使用商標が使用されている商品と本件商標の指定商品とは、同一又は類似のものといえる。
しかしながら、上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標であり、引用商標と使用商標とは同一の文字構成からなるものであるから、本件商標と使用商標も、同様に非類似の商標といえるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(2)のとおり、本件商標と使用商標とは、非類似の商標であって、別異のものというべきであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が使用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものというのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(3)のとおり、本件商標と使用商標とは別異のものであり、本件商標をその指定商品に使用しても出所の混同を生ずるおそれがないものであるから、申立人に係る使用商標の周知著名性が希釈化されたり、その顧客吸引力が毀損されるおそれもないとうべきであって、本件商標は不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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