Trademark Appeal Case
結合商標と著名略称の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90594(T2006−90594/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4980393号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成18年2月28日に登録出願、第3類、第5類、第6類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類ないし第30類、第32類、第35類、第37類、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同18年8月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
異議申立人(以下「申立人」という。)は、世界的に著名な時計、装飾品、化粧品等の製造・販売を行う会社であり、正式社名はOMEGA SA(OMEGA AG)(OMEGA LTD)であるが、通称OMEGAあるいはオメガと略称されている。
一方、本件商標は左側から右側へ、「図形」「Omegavision,Inc.」を配置した商標であるところ、「Omegavision」が主要部であり、これを発音する場合、音節はOmegaとvisionに分離するから、本件商標は「omega」の単語を含む商標である。
したがって、本件商標が含んでいる「omega」は、申立人の名称の著名な略称であるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲に示すとおり、図形と文字との組合せよりなるところ、図形部分と文字部分は、視覚上分離して認識されるばかりでなく、これらを常に一体のものとしてのみ把握すべき特別の理由は見いだし難いものであるから、それぞれ独立して自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。そして、図形部分は直ちに特定の称呼、観念を生ずるともいい得ないものであるから、該商標に接する取引者、需要者は、見やすく読みやすい文字部分に着目し、該文字部分をもって取引にあたる場合がむしろ多いものとみるのが相当である。
また、本件商標の文字部分においては、「Inc.」の文字部分が、我が国において「株式会社」又は「有限会社」を意味する外来語「incorporated」に通ずる英語として広く親しまれ、商取引の場にあっては、企業名に付して法人形態を表す語として使用されていることから、「Inc.」の文字部分は、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たしているとは認識されないとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標に接する取引者、需要者は、「Omegavision」の文字部分に自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を見いだし、該文字部分をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
(2)しかして、「Omegavision」の文字は、外観上まとまりよく一体的に表されていて、これより生ずると認められる「オメガビジョン」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、特段の理由がない限り、「Omega」の文字部分のみが独立した標識部分としては認識され得ないとみるのが自然である。
そうすると、「Omegavision」の文字は、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが相当である。
(3)そして、「OMEGA」及び「オメガ」が、申立人の業務に係る商品「時計」の商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められるとしても、「OMEGA」及び「オメガ」の語は、申立人の創造に係る造語ではなく、我が国においては、「ギリシャ語アルファベットの最終文字」としてもよく知られているといえること、また、本件商標の指定商品又は指定役務と申立人の業務に係る商品「時計」とは、密接な関係にあるとはいえないことを併せ考慮すれば、本件商標をその指定商品又は指定役務に使用した場合、これに接した取引者、需要者が、申立人を連想又は想起するとは認められず、さらには、本件商標中の「Omega」の文字部分を申立人の著名な略称として認識し把握することもないというのが相当であるから、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標に該当するものとは認められない。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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