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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の証拠

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第30049号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2585357号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、平成3年11月20日に登録出願され、同5年10月29日に設定登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」旨主張し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。

(1)商標権者である被請求人は、正当な理由なく、本件商標を神戸市須磨区神の谷5丁目10−68の魚住泰二(甲第1号証参照)から譲り受けた後である平成7年1月15日以降現在に至るまで、継続して3年以上、日本国内で、その指定商品のいずれについても使用していない。また、平成7年8月13日迄は登録原簿上は商標権者であった魚住泰二も、平成7年1月15日から平成7年8月13日迄の期間、本件商標を、日本国内で、その指定商品のいずれについても使用していない。本件商標の登録原簿(甲第1号証)によれば、本件商標には専用使用権者も通常使用権者も登録されておらず、登録されていない使用権者が存在していて斯かる使用権者によって本件商標がその指定商品のいずれか使用されているという事実も存在しない。さらに、本件商標の登録原簿(甲第1号証)によれば、平成9年3月31日以前に本件商標と相互に連合関係に立っていた登録商標は存在しない。

(2)被請求人は、本件審判事件の取消対象となっている本件商標は、平成8年3月1日、本件商標の登録されていない使用権者「株式会社アレンジ」(以下「アレンジ」という)により、商品「かばん類」について使用されていた旨反論し、甲第1号証(以下「乙第1号証」という)及び甲第2号証(以下「乙第2号証」という)を提出した。しかしながら、被請求人は、次のとおり反論する。

▲1▼被請求人は、本件商標の登録されていない使用権者が「アレンジ」であると反論するものの、「アレンジ」が実在することの主張・立証が欠落している。もし、大阪市西区新町2丁目12−9(乙第1号証「Openチラシ」記載の住所)に「アレンジ」が実在するなら、商業登記簿謄本を提出されたい。

▲2▼被請求人は、「アレンジ」が本件商標の登録されていない使用権者である旨反論するが、立証が欠落している。もし、「アレンジ」が使用権者であるならば、被請求人と「アレンジ」との間の本件商標に関する「商標権使用契約書」を提出されたい。

▲3▼被請求人は、「アレンジ」が平成8年3月1日、本件商標を使用していた旨主張し、乙第1号証「Openチラシ」と乙第2号証「納品書の謄本」を提出するが、同主張に対し次の1)〜3)のとおり反論する。

1)第三者の発行する定期刊行物(新聞・雑誌等)に掲載された広告の場合には、その広告の日付に比較的信頼がおけるが、広告チラシの場合には、その日付は信頼がおけない。なぜならば、商標の取消を免れんために、取消審判の審判請求書を受領した後に、日付を遡及させてチラシを印刷し、これを過去に頒布したと称している場合も十分ありえるからである。

2)平成8年3月1日付けの「納品書」(乙第2号証)が日付の裏付けになるかであるが、第一に、「株式会社メイク」(以下「メイク」という)が実在するなら、その商業登記簿謄本を提出されたい。

第二に、この「納品書」の日付も客観性に欠けるものであり、日付を遡及させて作成することが可能なものである。現に、「納品書」の項目中には、「当方ミス ペナルティ」として減額している項目があるが、ミスを行った場合に、そのミス分に付きいくら減額するかは、納品後、相互に話会って決定するのが常識なのにもかかわらず、受注側が一方的に減額の金額を決定して差し引いているのは、もっともらしい納品書を後日に日付を遡及させて作成したための「勇み足」によるミスではないか、との疑念を抱かせる。

3)なお、乙第1号証及び乙第2号証をもってしても、具体的にどのような手段でどのような範囲に、この「Openチラシ」が頒布されたのか、全く不明である。乙第2号証には「オリコミ費用」とあるので、新聞に折り込んで頒布したのかとも思われるが、そうだとすると、新聞の銘柄、朝刊・夕刊の別、どの地域に配達されている新聞なのか等を具体的に示されたい。また、このチラシが大版であることから、「オリコミ費用」とは、ポストに投げ込むのに都合のよい大きさに折り畳む手数料ともとれるが、そうだとすると、どの地域のポストに投げ入れたのか、投げ入れ委託業者は誰なのか等を具体的に示されたい。頒布が具体的でない以上、「広告」の使用をしたとは言い難い。

▲4▼被請求人は、商品「かばん類」について本件商標が使用されていた旨主張するが、乙第1号証「Openチラシ」によると、それは「イタリア製のバッグ」となっている。それであるならば、当該商品の通関の一件書類を提出されたい。このチラシが真実に平成8年3月1日に頒布されているのであれば、その裏付けとして、チラシ掲載の「バッグ」の通関の一件書類(関税通過日付は平成8年3月1日より若干前である筈)が提出できる筈である。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証(被請求人が提出した甲第1号証及び甲第2号証をそれぞれ「乙第1号証」「乙第2号証」とする)を提出している。

(1)「請求人の主張(1)」に対する答弁

乙第1号証、乙第2号証から明らかなように、平成8年3月1日に「メイク」により納品されたOpenチラシが頒布され、このチラシにおいて、かばん類について本件商標が使用されている。また、このチラシによれば、本件商標の使用者は「アレンジ」であり、「アレンジ」は、本件商標の登録されていない使用権者である。

(2)「請求人の主張(2)」に対する答弁

1)請求人は、「アレンジ」が実在の株式会社であることの立証が欠如していると主張しているが、乙第3号証を提出して、「アレンジ」が実在の会社であることを立証する。

2)乙第3号証から明らかなように、被請求人は「アレンジ」の取締役であるから、取締役である被請求人が「アレンジ」を使用権者とすることは、商標権使用契約書を作成するまでもなく自然なことである。

3)請求人は、「メイク」が実在の株式会社であることの立証が欠如していると主張するが、乙第4号証を提出して、「メイク」が実在の株式会社であることを立証する。

4)請求人は、納品書の日付、Openチラシが実際に頒布されたか不明と主張するが、乙第5号証を提出して、Openチラシの受注内容、値引きの理由、頒布の事実を立証する。

5)請求人は、納品書の日付に客観性が欠け、「メイク」が故意に誤った日付を記載したかのような主張をする。しかし、このようなことは、通常の株式会社であれば全く行わないことであり、同主張は到底容認できない。

6)請求人は、イタリア製のバッグの通関の一件書類を要求しているが、被請求人は日本国内における本件商標の使用を立証しているだけであり、また、イタリア製のバッグであっても、被請求人が輸入して販売するだけでなく、第三者が輸入したものを入手して販売する場合もあるので、このような書類を提出しなくても、日本国内における本件商標の使用の立証には何ら不都合はない。

7)してみれば、本件登録商標は商標法第50条第1項の規定に該当しない。

第4 当審の判断

被請求人が提出した乙第1号証ないし乙第5号証によれば次の(1)ないし(5)の事実が認められる。

(1)乙第1号証(広告チラシ)によれば、「アレンジ」の商品広告中にイタリア製のバッグについて「Columna」、「コルムナ」の各商標を表示し、商品の販売期間を1993年3月1日から同年同月5日と表示した広告チラシが実在する。

(2)乙第2号証(「メイク」の納品書)によれば、「メイク」は、平成8年3月1日、OpenチラシB2を210,000枚作成して「アレンジ」に納品し、その納品書には「当方ミス、ペナルティ」と減額の「1,417,500」が記載されている。

(3)乙第3号証(「アレンジ」の登記簿謄本)によれば、「アレンジ」の本店所在地は、乙第1号証(広告チラシ)中の「アレンジ」の所在地と一致し、被請求人を取締役とし、「かばん、袋物」の販売をしていること。

(4)乙第4号証(「メイク」の登記簿謄本)によれば、「メイク」は、本店所在地を乙第2号証(「メイク」の納品書)と同じく大阪府泉佐野市長滝1505番地の1とし、業務として「広告、宣伝の企画・立案・制作業」をしていること。

(5)乙第5号証(「メイク」の「アレンジ」宛の取引確認報告書)によれば、乙第2号証(「メイク」の納品書)において、「当方ミス、ペナルティ」と減額の「1,417,500」と記述した理由として「¥1417500 当社制作ミスにつき、請求額の半額をもってペナルティのご承諾を頂きました。」と記載されている。

また、新聞オリコミとして「200,000枚、平成8年3月3日各紙(朝日、読売、サンケイ、毎日、日経)朝刊に単価7円、合計1,400,000円にて指定配布地域に折り込み実施。」と記載されている。

上記(1)ないし(5)の事実を総合勘案すれば、被請求人は、本件商標の使用権者と認められる「アレンジ」を通じて、本件商標をイタリア製のバッグの広告として使用し、販売するため、「メイク」に対し、平成8年3月1日、イタリア製バッグについて本件商標の広告を含む広告チラシを200,000枚作成、納品させ、平成8年3月3日、朝日、読売、サンケイ、毎日、日経の各新聞朝刊に指定配布地域に折り込み実施させたことが認められる。

してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標をその指定商品中「イタリア製のバッグ」について使用していたものというのが相当である。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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