Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−12199(T2005−12199/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、標準文字で「T―CON e―RENTAL」の文字を書してなり、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするための高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,機械器具に関する試験又は研究,工業所有権・著作権の実施・使用又は複製及び譲渡に関する契約の代理又は媒介,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与,製図用具の貸与」を指定役務として、平成16年8月6日に登録出願されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において、以下の(1)ないし(3)に示す登録商標を引用し、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)登録第3203780号商標(以下「引用商標1」という。)は、「TCOM」の文字を書してなり、平成4年9月16日に登録出願、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電気通信機械器具及び電子応用機械器具の開発・設計,電子計算機・電気通信機械器具・電子応用機械器具に関する操作説明書の作成」を指定役務として、同8年9月30日に設定登録されたものである。
(2)登録第4461772号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成11年9月1日に登録出願、第42類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,計測器の貸与」を指定役務として、同13年3月23日に設定登録されたものである。
(3)登録第4837183号商標(以下「引用商標3」という。)は、標準文字で「T―Com」の文字を書してなり、平成12年9月22日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,計算尺,家庭用テレビゲームおもちゃ」、第16類「紙類,印刷物,書画,遊戯用カード,事務用品(但し家具に属するものを除く。),文房具(「昆虫採集用具」を除く。)」、第35類「トレーディングスタンプの発行,財務書類の作成,新聞の予約購読の取次ぎ,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作」、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,割賦購入あっせん,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金」、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」及び第41類「娯楽情報の提供,娯楽の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,その他文化に関する興行の企画又は運営(映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競争の興行に関するものを除く。),映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,その他のスポーツ興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,スポーツ及び文化に関する競技会又は展示会の運営,電子出版物の制作,出版物の制作」及び第42類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)その他のデータ処理機器及び情報処理装置の貸与,新聞・雑誌に掲載された記事に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同17年2月4日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおりの構成よりなるところ、それぞれ「−(ハイフン)」で結合された「T−CON」の文字部分と「e−RENTAL」の文字部分との間に一文字程度の間隔を有し、視覚上分離してみることができるものであり、また、全体の構成文字から生ずる「ティーコンイーレンタル」の称呼も比較的冗長であり、中間の「コン」の音で一拍おくように発音されることともあいまって、「ティーコン」と「イーレンタル」とに区切って称呼されるというのが相当である。そして、本願商標は、全体としては特定の意味を認識させない一種の造語であり、かつ、構成文字全体を常に一体不可分の商標として捉えるべき格別の理由も認められない。
そうすると、このような商標については、簡易、迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、その一部だけによって簡略に称呼されることがあるものというべきであるから、本願商標に接する者は、その構成中の「T−CON」の部分又は「e−RENTAL」の部分を識別標識として捉え、「ティーコン」又は「イーレンタル」の称呼及び「電子賃貸」といった観念をもって取引に当たる場合も少なくないとみるのが相当である。
(2)引用商標1及び3について
一方、引用商標1及び3は、それぞれ、その構成文字に相応して「ティーコム」の称呼を生じ、また、特定の意味を認識させない造語である。
そこで、本願商標との類否について検討するに、本願商標の前半部分より生ずる「ティーコン」の称呼と、引用商標1及び3より生ずる「ティーコム」の称呼とは、ともに4音構成からなり、識別上重要な要素を占める語頭音を含む「ティーコ」の音を共通にし、異なるところは末尾の「ン」と「ム」の音にすぎず、さらに、この差異音とて、共に鼻音であって、響きの弱い音であり、かつ、語尾に位置しているから、称呼全体に及ぼす影響は決して大きなものとはいえず、それぞれを一連に称呼するときは、その語調・語感が近似し、彼此聞き誤まるおそれのあるものである。
してみれば、本願商標と引用商標1及び3とは、その外観において相違する点があり、観念においては、特定の意味を有しない造語であって比較することができないとしても、称呼において相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。そして、本願商標の指定役務は、引用商標1及び3の指定役務とそれぞれ、同一又は類似するものである。
(3)引用商標2について
引用商標2は、別掲のとおり、デザイン化された欧文字「e」を中央部に顕著に配し、その下部に「e−rentals」の文字を比較的小さく配してなる構成であるところ、これらは大きさが全く異なるものであり、常に一体不可分の商標として捉えるべき格別の理由も認められないから、「e−rentals」の文字部分も独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであって、これより「イーレンタルズ」の称呼及び「電子賃貸」の観念が生ずるというのが相当である。
そこで、本願商標との類否について検討するに、本願商標の後半部分より生ずる「イーレンタル」の称呼と、引用商標2より生ずる「イーレンタルズ」の称呼は、識別上重要な要素を占める語頭音を含む「イーレンタル」の音を共通にし、異なるところは末尾の「ズ」の音の有無にすぎず、さらに、この差異音「ズ」とて、比較的聴取され難い語尾に位置するものであって、称呼全体に及ぼす影響も大きなものとはいえないから、それぞれを一連に称呼するときは、その語調・語感が近似し、彼此聞き誤まるおそれのあるものである。
してみれば、本願商標と引用商標2とは、その外観において相違する点があるとしても、観念及び称呼において相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。そして、本願商標の指定役務は、引用商標2の指定役務と、同一又は類似するものである。
なお、請求人は、過去の審査例を引用し、引用商標2の「e−rantals」の部分には顕著性がない旨主張しているが、「e−RENTAL」又は「e−rantals」の文字は、たとえ「e−」の文字が役務の等級や「電子」の意味で用いられる場合があり、また、「Rental」の欧文字が「賃貸」の意味を有する英語であることから、前記のとおり「電子賃貸」の意味合いを認識させる場合があるとしても、それが直ちに具体的な役務の質等を認識させるものとはいい得ないものであり、また、本願及び引用商標の指定役務を取り扱う業界において、役務の質等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実も発見できなかった。
したがって、請求人の主張は、これを採用することはできない。
(4)まとめ
以上より、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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