結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30857(T2006−30857/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2471210号商標(以下「本件商標」という。)は、「パチスフランス」の文字を横書きしてなり、平成1年2月16日に登録出願、第32類「フランス産の果実、フランス産の加工果実、その他本類に属するフランス産の商品」を指定商品として、同4年10月30日に設定登録され、その後、同16年1月28日に指定商品を第29類「フランス産の食肉,フランス産の卵,フランス産の食用魚介類(生きているものを除く。),フランス産の冷凍野菜,フランス産の冷凍果実,フランス産の肉製品,フランス産の加工水産物,フランス産の加工野菜及び加工果実,フランス産の凍り豆腐,フランス産の豆乳,フランス産の豆腐,フランス産の加工卵,フランス産のカレー・シチュー又はスープのもと,フランス産のなめ物」、第30類「フランス産のコーヒー豆,フランス産の穀物の加工品,フランス産のアーモンドペースト,フランス産のサンドイッチ,フランス産のハンバーガー,フランス産のピザ,フランス産のホットドッグ,フランス産のミートパイ,フランス産のラビオリ,フランス産のイーストパウダー,フランス産のこうじ,フランス産の酵母,フランス産のベーキングパウダー,フランス産の即席菓子のもと」、第31類「フランス産の食用魚介類(生きているものに限る。),フランス産の海藻類,フランス産の野菜,フランス産の糖料作物,フランス産の果実,フランス産のコプラ,フランス産の麦芽」及び第32類「フランス産の飲料用野菜ジュース」の商品とする指定商品の書換登録がされ、さらに、商標権の一部取消し審判により、指定商品(書換登録された)中、第30類に属する「フランス産のイーストパウダー,フランス産のこうじ,フランス産の酵母,フランス産のベーキングパウダー」について、同指定商品中、第29類「フランス産の卵」について、同指定商品(書換登録された)中、第29類に属する「フランス産の冷凍野菜」及び第31類に属する「フランス産の野菜」について、同指定商品中、第29類「フランス産の肉製品,フランス産の加工水産物」について、同指定商品中、第30類「フランス産の穀物の加工品」について及び指定商品中、第29類「フランス産の冷凍果実」及び第31類「フランス産の果実」について取り消すべき旨のそれぞれの審決がされ、同19年1月10日、同年1月29日及び2月1日にその確定審決の登録がされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中第30類「フランス産の即席菓子のもと」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)その請求に係る指定商品の使用について
乙第1号証に記載されているのは、「フランプードル(カスタード用パウダー)」・「ジュレ・ババロワーズ[デセール](ムース用凝固剤)」であって、「ゼリーパウダー」・「カスタードクリーム用粉末」ではない。
まず、「フランプードル(カスタード用パウダー)」に関してであるが、仮に同商品が被請求人のいう「カスタードクリーム用粉末」であるとしても、特許庁ホームページの『商品・役務名リスト』に第29類「粉末カスタードクリーム」(類似群コード31D01)が掲載されていることからも(甲第2号証)、明らかに第30類「フランス産の即席菓子のもと」(類似群コード 32F09)に属する商品ではない。
次に、「ジュレ・ババロワーズ[デセール](ムース用凝固剤)」であるが、インターネット上のホームページにおいて、「ババロワやムース用の粉末ゲル化剤(ジュレ・ババロワーズ)。ゼラチンに比べて、なめらかな口当たりに仕上がります。使用量の目安は板ゼラチンの約5倍。」「また、保形効果があるため、凝固剤としてだけでなく、ホイップクリームの安定剤としても役立ちます。」との記載があることからも(甲第3号証)、「ゼラチン」(類似群コード 32F01)(甲第4号証)又は「ホイップクリーム用安定剤」「アイスクリーム用凝固剤」(類似群コード 01A01)(甲第5号証)と同様の商品であると考えられ、第30類「フランス産の即席菓子のもと」(類似群コード 32F09)に属する商品とはいえない。
いずれにしても、「即席菓子のもと」とは、例えば、湯を混ぜればすぐにゼリー菓子になるような商品(「ゼリーのもと」)のことであり(甲第6号証)、文字通り、「即席」でできる「菓子」の「もと」のことである。このような「即席菓子のもと」は、菓子製造の際にその一材料として使用される商品とは厳格に区別されるべき性質のものである。被請求人提出の乙第2号証において、被請求人指摘の商品は「製菓材料」と紹介されており、その意味においても、それらの商品が「即席菓子のもと」とは到底いえないことは明らかである。
また、この点に関して、被請求人に係るインターネット上のホームページにおいても、「弊社はプロフェッショナル・ユーザーの皆様に卸業者様を通じて、商品をご紹介させていただいております輸入商社です。大変申し訳ございませんが、弊社から一般ユーザーの皆様への小売は一切行っておりません。」と記載されている(甲第7号証)。このことからも、被請求人指摘の商品は、菓子製造のプロフェッショナルによって材料として使用される商品であるといえ、一般に家庭における使用を念頭において販売される「即席菓子のもと」とは明らかに異なる商品であると思料する。
なお、被請求人提出の書類からは、使用に係る商品が「フランス産」のものであることが証明されていないことを申し添える。
(イ)登録商標(当該商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用について
本件商標は、同書・同大・同間隔で横書きに書されたカタカナ文字「パティスフランス」である。
一方、乙第1号証ないし乙第3号証に記載されている使用商標は、「パティスフランス」の文字である。
そうすると、「パチスフランス」と「パティスフランス」は、その語感・語調において著しく相違するものであり、社会通念上同一の商標とは到底いえない。
したがって、被請求人が提出している上記書類からは、登録商標(当該商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしているとはいえない。
(ウ)以上により、被請求人が提出している答弁書は、本件商標が、本件審判の請求の登録前三年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって、その指定商品について使用されていることを立証していないものであることが明らかになったものと思料する。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)商標の使用者
乙第1号証「商品カタログ」、乙第2号証「雑誌広告」、乙第3号証「納品書(控)」には、日仏商事株式会社が表示されている。
なお、本件商標権者は、商標「パティスフランス」を使用している商品の過去3年間の販売実績は乙第6号証のとおりである。
(2)使用に係る商品
乙第1号証には、「フランス産の即席菓子のもと」である「ゼリーパウダー、カスタードクリーム用粉末」が記載されている。
乙第2号証には、同様に「ゼリーパウダー」が記載されている。
なお、乙第7号証は、商標「パティスフランス」を使用した商品であるが、商品番号「003190」は、「ゼリーパウダー」で、「003162」と「003160」は、「カスタードクリーム用粉末」である。
(3)使用に係る商標
乙第1号証ないし乙第3号証には、「パティスフランス」の文字が記載されている。本件商標は、「パチスフランス」であるのに対し、使用商標は「パティスフランス」であるが、この程度の差異は社会通念上同一と認められるものというべきである。
(4)使用時期
乙第1号証のリーフレットは、発行日等が不明であるが、東京事業所は平成16年1月13日に東京都世田谷区太子堂より現住所に移転している(乙第4号証)。従って、乙第1号証はそれ以後に発行されたものであることは明白である。また、このリーフレットについては、現在も増刷を重ねている(乙第5号証)。乙第2号証には、夫々「2004年1月27日発行」「2004年3月26日発行」と記載されている。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定商品中「フランス産の即席菓子のもと」について使用していることが明らかである。
被請求人は、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出し、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定商品中「フランス産の即席菓子のもと」について使用している旨主張している。
そこで、被請求人の提出に係る前記証拠についてみるに、被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証により「ゼリーパウダー」及び「カスタードクリーム用粉末」について使用していると主張しているが、乙第1号証の被請求人指摘の商品は、「フランプードル(カスタード用パウダー)」及び「ジュレ・ババロワーズ[デセール](ムース用凝固剤)」(以下これらを一括して「使用商品」という。)と記載されている。
そして、使用商品中、「フランプードル(カスタード用パウダー)」は、「粉末カスタードクリーム」と同様の商品であると考えられるものであって、商品「粉末カスタードクリーム」が商標法施行規則別表の第30類「アイスクリームのもと,シャーベットのもと」に属する商品と認められる。
一方、請求に係る商品である第30類「即席菓子のもと」は、同別表第30類の掲載によれば、「ゼリーのもと、ドーナツのもと、ホットケーキのもと、水ようかんのもと」などが属する商品と認められる。
そうすると、使用商品中の「フランプードル(カスタード用パウダー)」は、第30類「即席菓子のもと」の範疇に属する商品とは認められない。
また、使用商品中、「ジュレ・ババロワーズ[デセール](ムース用凝固剤)」は、甲第3号証のホームページにおいて「ババロワやムース用の粉末ゲル化剤(ジュレ・ババロワーズ)。ゼラチンに比べて、なめらかな口当たりに仕上がります。使用量の目安は板ゼラチンの約5倍。」「また、保形効果があるため、凝固剤としてだけでなく、ホイップクリームの安定剤としても役立ちます。」との記載があることから、「食用ゼラチン」(甲第4号証)又は「ホイップクリーム用安定剤」「アイスクリーム用凝固剤」(甲第5号証)と同様の商品であると考えられるから、「ジュレ・ババロワーズ[デセール](ムース用凝固剤)」は、第30類「即席菓子のもと」の範疇に属する商品とは認められない。
ところで、「即席菓子のもと」とは、例えば、湯を混ぜればすぐにゼリー菓子になるような商品(「ゼリーの素」)のことであり(甲第6号証)、文字通り、「即席」でできる「菓子」の「もと」のことである。このような「即席菓子のもと」は、菓子製造の際にその一材料として使用される商品とは区別されるべき性質のものである。乙第2号証において、被請求人指摘の商品は「製菓材料」と紹介されており、その意味においても、使用商品が第30類「即席菓子のもと」の範疇に属する商品とはいえない。
しかも、被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)からは、使用商品が「フランス産」のものであることが何等証明されていない。
また、請求人の提出に係る甲第7号証の被請求人のホームページにおいても、「弊社はプロフェッショナル・ユーザーの皆様に卸業者様を通じて、商品をご紹介させていただいております輸入商社です。大変申し訳ございませんが、弊社から一般ユーザーの皆様への小売は一切行っておりません。」と記載されており、使用商品は、菓子製造の材料として使用される商品であるとはいえ、一般に家庭における使用を念頭において販売される第30類「即席菓子のもと」とは明らかに異なる商品とみるのが相当である。
さらに、乙第1号証について、被請求人は、「発行日等が不明であるが、東京事業所は平成16年1月13日に東京都世田谷区太子堂より現住所に移転している(乙第4号証)。従って、乙第1号証はそれ以後に発行されたものであることは明白である。また、このリーフレットについては、現在も増刷を重ねている(乙第5号証)。」と述べている。
しかしながら、東京事業所が、平成16年1月13日に現住所に移転し、乙第1号証に東京事業所の住所として前記移転後の住所が記載されているとしても、そのことをもって、乙第1号証のリーフレットが、その後、本件審判請求の登録前に発行されたのか明確ではない。また、同リーフレットが、実際に本件審判請求の登録前3年以内に頒布されたことを窺わせる証拠の提出もない。
そして、乙第5号証の請求書及び納品書によれば、品名を「パティスフランスリーフレット増刷」としているが、これが乙第1号証のリーフレットであるか否か不明である。
乙第7号証の写真の番号は、乙第6号証の商品コードに対応しているとしているが、番号の記載がいずれも手書きであることから、その番号が商品コードに対応しているとは俄に認めることはできないばかりでなく、そもそも乙第6号証には、商品の数量、金額について記載されているが、その裏付けとなる証拠を何等提出していないから、その商品の数量等が過去3年間の販売実績であるとは認めることはできない。
また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品に使用していたことについて、前記乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)のほか、立証していない。
してみれば、被請求人が提出した証拠によっては、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて本件商標の使用をしていたことを証明したということができない。また、被請求人は本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中第30類「フランス産の即席菓子のもと」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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