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Trademark Appeal Case

不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第31112号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

I 本件商標

本件登録第2135454号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に示した構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和62年2月19日登録出願、平成1年4月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

II 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」については、これを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び資料1を提出した。

1.その指定商品中「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」について使用した事実は存在しない。

また、商標登録原簿謄本においても、前記指定商品について専用使用権者若しくは通常使用権者の設定登録がなされていないところがら、使用権者の存在並びにそれによる本件商標の使用を推認せしめる根拠もない。

したがって、本件商標は、継続して過去3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもがその指定商品中「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」について使用されていないものであるから、商標法50条1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。

2.答弁に対する弁駁

(1)乙第1号証及び乙第2号証について

乙第1号証及び乙第2号証(品質、原産国、商標等表示承認申請書)は、被請求人も「会社内における社内規定による表示案の判定を受ける書類です」と自認しているように、単に、本件商標の使用の可否を検討することを求める内部書類にすぎない。しかも、これらの書類に記載された申請日付は、昭和62(1987)年2月3日と平成7(1995)年5月22日であり、商標法50条2項所定の「その審判の請求の登録前3年以内の使用であること」の要件を満たしていない。なお、本件審判の請求登録日は、平成10(1998)年11月24日である(資料1)。

(2)乙第3号証ないし乙第15号証について

これらの証拠は、被請求人の子会社が、印刷会社に「下げ札」を印刷発注したことを示す注文書にすぎない。これらの証拠から客観的に分かることは、被請求人が商標「ベラドンナ」の「下げ札」の印刷を印刷会社に発注したということだけであって、この「下げ札」がいかなる目的に使用されるものかは示されていない。

また、「下げ札」の印刷を発注したからといって、そのことが直ちに本件商標「BELLA DONNA」が実際に平成7年11月24日から平成10年11月24日の期間内に使用されたことを示すとはいえない。

(3)乙第17号証ないし乙第19号証について

これらの証拠は、「BELLA DONNA」の「下げ札」をつけた「ポロシヤツ」、「セーター」、及び「Tシャツ」を示す写真にすぎない。これらの証拠から客観的に分かることは、「BELLA DONNA」の「下げ札」をつけた「ポロシヤツ」、「セーター」、及び「Tシャツ」の写真であるということだけであって、本件商標の使用の日付も明記されておらず、これらの証拠が本件商標「BELLA DONNA」が実際に平成7年11月24日から平成10年11月24日の期間内に使用されたことを示すとはいえない。これら写真は故意に作ろうとすれば簡単に作ることができるものであり、信憑性に欠け、客観的に使用の事実を立証するとはいえない。

(4)乙第20号証について

乙第20号証は、被請求人の社内資料にすぎない。この証拠から客観的に分かることは、「在庫」、「仕入れ」、「売上」等の数字と、「ベラドンナ」の記載がある「社内資料」ということのみで、この証拠は、いかなる熊様の商標が、具体的にいかなる商品に使用されているのかを示すものではない。その上「営業実績表」及び、不使用取消審判事件の答弁で最も重要な「期間」に関しては「手書き」されており、全く信憑性に欠けるものである。

(5)まとめ

提出された証拠を総合的に見ても、被請求人は、本件審判請求登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかが、本件商標をその指定商品中の「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」について使用していることを証明していない。

III 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第20号証を提出した。(なお、被請求人は、証拠方法として提出した書証について、「甲」を付しているが、これは、請求人の提出した証拠と紛らわしく混同するから、職権をもって「乙」と訂正した。したがって、請求人の弁駁及び被請求人の答弁の理由中にある、被請求人が提出した証拠についての記載は、「甲第〜」を「乙第〜」に置き換えた。)

1.本件商標はその指定商品に使用している。以下これを証明する。

(1)乙第1号証(品質、原産国、商標等表示承認申請書 昭和62年2月3日表示案「BELLA DONNA/ベラドンナ」)及び乙第2号証(品質、原産国、商標等表示承認申請書 95年5月22日表示案「BELLA DONNA RENOWN」)は、本件商標の使用開始に当たり、会社内における社内規定による表示案の判定を受ける書類である。この表示案の判定により商品につける「下札」「エリネーム」が発注される。

(2)乙第3号証ないし乙第15号証(付属品注文書)は、株式会社クレット(以下「クレット」という。)から茂原印刷株式会社及び株式会社タケダヤヘの「下札」及び「エリネーム」の注文書である。クレットは、乙第16号証(会社案内書)に記載のとおり、被請求人の100%子会社であり、その事業内容である「1.ネーム、下札、進物箱、包装紙等の資材及び化粧箱、パッキングケーステープ等の梱包資材の製造ならびに売買。」により、被請求人は、クレットと売買契約書を取り交し、全ての付属品はクレットに発注している。

(3)乙第17号証ないし乙第19号証は、商標「BELLA DONNA」の使用の事実を示すワイシャツ類(ポロシャツ;乙第17号証、セーター類(セーター;乙第18号証)、及び下着(Tシャツ;乙第19号証)である。これらの商品は、平成11年2月10日に撮影したものである。

(4)乙第20号証は、平成9年2月1日より平成10年1月31日の1年間の営業実績表であり、本件商標の営業販売実績は、「小分類表 98年1月31日(×××累計)」ページ500TOKYOの『ベラドンナ』欄で証明する。

2.よって、本件商標は、商標法50条1項には該当しないものである。

IV 当審の判断

1.乙各号証について検討する。

(1)乙第1号証及び乙第2号証は、昭和62年2月3日及び1995年(平成7年)5月22日申請に係る「品質、原産国、商標等表示承認申請書」と認められるところ、答弁理由によれば、該申請書は、被請求人における社内規定により、「下げ札」、「エリネーム」の発注をするに際しての判定を受けるためのものと認められる。

そして、申請書の「表示案」欄には本件商標(乙第1号証)及びこれと社会通念上同一と認められる商標(乙第2号証)が表示されていること、及び本件商標(乙第1号証)の「使用時期」は、「62年秋冬〜」であり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標(乙第2号証)の「使用開始時期」は、「95年5月〜」であることが認められる。

(2)乙第3号証ないし乙第15号証は、「付属品注文書」と認められるところ、各「付属品注文書」及び答弁理由を総合すれば、該付属品注文書は、1996年12月13日から1998年5月13日にかけて、クレットが茂原印刷株式会社及び株式会社タケダヤに対して発注した「下げ札」、「エリネーム」の注文書と認められる。

そして、乙第16号証(クレットの「会社案内書」)によれば、クレットは、被請求人の100%子会社であること、その業務内容の一つに「ネーム、下げ札」等の製造、販売があること、及び主な取引先の一つに被請求人及びそのグループ会社の名前が記載されていることが認められる。

(3)乙第17号証ないし乙第19号証は、平成11年2月10日撮影に係る、シャツ類及びセーターの写真と認められるところ、これらの商品には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示したエリネーム及び下げ札が付されていることが認められる。

(4)乙第20号証は、平成9年2月1日から同10年1月31日の1年間の営業実績表と認められるところ、その「小分類表」の「ベラドンナ」欄によれば、「フユ」「アイ」「ナツ」「ケイ」と項目分けされ、それぞれの「月初在庫」「仕入」「仕入利益」「売上」等の欄に、単位を千円とする数字が書き込まれていることが認められる。

2.前記1.で認定した各証拠によれば、被請求人は、昭和62年秋冬から表示を開始する、本件商標を使用した「下げ札」、「エリネーム」の原案申請を昭和62年2月3日に、また、平成7年(1995年)5月から表示を開始する、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用した「下げ札、エリネーム」の原案申請を平成7年(1995年)5月22日に、それぞれ社内規定により申請し(乙第1号証及び乙第2号証)、該申請に基づいて、被請求人の子会社であるクレットは、平成8年(1996年)12月13日から茂原印刷株式会社及び株式会社タケダヤに「下げ札」、「エリネーム」の製造を発注した(乙第3号証ないし乙第15号証)ことが認められる。なお、品質、原産国、商標等表示承認申請書及び各付属品注文書の日付、並びに乙第17号証ないし乙第19号証の下げ札、エリネームに表示された商標などを総合すると、クレットが茂原印刷株式会社及び株式会社タケダヤに注文した「下げ札」、「エリネーム」は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標(乙第2号証)であったと考えられる。

そして、乙第17号証ないし乙第19号証、及び乙第20号証によれば、本件商標と社会通念上同一と認められる商標(乙第2号証)が、取消に係る指定商品中の「シャツ類及びセーター」に実際に使用され、本件審判の請求登録前3年以内に、市場において販売された事実が認められる。

してみると、乙各号証を総合勘案すると、被請求人は、本件審判の請求登録前3年以内に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消に係る指定商品中の「シャツ類及びセーター」について使用していたと判断するのが相当である。

3.前記2.に関する請求人の主張について

(1)請求人は、▲1▼乙第1号証及び乙第2号証は、内部書類にすぎないものであり、その日付も本件審判の請求登録前3年以内のものでない、▲2▼乙第3号証ないし乙第15号証は、被請求人の子会社が印刷会社に「下げ札」を発注したことを示す注文書にすぎないものであり、これらによっては、「下げ札」がいかなる目的に使用されるものか、本件商標が実際に本件審判の請求登録前3年以内に使用されたのか示すものではない、▲3▼乙第17号証ないし乙第19号証は、「BELLA DONNA」の「下げ札」をつけた「ポロシヤツ」、「セーター」、及び「Tシャツ」を示す写真にすぎないものであり、これらの証拠から本件商標が実際に本件審判の請求登録前3年以内に使用されたことを示すものではなく、客観的に使用の事実を立証するとはいえない、▲4▼乙第20号証は、被請求人の社内資料にすぎず、この証拠からは、いかなる熊様の商標が、具体的にいかなる商品に使用されているのか明らかでなく、また、「営業実績表」及び「期間」に関し、手書きであり、信憑性に欠けるものである旨を主張する。

(2)しかしながら、前記2.で認定したとおり、乙第1号証及び乙第2号証は、本件商標及びこれと社会通念上同一と認められる商標を表示した「下げ札」、「エリネーム」を発注するに際し、被請求人の会社内部の承認を求める性質のものであり、これらの書類自体が直接的に本件審判の請求登録前3年以内の使用に係るものでないとしても、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が、本件審判の請求登録前3年以内に被請求人の子会社により茂原印刷株式会社及び株式会社タケダヤに印刷等の注文がなされたと認められ、さらに、乙第17号証ないし乙第19号証の商品の写真に示すように(写真の撮影日は本件審判の請求日以降であるとしても)、乙第2号証にある本件商標と社会通念上同一と認められる商標が取消に係る指定商品中の「シャツ類及びセーター」の下げ札、エリネームに実際に使用されているものであり、しかも、平成9年2月1日から同10年1月31日の1年間の営業実績表の「ベラドンナ」欄からは、上記した過程で表示されるに至った本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した商品(シャツ類及びセーター;乙第17号証ないし乙第19号証)が、市場において取引がなされたことを窺わせるものであるというのが相当であり、前記認定を覆すに足りる証拠は見当たらない。

したがって、上記に関する請求人の主張は採用できない。

4.以上、前記2.に認定したとおりであるから、本件商標の指定商品中請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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