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Trademark Appeal Case

「超」と材料名の結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−19998(T2005−19998/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「超鉄鋼」の文字を書してなり、第6類、第16類、第41類及び第42類に属する願書に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成16年7月20日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『超鉄鋼』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、『超』の文字は『動作・状態がある限界を一挙に上まわる意。』を表し、『鉄鋼』の文字は『銑鉄・鋼の総称。』の意味を有し、例えば鉄が主成分であっても、合金元素がほぼ50パーセントを超える『超合金』や、きわめて硬く、切削工具刃先、ダイスなどに使われる『超硬合金』などのように、一定の状態を上回る金属について『超』の文字が使用されていることが認められるから、全体の文字からは『強度等が高度化した鉄鋼』程の意味合いを認識させるものであり、これをその指定商品中『鉄及び鋼』に使用する場合、単に商品の品質を表すにすぎないものと認められ、指定役務中『超鉄鋼に関するセミナーの企画・運営又は開催,超鉄鋼に関係する試験又は研究』等に使用する場合、単に役務の質を表すにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがありますので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について。

本願商標は、「超鉄鋼」の文字を書してなるところ、「超」の語は、「1.とびこえること。程度をこえること。2.ぬきんでること。かけ離れてすぐれていること。3.(接頭語的に)(ア)程度一杯をさらにこえる意を表す。(イ)「ウルトラ」、「スーパー」などの訳語。4.俗に、その語の内容をはるかにこえていること。」(広辞苑第5版)の意味を有し、例えば、「超満員」、「超特急」及び「超現実主義」等のように、「超」の文字を接頭語的に用いることによって、普通の状態からぬきんでているさまを意味する語となることはよく知られているところである。また、「鉄鋼」の語は、「銑鉄・鋼の総称」(広辞苑第5版)を意味する語であるから、「超」の文字と「鉄鋼」の文字を結合してなる本願商標は、全体として、「(強度等の)鉄鋼の性質を高度にしたもの」といった程度の意味合いを容易に認識させるものといわなければならない。

そして、すぐれた特性を持つ鉄や合金等の金属の名称に、「超」の文字を冠して表示している事実が、以下の事典及びインターネット情報等により認めることができる。

1)「金属を知る事典」(1978年12月20日、株式会社アグネ発行)において、「鉄はどこまで強くなったか」の見出し、さらに、「鉄鋼の強度と延性・靱性」の小見出しの説明中に、「超強力鋼としては、低合金強靱鋼の品質をさらに高めた種類のもの」(90ページ)との記載があり、また、「高温強度」の小見出しの説明中に、「さらに強度面での耐熱度を高めるためには、NiベースあるいはCoベースが有利であるため、超耐熱合金はNi、Co、Crを主成分とするものが多い」(98ページ)との記載がある。

2)NECトーキン株式会社のホームページにおいて(http://www.nec-tokin.com/product/pdf_dl/memoaroi.pdf)

「超弾性合金」の見出しのもと、「メタルにしなやかさが生まれた超弾性合金。曲げたり、伸ばしたりしても、その力を除くと、すぐ元の形状に回復する、いわばゴムのように伸縮する性質をもった金属といえます。(中略)使用温度領域も広く、成形・加工性にも優れ、線材や板材、異形線材まで、あらゆるご要望にお応えしております。」の記載がある。

3)「特殊鋼の知識−超強力鋼」ヤマト特殊鋼株式会社のホームページにおいて(http://www.yamato-ss.co.jp/pages/knowledge_22.htm)

「超強力鋼 超強力鋼には低合金系のSNCM(ニッケル・クロム・モリブデン系)強ジン鋼から高合金鋼のマルエージング鋼まで多くの鋼種があります。(中略)この材料はSAE4340、AISI H11の焼入れで出てくるマルテンサイト組織と異なり、高靭性の低炭素マルテンサイト組織になるため、高強度とネバサを合わせもつ材料です。(中略)マルエージェング鋼の特長は、耐力1900Nでも靭性が高く、切欠抗張力が著しく高いことと、熱処理上の利点として、急冷の必要がなく熱処理ひずみが極めて小さいことです。また溶接性の良いことも挙げられます。」の記載がある。

4)独立行政法人 海上技術安全研究所のホームページにおいて、「もの作りのための機械設計工学」(http://www.nmri.go.jp/eng/khirata/design/ch02/ch02_02.html)の見出しで。

「2.2機械材料」の表題の下、「2.2.1 金属材料の種類」の中に「アルミニウム合金」の記載があり、「覚えておきたいアルミニウム合金の材料記号」の下、「A2017:ジュラルミン。強度が高い。」、「A2024:超ジュラルミン。強度が高い。(A2017よりせん断強さ,疲れ強さに優れている)」の記載がある。

以上のように、「超」の文字が、鉄や合金等の金属について、品質をさらに高めたものを指称する語として普通に使用されている事実が認められる。

そうとすると、本願商標は、これをその指定商品中、例えば、第6類「鉄及び鋼」に使用するときは、その商品が、「すぐれた特性をもつ鉄鋼」、つまりは、「強度等が高度化した鉄鋼」というような、商品の品質を表示するにすぎないものであり、前記以外の商品について使用する場合には、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

(2)商標法第3条第2項について。

請求人は、インターネット情報において、請求人に係る情報は25100件(調査したもののみの件数は117321件)になるから、本願商標は商標法第3条第2項に該当する旨主張しているが、上記の証拠以外に、実際に使用している商標、使用開始時期、使用期間、使用地域、営業の規模、広告宣伝の方法・回数・内容及び一般紙・業界紙等における記事の掲載の回数及び内容等、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができるに至ったことを示す、客観的な事実を証明する証拠の提出もしていない。

したがって、提出された証拠によっては、本願商標がその指定商品及び指定役務について使用された結果、需要者をして請求人(出願人)の業務に係る商品及び役務であることを認識するに至ったものと認めることはできない。

(3)請求人の主張について

請求人は、本願商標である「超鉄鋼」の文字は、従来の鉄鋼材の欠点を解消するために新世紀構造材料(例えば、より寿命の永い素材、より強度のある素材・軽量な素材)の研究・開発を目指し、それらの研究・開発の成果物を端的に表現するものとして創作・命名したものであり、「超鉄鋼」なる鉄鋼は存在していない。そして、「超合金」の語も登録されていることから、本願商標は品質を間接的に表示する商標であり、登録性がある旨主張しているが、「超鉄鋼」の語は、「超」と「鉄鋼」の2文字を結合したものであることは請求人も認めているところであり、両文字は、それぞれ一般に馴染まれて用いられている語であることは上記のとおりであって、その全体の意味は「強度等が高度化した鉄鋼」であることを無理なく認識し得るものである。また、「超鉄鋼」なる鉄鋼は存在せず、品質を表すにすぎないものには該当しない旨も主張しているが、商標法第3条第1項第3号は、取引者・需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるから、請求人の該主張は採用することができない。

また、請求人は、過去の登録例をあげて、本願商標の登録の正当性を主張しているが、登録出願に係る商標が登録されるか否かの判断は、指定商品・役務等のそれぞれの取引の実情を考慮し、当該商標の全体の構成に基づいて、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであって、その全体の構成を異にする登録例に拘束されるものではなく、本願商標が商標登録の要件を満たすか否かの判断を左右するものではないから、この点についての請求人の主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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