Trademark Appeal Case
称呼と共通文字による商標類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−12614(T2005−12614/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「蜂寿」の文字を標準文字で表してなり、第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年1月23日に登録出願され、その後、指定商品については、同年8月10日付け手続補正書により、第29類「蜂の子粉末を主原料とする顆粒状・粉末状・錠剤状・液状・カプセル状の加工食品」と補正されたものである。
2 引用商標
原審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第2005283号商標(以下「引用商標1」という。)は、「宝壽」の文字を横書きしてなり、昭和60年7月5日に登録出願、第32類「加工食料品、その他本類に属する商品」を指定商品として、同62年12月18日に設定登録され、その後、平成10年1月27日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4671735号商標(以下「引用商標2」という。)は、「豊寿」(「寿」の文字の点が黒丸で表されている。以下同じ。)の文字を横書きしてなり、平成14年5月21日に登録出願、第29類「タンポポ・ヨモギを主原料とする顆粒状の加工食品,食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,加工果実,冷凍果実,卵,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆」を指定商品として、同15年5月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標の類否について
一般に、「商標が類似するかどうかは、最終的には、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、具体的にその類否判断をするに当たっては、両商標の外観、称呼、観念を観察し、それらが取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、決して上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないが、少なくともその一つが類似している場合には、当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあると認めるのが相当である(最高裁第三小法廷、昭和43年2月27日判決・民集22巻2号399頁参照)。」と解されるところである。
(2)本願商標と引用商標1及び2の商標の類否について
上記(1)を前提に、本願商標と引用商標1及び2についてみるに、本願商標は「蜂寿」の漢字、これに対し引用商標1は「宝壽」及び引用商標2は「豊寿」の各漢字よりなるものであるから、本願商標と引用商標1及び2は、いずれも音読みにて「ホウジュ」の称呼をも生じ、称呼を同じくするものである。
そして、本願商標と引用商標1及び2とは、外観上は上記のとおり異なるものである。
そこで、観念についてみるに、本願商標と引用商標1及び2は、それぞれ漢字二文字で構成されているが、両者は全体としては特定の意味を有する成語とはいえないものである。
しかしながら、本願商標と引用商標1及び2とは、漢字2文字という極めて少ない文字数で構成されている中、旧字体と新字体の差を有するとしても、いずれも「寿」又は「壽」の語を第2文字目に用いているという共通性を有しているものである。
そうすると、本願商標と引用商標1及び2とは、少なくとも称呼において共通しているから、上記(1)のとおり、当該指定商品について商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が存在する場合を除き、出所の混同を生ずるおそれがあるものと認めるべきと解されるところ、原審における意見の内容及び当審における請求の理由を徴するも、何ら特別の事情が存することを見い出せない。
以上を総合して、本願商標と引用商標1及び2とを全体的に考察すると、両商標は、外観において異なるものであるとしても、「ホウジュ」の称呼を同一とするものであり、観念については、共に全体としては特定の意味を有する成語とはいえないこと上記のとおりであり、かつ、漢字2文字で構成されている中、いずれも「寿」又は「壽」の文字を第2文字目に用いているという共通性を有していることも相俟って、本願商標と引用商標1及び2は、誤認混同する類似の商標といわざるを得ない。
(3)本願商標と引用商標1及び2の指定商品の類否について
本願商標は、その指定商品の表示からして、いわゆる「健康食品」(以下、単に「健康食品」という。)の範ちゅうに属するものといえるものである。
一方、引用商標1の指定商品は、昭和34年法における旧商品区分(昭和35年政令第19号の別表による商品区分、以下「旧政令」という。)の第32類(以下「旧第32類」という。)に掲げられた全ての商品を指定商品とするものである。
ところで、この旧第32類中に掲げられている商品概念「加工食料品(他の類に属するものを除く)」は、その括弧書きからして、他の類に積極的に属している「加工食料品」を除いた一切の「加工食料品」を包含している商品概念と解すべきである。さらに、この「加工食料品」中に具体的に包含されている商品については、昭和35年通商産業省令第13号の商標法施行規則(以下「旧省令」という。)において掲げられた旧第32類のそれぞれの概念表示、その概念下に例示された具体的商品、その材料、生産体系、販売系統等から、合理的に判断することとなる。そして、「健康食品」は、旧第32類以外の旧省令下の他の類に含まれているものといえないものであるし、「健康食品」の商品としての表示内容「普通の食品よりも健康によいと称して売られている食品」からしても、結局のところ、「加工食料品」を包含している旧第32類に所属していた商品というのが相当である。
また、平成4年4月1日にわが国がニース協定で定める国際分類を採用し、これに即した分類体系を採った現行分類における商品は、その商品内容については旧政令及び旧省令の商品内容を実質的に引き継いでいるものである。
よって、本願商標の指定商品「蜂の子粉末を主原料とする顆粒状・粉末状・錠剤状・液状・カプセル状の加工食品」は、引用商標1の指定商品中の「加工食料品」に包含される商品といえるものである。
また、引用商標2は、その指定商品中の「タンポポ・ヨモギを主原料とする顆粒状の加工食品」については、その表示からして、健康食品の範ちゅうに属するものであり、本願の指定商品とは、その主原料が異なるとしても、その形状が顆粒状等の同様な形状であること及び、健康を目的とする点、さらに、販売場所についても共通する類似の商品(健康食品)であるといえるものである。
以上のとおりであるから、本願商標に係る指定商品と、引用商標1及び2に係る指定商品とは類似の商品といわざるを得ず、本願商標が引用商標1及び2と非類似の商品を指定商品とするものであるとする請求人の主張は、採用できない。
(4)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。
なお、請求人(出願人)は、登録番号4262841号「宝寿」(参考資料3)の称呼が「ほうじゅ」であっても登録になっているから、同様な考え方が本願商標にも適用される旨述べているが、前記の登録番号4262841号「宝寿」の指定商品は、「米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」であるから、商品が非類似商品として、判断したものであるから、この請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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