結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第31285号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第802576号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に示すとおりの構成よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和42年2月7日に登録出願、同43年12月25日に登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証の1ないし同第3号証の3(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、その指定商品中「布製身回品、寝具類」について、継続して3年以上、我が国において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用されていない。
よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、指定商品中「布製身回品、寝具類」について取消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、本件商標のハンカチヘの使用を主張しているが、ハンカチは、スカーフとは異なり、ハンカチ自体に商標を付し、又は商標を付した紙片をハンカチに貼付して販売するものである(甲第1号証ないし同第3号証参照)。乙第1号証のように、細帯状布片を環状にハンカチに縫い付け、そのうえ、同布片にひもが通されてタグを付けるようなことはあり得ない。しかも、細帯状布片は、縫いしろの上に雑に縫い付けてあり、タグには本件商標とは異なる「B SPORTS」という商標が付され、「サイズM」と印刷されている。ハンカチに「サイズM」などということもあり得ない。
又、乙第2号証の納品書は、被請求人の所定の書式であって、何時でもこれに記入して容易に作成出来るものであり、検収済印も日付を遡って押すことも容易であるうえ、書込んだ文字も手書きで汚なく、「色名」や「色コード」の欄は書き直してあり、「サイズコード」欄の2行目の「3」の右側には何の記入もなく、「ゲルラン・品番」の「アイテム」欄の「8」の数字は書き直したものである。また、仕入先(納品者)は、その社名自体から、被請求人の関連会社と認められるものである。そして、乙第2号証の納品日が平成10年11月20日であるにも拘わらず、乙第1号証の撮影日がこれより前の平成10年11月10日とされている。納品日より前にかかる写真を撮ることなどおよそあり得ないことである。
要するに、乙号各証は、答弁書作成のために創出されたものであること明らかである。
更に、本件商標を構成する「Guerean」からは何らの観念も生じないのに対して、「ゲラン」の語は、世界的に著名なフランスの香水等化粧品のメーカーである請求人・ゲラン社(仏語では「Guerlain」)の社名であり、請求人の使用する著名な商標であるから、「ゲラン」からは、「請求人、請求人の商品」の観念が生ずる。
したがって、「Guerean」と「ゲラン」とは観念を異にするものであるから、一方のみの使用をもってしては、本件商標の使用とはいえない。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、請求人の請求理由に対する答弁を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証の1ないし5及び同第2号証を提出した。
本件商標は、審判請求に係る指定商品について継続的に使用されている事実がある。
たとえば、被請求人は、「布製身回品」の範疇に属するハンカチについて本件商標を使用しており、この事実を商品実物を撮影した写真によって立証する(乙第1号証の1ないし5)。但し、本件商標は、ハンカチの裏側に縫いつけられた細帯状布ストリップに表示されているものの、この細帯状布ストリップは、環状にハンカチに縫いつけられているため、一枚の写真で商標全体をあらわすことができない。そこで、乙第1号証の1および2として、ハンカチを折り畳んだ状態を撮影した写真と広げて全体を撮影した写真を提出するとともに、同号証の3ないし5として細帯状布ストリップに表示された本件商標の、それぞれ「GU」「ER」「EAN」の部分を中心に撮影した3枚の写真を提出する。
これら乙第1号証の1ないし5の写真により、ハンカチの裏側に縫いつけられた細帯状布ストリップに本件商標が表示されていることは容易に理解できるものである。
さらに、被請求人は、これらの写真に示された商品の納品書(写)を乙第2号証として提出する。この納品書の日付は本件審判請求の登録前の平成10年11月20日となっており、品名として「プリントハンカチーフ」と明確に記載されている。また、ゲルラン・品番として「8353901」と記載されているが、この番号は、乙第1号証の1ないし5に見られるタグに記載された番号と同一であることから、乙第1号証の1ないし5に係る商品についての納品書であることが確認できる。
したがって、本件商標が「布製身回品」について使用されていないという請求人の主張は失当である。
そこで判断するに、本件商標は、別紙に示したとおり、筆記体で表した「Guerean」の欧文字と「ゲラン」の片仮名文字とを二段に書してなるものであるところ、被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙第1号証の1ないし5(ハンカチの写真)をみるに、ハンカチの取引の実情に照らし、細帯状布片を環状にハンカチに縫い付けて商標を表示することが不自然であるか否かはともかく、同号証に表されている商標は、「GUEREAN」の欧文字のみを書した態様からなるものと認められる。
ところで、登録商標の使用に際しては、これを付する商品の具体的な性状に応じ、適宜、変更を加えることは取引上一般に行われているところではあるが、その使用が登録商標の使用と認められるのは、あくまでも、当該登録商標と社会通念上同一と認められる範囲内の使用に限られるものであり、二段併記の構成からなる商標の場合にあっては、各構成文字の観念が同一のときのみ、商標の有する識別性に影響を与えないものとして、その一方の使用であっても、当該登録商標を使用しているものと解されているところである。
しかして、本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、「ゲラン」の片仮名文字からはフランスの香水・化粧品会社あるいはその使用に係る商品の商標(Guerlain)を想起し得るものであるが、「Guerean」の欧文字は、英語、フランス語あるいはドイツ語に照らしてみても親しまれた成語を表すものではないから、これより、特定の観念を生ずるものとは認められない。また、その称呼も親しまれて用いられている英語読みあるいはローマ字読みに従っても、直ちに「ゲラン」の称呼を生ずるものとはいい難いから、これより上記した「ゲラン」を想起するものともいえない。
そうとすれば、本件商標を構成する「Guerean」の欧文字と「ゲラン」の片仮名文字とは、その観念を同一にするものではないから、「GUEREAN」の欧文字のみを書した態様からなる使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできず、「GUEREAN」の欧文字のみの使用をもって本件商標を使用しているものということはできない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「布製身回品、寝具類」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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