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Trademark Appeal Case

著名図形商標の混同類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成6年審判第4864号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙(1)に表示したとおりの構成からなり、第17類5被服(運動用特殊被服を除く。)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く。)」を指定商品として、平成3年5月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、出願人とは他人であるアメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示する標識として本願出願時には既に著名に至っていた『ポロ競技をしてなる図形』と極めて類似した図形より成るものであるから、このような商標を指定商品に使用するときは、その商品が上記他人と何らかの関係があるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。また、ポロシャツ、スウェットシャツ等のワンポイントマークは多く刺繍によるため、形象が明瞭に描出表示されるとは限らないところであり、またポロ競技が我が国で広く親しまれたスポーツでないことも相まち、そして、ラレフローレンデザインによる上記商品等にワンポイントマークが表され需要者に広く認識されるに至っていたものである。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

昭和55年審判第18789号に係る平成4年5月27日付け審決のとおり引用商標よりは「ポロの競技者」の称呼、観念は生じないものであり、引用商標は著名ではなく、常に「RALPHLAUREN」と一体の商標として使用されており、従来から我が国においては「馬にまたがりポロ競技をしている競技者」の図形は多数登録されているし、また、アメリカ特許商標庁でも同様であり、したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当せず登録性を具有する。

4 当審の判断

(1) 引用商標の周知、著名性について

(株)講談社昭和53年発行7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下[ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN」の文字及び「馬にまたがったポロ競技のプレーヤーの図形」(別紙(2)のとおりの構成で、以下「引用商標」という。)の各商標が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。

そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、5世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。他に、これを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」、の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。

以上の事実を総合すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する商標として遅くとも本願の登録出願前までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識され、周知、著名な商標に至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。他に、これを覆すに足りる証拠はない。

(2)出所の混同の虞について

本願商標は、前記構成からなるものであるところ、引用商標とは馬にまたがりポロ競技をしている競技者(プレーヤー)を描いた点においては共通性を有するものである。

請求人は、前掲審決を援用して馬の顔及び馬体の向きなどの相違する点をあげるところがあるが、請求人が援用する審決におけるラルフローレンの出願商標と本件引用商標の構成態様が同じではなく(「RALPFLAUREN」の文字は前者にはあるが後者にはないなど。)、また、同審決では商標法第4条第1項第11号における商標の類否判断において出願商標の図形部分から「ポロゲーム」の称呼、観念が生ずるか否かの認定をしたのであって、本件審判請求には適切な例ではない。すなわち、本件審判請求は、商標法第4条第1項第15号に係る案件であって、引用商標は実際の取引の場において周知、著名のものであるため、そのことにより本願商標を指定商品について使用した場合出所の混同の虞があるか否かを判断すべきであり、必ずしも本願商標と引用商標が同一又は類似であることは要せず、類似であるときは混同の虞が高いということとなるに過ぎないものである。

したがって、本願商標は、引用商標とは外観的に見た場合、主たる構成要素において共通にするものであるから、互いに非類似のものであるとしても、これを指定商品被服等に使用するときは、同商品について周知、著名な引用商標を想起ないしは連想するときが少なくないと言うべきである。

そうすると、本願商標をその指定商品である「被服等」に使用した場合には、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずる虞があるものといわざるを得ない。

なお、請求人は審決例を挙げて種々主張しているが、援用に係る審決は本件審判請求と異なる商標法第4条第1項第11号に係る案件であることは前述したところであり、しかも、商標の類否判断に関する最高裁判例(最高裁昭和43年2月27日判決「氷山事件」)を踏まえて、出願商標に係る取引の実情、すなわちラルフローレンの商標の周知、著名性を考慮して類否判断をしているものであり、また、当庁における審査例を挙げて種々主張するところがあるも、それらは指定商品はもとより、商標の構成、周知、著名性の認定資料又は判断時期等が同じでなく事案を異にするものと言うべきであるから、請求人の主張は採用することができない。

(3) 結論

以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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