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Trademark Appeal Case

役務の記述的表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−10442(T2006−10442/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、標準文字で「ゼロ・エミッション最先端企業」の文字を書してなり、第40類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成17年8月25日に登録出願されたものである。そして、指定役務については、当審における同18年6月21日付け手続補正書により、第40類「廃棄物の再生,廃棄物の収集・分別及び処分,廃棄物の収集・分別・処分及び再生に関する情報の提供」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『ゼロ・エミッション最先端企業』の文字を書してなるところ、『ゼロ・エミッション』の文字は、『ある産業で排出される廃棄物を、別の産業の原料として使い、地球全体として廃棄物をゼロにしようという計画』の意味合いを有してなるから、全体としては『ゼロ・エミッションを推進するさきがけの企業』の意味合いを有するものと認められる。そして、『ゼロ・エミッション』の語は、1994年に国連大学が提唱してから、我が国においては環境省、経済産業省をはじめ、多くの県や市で取り組まれている政策であり、インターネットや新聞記事検索にも多数掲載されていることからすれば普通に使用されているものと認められる。そうとすれば、これを本願指定役務中、例えば『廃棄物の収集・分別・処分・再生及び加工』等上記意味合いに相応する役務に使用しても、該商標に接した取引者・需要者は、単に『ゼロ・エミッションのための収集・分別・処分・再生及び加工を行う最先端の企業』と理解するに止まり、結局、何人かの業務に係る役務であるかを認識できないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質(内容)の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、上記のとおりの構成よりなるところ、構成文字中、「ゼロ・エミッション」の文字は、「1994年に国連大学のグンター・パウリらが『ゼロ・エミッション研究構想』の中で提唱。工場などの排水、排ガス、廃棄物、熱(温排水)などの汚染物を生産工程全体で管理して発生量を減らし、徹底的に有効利用することで汚染物の排出(エミッション)をゼロにする取り組み。」(「イミダス’07」672頁)を、「最先端」の文字は、「ものの先の一点。端の端。時代や流行などの一番のさきがけ。最尖端。」(「広辞苑」(第5版)1039頁。)を、「企業」の文字は、「生産・営利の目的で、生産要素を総合し、継続的に事業を経営すること。また、その経営の主体。」(同632頁。)を、それぞれ意味する語として、一般に認識、理解されているものである。

そして、上記各文字を標準文字で一連に結合してなる本願商標からは、「ゼロ・エミッションを行う最先端の企業」の意味合いが容易に想起されるというのが相当である。

このことは、「最先端企業」の文字が、一般に、企業の説明、紹介等において、当該企業が特定の分野において最先端を進んでいる旨を記述する表示として普通に使用されていることは顕著な事実であることに加え、例えば、「IT(Information Technology)」の最先端を進んでいる企業を「IT最先端企業」と称するように、「最先端企業」の文字に特定の分野を表示する文字を冠して、ある企業が、当該分野において最先端の技術・実績等を有していることを表示する語として、広く使用されていることからも首肯される。(インターネット検索は、平成19年4月26日に実施。)

ア)http://www.kia.or.jp/MAKE_JIMU/Recruit/orientation.html

「イベント」のタイトルの下、

「IT最先端企業がここに集結! (社)神奈川県情報サービス産業協会 合同企業説明会 〜神奈川ITフェア〜」との記載がある。

イ)http://www.infostaff.jp/staff/advantage/index.html

「インフォスタッフの『派遣』[人材派遣のインフォスタッフ/テルウェル東日本]」のタイトルの下、

「インフォスタッフの『派遣』 インフォスタッフならではの『派遣』スタイル、その特徴やメリットをご紹介。 1 最先端企業で仕事ができる! 一般企業はもちろん、IT最先端企業であなたのキャリアが活かせます。特にメイン派遣先であるNTTグループ企業で最新のIT知識や情報に触れることは、さらなるスキルアップにつながります。」との記載がある。

ウ)

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E5%85%A5%E9%96%80%E2%80%9530%E5%88%86%E3%81%A7%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8BIT-%E7%89%87%E5%B1%B1-%E4%BF%AE/dp/4094161163

「Amazon.co.jp:デジタリアン入門−30分でわかるIT:本:片山修」のタイトルの下、

「デジタリアン入門−30分でわかるIT(文庫) 片山修(著) ・・・商品の説明 内容(『BOOK』データベースより)ビジネス・シーンにとどまらず、21世紀のライフスタイルまでも一変させるといわれるIT革命。NTTドコモ、ソニースタイルドットコム・ジャパン、楽天、トヨタ自動車、松下電器産業など、IT最先端企業12社の情報技術担当者、経営トップに、iモード、ネット・ショッピング、エンターテインメントから情報家電、カーライフまで、ITの方向性ときたるべきデジタル・ライフをインタビュー。」との記載がある。

エ)2004年7月30日 電気新聞 13頁

「[夏の省エネキャンペーン特集]冷房中室温は28度に」のタイトルの下、

「省エネ最先端企業として、キリンビールとソニーの2社の取り組みも紹介している同パンフレットは同センターが無料で配布している。」との記載がある。

オ)http://www.eccj.or.jp/office_casual_04/page_3.html

「省エネ推進の最先端企業に聞く スマートファッション最前線 キリンビール株式会社」のタイトルの下、

「アンケート結果からも分かるように、オフィスにおけるスマートファッションのスタンダード化には、まだまだ努力の余地がありそうです。今回取材させていただいた2社は、様々なアイデアやプランで、効率良く快適なビジネススタイルを実践している、いわば『省エネ』最先端企業!」との記載がある。

カ)2005年1月12日 日刊工業新聞 3頁

「視点/家庭用燃料電池の性能表示−エネ効率算定に差・普及に向け議論必要」のタイトルの下、

「成長に向けての戦略という位置づけだけでなく、『エネルギーのパラダイムシフトを目指す気概で新たな暮らしを創造していく』(市野紀生東ガス社長)、『環境最先端企業として強い思いをもって普及に取り組んでいく』(渡文明新日石社長)と両社とも使命感を胸に事業にあたる。」との記載がある。

キ)1989年5月25日 読売新聞東京朝刊 7頁

「遠距離と市内電話の値下げをNTTに指導 通話区分も見直し/郵政省方針」のタイトルの下、

「NTTは年間所定内労働時間が民間平均より三百時間も少ない『時短最先端企業』。しかし一人当たり売上高が千九百二十三万円と低迷しているのに、総費用に占める人件費比率が三六・〇%、一兆八千七百七十三億円と異常に高く、公益企業の中でも“水膨れ体質”が際立っている。合理化の余地が大きく、現在の人件費をわずか九%弱削減すれば、遠距離料金を中距離料金に一本化、市内の深夜割引も行えると結論付けた。」との記載がある。

(2)ところで、「ゼロ・エミッション」の文字の意味合いは上記(1)のとおりであるところ、近年の環境保護意識の高まりの中、本願指定役務に関係する業界を含め、産業界全般において、かかる「ゼロ・エミッション」を企業や工業地域の理念や方針として採択し、かつ、これに関し「最先端企業」である(べき)こと、最先端の技術を採用していることを表示している事例が、以下のとおり、多数存在する。

なお、以下の資料において、「ゼロ・エミッション」と「ゼロエミッション」は同義と認める。

ク)1998年1月30日 日本工業新聞 21頁

「地球環境:環境特集(1)回収から再生への道 富士ゼロックス」のタイトルの下、

「神奈川県南足柄市竹松にある『富士ゼロックス竹松事業所』では、七年の歳月をかけて九七年二月に『ゴミゼロ』を達成した。九一年当時は年間二〇〇〇トンの廃棄物を埋め立て処理していたが、九七年にはゼロになった。今ではゼロエミッションを実践する最先端企業として企業をはじめ、大学や研究所など各方面から注目を集めている。」との記載がある。

ケ)2000年2月15日 毎日新聞 地方版/神奈川

「廃棄物ゼロの街づくり 藤沢に循環型都市構想−−荏原製作所/神奈川」のタイトルの下、

「環境保全機器メーカーの荏原製作所(東京都大田区、前田滋社長)が、資源の消費を抑え、廃棄物をゼロに近づける『ゼロ・エミッション』の考えを取り入れた環境共生型都市『エコインダストリアルパーク』建設を藤沢市内で計画している。工場から出る排熱を利用した熱供給システムなど、無駄なエネルギーを省いた未来型の都市計画で2010年の完成を目指す。・・・建設が計画されているのは、同市本藤沢の同社藤沢工場に隣接する約6ヘクタールの社有地。東京ドームの約1・3倍の広さで、現在ある社宅と独身寮を建て替える際、リサイクルや自然エネルギーの最先端技術を駆使した環境配慮型都市を建設する。」との記載がある。

コ)2000年10月2日 日刊工業新聞 30頁

「北九州市、環境未来都市を目指す。エコタウン事業など4大プロジェクト進行」のタイトルの下、

「エコタウンは企業、行政、大学の連携で最先端の廃棄物処理技術やリサイクル技術を実証研究する拠点エリアと、環境産業の事業化を目指すとともに、個別企業の連携でゼロ・エミッション型の環境産業コンビナート(大企業中心)と、響リサイクル団地(中小企業中心)などの事業化を目指す環境産業拠点エリアで構成されている。」との記載がある。

サ)2001年7月24日 読売新聞 中部朝刊 34頁

「23日了承された愛知万博の『基本的枠組み』要旨=東海」のタイトルの下、

「2、事業展開の基本的考え方 (1)事業企画の重点・・・<6>環境負荷の低い社会、循環型社会のモデル 3R(リデュース・リユース・リサイクル)システム、会場でのゼロ・エミッションを目指した取り組み、新エネルギーシステムの最先端を示す。」との記載がある。

シ)http://rikunabi2008.yahoo.co.jp/bin/KDBG00300.cgi?KOKYAKU_ID=0017222001&MAGIC=

「イビデン株式会社:[半導体・電子・電気部品]の就職情報なら:リクナビ」のタイトルの下、

「高機能な製品の開発を通して、地球環境の保全に貢献 世界各国での排ガス規制を追い風に需要が急増している『DPF』をはじめ、自動車排気ガス浄化用触媒担体の『保持・シール材』など、イビデンは高度な機能を持つ製品の開発を通して、地球環境の保全に貢献しています。そして現在も世界最先端の技術力を活かし、環境の時代をリードする企業として永続的に発展していくことを目指しています。また、水力発電設備やコージェネレーションシステムを有していることも特色の一つ。自社で使用する電力の約70%を自家発電で賄っており、ゼロエミッション活動や、『省エネルギー』『CO2発生の抑制』による地球温暖化防止対策にも積極的に取り組んでいます。2000年1月にはISO14001も取得しています。」との記載がある。

(3)上記(1)及び(2)の事実にかんがみれば、「ゼロ・エミッション最先端企業」の文字を書してなる本願商標を、その指定役務中「ゼロ・エミッションのための廃棄物の再生,ゼロ・エミッションのための廃棄物の収集・分別及び処分,ゼロ・エミッションのための廃棄物の収集・分別・処分及び再生に関する情報の提供」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単に当該役務の提供者が、当該役務の提供にあたって「ゼロ・エミッション」を企業の理念や方針とし、かつ、その最先端の技術・実績等を有している者であることを理解するに止まり、結局、これが何人かの業務に係る役務であるかを認識することができないものといわざるを得ない。

また、前記に相応する役務以外の役務に使用するときは、これがあたかも「ゼロ・エミッション」に関係する役務であるかのごとく、役務の質(内容)の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。

したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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