Trademark Appeal Case
略称を含む結合商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−18753(T2004−18753/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ビジュアルネットワークケイタイ」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、平成16年1月22日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、標準文字にて『ビジュアルネットワークケイタイ』と書してなるが、その構成中の『ビジュアルネットワーク』の文字は、指定商品を扱う業界においては『視覚によるネットワーク用機器』の意味合いで使用されている語であること、また『ケイタイ』の文字は、『たずさえ持つこと。身につけて持つこと。』の意を有する『携帯』の語を容易に想起させる語であること、さらに指定商品を扱う業界においては、携えて持てるほどに小型・軽量化した製品が種々流通しており、上記『視覚によるネットワーク用機器』においても、そのような製品が存在することを併せ勘案すると、これよりは『携えて持てるほどに小型・軽量化した視覚によるネットワーク用機器』程の意を認識させることから、これを本願の指定商品中、前記文字に照応する商品に使用した場合には、単に商品の品質、形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるで、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「ビジュアルネットワークケイタイ」の片仮名文字で書されてなるところ、その構成中の「ビジュアル」の文字は、「視覚の、視覚的、視覚資料、(説明・宣伝用の)視覚に訴えるもの」等の意味を有する語として、一般に広く知られており、例えば、「ビジュアルコミュニケーション(視覚伝達。目を通しての伝達方式。)」、「ビジュアルデザイン(視覚デザイン。絵や写真など視覚に訴えることを強調した広告設計。)」(「コンサイスカタカナ語辞典」(第2版)、発行所:株式会社三省堂)のように普通に用いられているのが実情である。
また、「ネットワーク」の文字は、「(網細工・網状組織の意)多数のラジオ・テレビ局がキー局を中心にして組織している番組供給網。コンピューター‐ネットワークの略。[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]」の意味を有する語として、一般に広く使用されているものである。
そうすると、「ビジュアルネットワーク」からは、「視覚可能によるネットワーク」という意味合いを容易に想起させるものというのが相当である。
そして、「ケイタイ」の文字は、「たずさえ持つこと。身につけて持つこと。」の意味合いから小型・軽量化したものの他に、「携帯電話」の略称と認識・理解されるとみるのが相当である。
そのことは、近年携帯電話が急速に発展、普及したことに伴い、多数の人が常に持ち歩く身近な商品となり、日常「ケイタイ」又は「ケータイ」と言った場合、「携帯電話」を指すことが多いのが実情である。このことはインターネットのにホームページ検索において「ケイタイ」又は「ケータイ」の語をキーワードとして検索すると多数検索結果が得られ、そのほとんどが携帯電話関連の事業者又は記事が記載されたホームページであることからも十分に裏付けられるところである。
また、携帯電話を取り扱う業界では、様々な付加価値機能を有する機種や携帯電話により楽しめる様々な新しい機能が提供されており、その中には映像により情報を伝達したり、そのデータを再生可能な機能があることは周知の事実である。
そこで、かかる事情のもと本願商標をみるに、その構成中の「ケイタイ」の文字部分より生ずる「ケイタイ」の称呼は、これを聞いた者に上記事情により「携帯電話」の略であると認識させると認められるものである。
そうすると、「ビジュアル」「ネットワーク」「ケイタイ」の各語の結合よりなると認識されるものであり、「視覚的(ビジュアル)なネットワーク機能を有する携帯電話」という意味合いを容易に想起させるものというのが相当である。
なお、請求人は、「『ビジュアルネットワークケイタイ』の語は、造語であって、辞書にもなく、現実に使用されている例もないから、商標全体として識別性があるものと判断すべきである。」旨主張しているが、たとえ、該語について辞書等になくとも、本願商標に接する取引者・需要者は、前記のように理解・認識するを相当とするから、その主張は採用できない。
また、請求人は、登録例を示して、本願商標が識別力を有すると主張しているが、本願とは事案を異にするものであるし、本願商標については、前記認定のとおりであるから、この点に関する請求人の主張も採用できない。
そのことは、以下の新聞やインターネット関連の記事・情報の記載からも裏付けられる。
(1)2005年6月17日付け電気新聞(12頁)
「[中部電力チャレンジ・サークル活動発表会特集]多彩な取り組みで「有終の美」」の見出しの下、「また発表会の模様は、社内映像放送の「ビジュアルネットワーク」を通じて全社に同時中継された。(後略)」との記載があること。
(2)2004年9月3日付け電気新聞(9頁)
「[防災週間特集]中部電力全社訓練 本店被災時の指揮系確認」の見出しの下、「中部電力は2日、本・支店をはじめ全事業場、関係会社を対象にした全社防災訓練を実施した。(中略)同訓練は、「防災週間」にあわせ毎年実施している。今回の訓練は、気象庁発表の「東海地震注意情報」を地震発生前日の午後6時35分に受理してから、川口災害対策本部長が同社のテレビ会議システム「ビジュアルネットワーク」や全社一斉放送で全事業場に対して「地震警戒体制」を発令し、地震災害警戒本部を本店(名古屋市東区)に設置する段階から始まった。(後略)」との記載があること。
(3)2000年11月24日付け日本食糧新聞
「全日食グループ、IT活用で店頭支援強化へ」の見出しの下、「全日食グループ(本社=全日本食品(株)、東京都豊島区、03・)は(中略)「興」はおこす、はじめるの意。具体的な内容は(1)全日食におけるチェーンルネッサンス。二一世紀の正義「公正・責任・継続」の認知(2)全日食コアコンピタンス=RSシステムへの確信、RS店九〇%ネットの稼働(3)Z‐ONEを背景にしたIT革新。リアルタイム、ビジュアルネットワークの稼働(4)VMNネットワークの先鋭化とアイテムコントロール体制の稼働(後略)」との記載があること。
(4)2000年5月15日付け毎日新聞 東京朝刊(14頁)
「[特集]デジタルトレンド2000 トヨタ自動車の「Gazoo」、顧客囲い込みへ」の見出しの下、「◇車情報で顧客囲い込み−−音楽から旅行まで、電子商店街多彩に マーケティングの世界では、同じ趣味・し好を持ったコミュニティー(共同体)を対象にした「コミュニティー・マーケティング」が注目されている。トヨタ自動車のビジュアルネットワークシステム「Gazoo(ガズー)」は、専用端末やインターネットを通じて、車を軸にしたコミュニティーを構築、コミュニティーをベースにしたEコマース(電子商取引)を実現しようとしている。(後略)」との記載があること。
(5)2000年2月17日付け日刊工業新聞(12頁)「日本ビクター、ネットワーク対応製品を拡充」の見出しの下、「日本ビクターは16日、ネットワーク対応カメラ「ビジュアルネットワークシステム」、ネットワークカメラを制御するソフトウエア「マルチカメラブラウザ」を3月1日に、高速無線LANシステムを21日に発売すると発表した。(後略)」との記載があること。
(6)「ビジュアルネットワーク 簡易動画遠隔監視システム」との表示のもと、「遠隔地での状況をリアルタイムでキャッチ ビジュアルネットワークは、画像1ページあたり1.5秒という高速伝送。アナログ回線では実現できなかった驚異の再現性を発揮します。また、全国規模の複数拠点を一括集中管理することも可能です。」(http://city.hokkai.or.jp/~murabo46/net.html)との記載。
(7)「京都情報大学院大学」のホームページで「ITコア科目群 ビジュアル・ネットワーク」の項に「内容 概要 ネットワークにおける重要な情報インターフェイスである画像データの本質的な特性と取扱い手法について修得する。さらに,情報の有効な表示のための画像利用や,ヒューマンインターフェイスの観点から三次元画像技術や複合現実感技術についても理解する。」(http://www.kcg.edu/curriculum/it_core/T0430.html)との記載。
(8)「池上産業映像システムの集大成 『産業映像展』を開催 新製品を多数発表」との表示のもと「・プレゼンテーションコーナー 多様なアプリケーションを実現するビジュアルネットワークMAT-NETを紹介すると共に、本展示会のコンセプトと今後の池上のビジュアルネットワークシステムの在り方について、100インチの高精細画面で紹介します。」として「主な展示製品 TPP-2000 超高精細プロジェクタ マルチスキャンマーカー(新製品)」(http://www.ikegami.co.jp/nrelease/1996kami/0903vnet.html)との記載。
(9)「画像電子学会Advanced Image Seminar 2005」との表示のもと「ビジュアル・ネットワークを支える技術 −メディアセキュリティの最新技術動向−」「爆発的に普及しているカメラ付き携帯電話をはじめとして、モバイル技術に支えられたビジュアル・ネットワーク社会が到来しつつある。このような状況の中でネットワーク社会の安全性を確保するための技術開発は、個人情報の保護や情報インフラストラクチャの保全を計る上で極めて重要な課題である。」(http://wwwsoc.nii.ac.jp/iieej/trans/05kaisai.htm)との記載。
(10)「日本ビクター、MPEG-1搭載ネットワークカメラ『VN-C30』を発売」との表示のもと、「2001年7月16日 日本ビクター(株)は16日、ネットワークに映像を配信するビジュアルネットワークシステム“V.Networks”シリーズの新製品として、MPEG-1対応のネットワークカメラ『VN-C30』を発売すると発表した。23日発売で、価格は28万8000円。」(http://ascii24.com/news/i/hard/article/2001/07/16/627946-000.html)との記載。
してみれば、本願商標は、その指定商品中、視覚的(ビジュアル)なネットワーク機能を有する携帯電話及びその部品及び附属品、の商品について使用しても、取引者、需要者は、その構成文字の全体より、容易に「視覚的(ビジュアル)なネットワーク機能を有する携帯電話」程の意味合いを看取し、その商品の品質を表示したものと理解するにとどまり、それをもって、自他商品の識別標識としては認識しないとみるのが相当であって、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当であって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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