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Trademark Appeal Case

エルゴノミクスチェアーの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成5年審判第6132号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「エルゴノミクスチェアー」の片仮名文字を横書きしてなり、第20類「椅子」を指定商品として平成1年4月25日に登録出願されたものである。

2 拒絶理由の要旨

原審において登録異議申立てがあった結果、本願商標は、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして「人間工学に基づいてその形状、機能等が考慮された椅子」であることを認識するにとどまり、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表したにすぎないものと認める。よって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する、として本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、「エルゴノミクスチェアー」の片仮名文字を書してなるところ、構成中の「エルゴノミクス」の文字は「人間工学」の意味のもとに近時注目されている語であり、また、これに続く「チェアー」の文字は「椅子」の意味を有する外来語として日常一般に使用され親しまれているといえるものである。

ところで、「エルゴノミクス」すなわち「人間工学」とは、人間と機械との望ましい関係を追求する実践的な科学であって、椅子を含む家具を取り扱う業界においても、使い心地を追求し、或いは、肉体的疲労等の健康問題を解消するために、人間の特性を考慮した人間工学に基づく知識を科学的に取り入れた家具の研究開発が進められており、これに基づく商品が市場に出回っているのが実状であり、そのことは、例えばインターネットのホームページをみても「自然な姿勢を維持するためにエルゴノミクス(人間工学)の視点が欠かせません。良いチェアの条件は、身体の各部に負担のない、できるだけ自然な姿勢で執務が行えることです。そのためには、エルゴノミクス(人間工学)を生かしたチェアを導入することが大切になります。」(平成11年12月17日株式会社内田洋行)、「エルゴノミクスチェアの頂点を極めた『センサーチェア』を是非お試しください」(平成11年12月17曰くろがね工作所)のように「エルゴノミクス」、「エルゴノミクスチェア」の語が使用されていることからも認められるところである。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、これを「エルゴノミクス」と「チェアー」の両語よりなるものと理解し、「人間工学に基づいてその形状、機能等が考慮された椅子」を表したものと認識するにとどまると認めるのが相当であり、しかも、普通の書体で表示されているものであるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表したにすぎないものといわなければならない。

(2)請求人は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、同法第3条第2項の規定により登録されるべきである旨も述べる。

しかしながら、上記のとおり椅子について、「エルゴノミクス」或いは「エルゴノミクスチエア」の語が請求人以外の者により使用されている事実があり、また、提出された証拠によれば、請求人は「エルゴノミクスチエアー」の商標を椅子について使用していることが認められるが、1992年11月26日付け日経産業新聞(甲第114号証)以下の甲号証では、一部を除き本願商標と異なる「エルゴノミクスチエア」により広告がされ、また、商品カタログでも「エルゴノミクスチエア」と記載され、「エルゴノミクスチエア」として雑誌等に紹介されていることが認められる。

そうすると、請求人の提出に係る証拠をもっては、本願商標が商品「椅子」について使用された結果、請求人の商品であることを表すものとして需要者間において広く認識されるに至っている証左として十分なものということはできず、ほかに該事実を認め得る証左はないから、上記請求人の主張は採用することができない。

(5)したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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