結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2006−89092(T2006−89092/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4920405号商標(以下「本件商標」という。)は、「フーディアゴルドニー」の文字を横書きしてなり、平成17年4月27日に登録出願、第29類「天然ハーブを主原料とするカプセル状・錠剤状・液状の加工食品」を指定商品として、同18年1月13日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。
本件商標は、「フーディアゴルドニー」の文字よりなるものであるが、該語は小学館1994年4月20日初版発行の園芸植物大事典2(甲第2号証)に、フーディア(属)に属する植物名として「フーディア・ゴードニー(Hoodia gordonii)」の記載(審判注:請求人は、「フーディアゴルドニー」と表示しているが、甲第2号証に照らし、「フーディア・ゴードニー」の誤記と認められ、その旨摘示した。後掲の甲第3号証及び甲第6号証における主張の摘示についても同様。)があり、健康食品新聞(甲第3号証)には「新ダイエット素材 フーディア・ゴードニー上市」との見出しをもって、「フーディア・ゴードニーは南アフリカに自生するガガイモ科、フーディア属、名称は学名でもある。...南アフリカの砂漠に住む原住民が狩猟生活で獲物が獲れない時に空腹感や喉の渇き解消に用いていたなど、現地で数百年にわたる食経験があり、安全性も確認されている。」等の記載があり、ダイエット素材としての植物である事が認められる。
更に、健康産業流通新聞FAX速報(甲第4号証)にも南アフリカに自生する機能性植物「フーディアゴルドニー」を、「フーディアゴルドニーは、南アフリカ カラハリ砂漠固有の多肉植物で、含有されるグルコースに似た成分等に脳に食欲抑制を働きかける作用がある。」等の記載が認められる。
アメリカの特許出願公開Pub.No:US2004/0265398A1(甲第5号証)及び翻訳抜粋(甲第6号証)にも植物名として「hoodia gordonii」の記載があり、「サボテンであるフーディアゴードニの有効量を単独であるいは...、ウェートコントロール用のダイエット組成物。」と記載されており、ダイエット素材として有効な植物であるとしている。
又、我国への特許出願においても、フーディア属の植物「フーディア・ゴルドニイ」という記載が認められ、「フーディア・ゴルドニイ」が植物名としての一般名称であり、これより抽出された組成物が医薬品、食品、飲料の原材料として用いられている事が認められる(甲第7号証ないし甲第10号証)。
これらの事実よりすれば、本件商標の指定商品である健康食品を取扱う取引者、需要者においては「フーディアゴルドニー」の語がいかなる商品(品質、原材料)のものであるかは充分に熟知されているものである。
更に、「フーディアゴルドニー」がダイエット食品の原材料として使用されている事はインターネット情報における各種ダイエット商品の紹介記事に認められる(甲第11号証ないし甲第14号証)。
そうとすれば、本件商標は「フーディアゴルドニー」と表してなるものであって、本件商標の指定商品を含む健康食品の品質、原材料を表示してなるものである事は認識出来るものであり、そのように認識して使用されている事実が認められる以上、これを自他商品識別標識としての機能が果し得るとの判断は、本件商標の指定商品を取扱う業界においてあらぬ混乱を生じさせる事は明らかである。
したがって、本件商標は、その指定商品について使用するときは、単に、商品の品質、原材料を表示してなるにすぎず、又、該品質、原材料以外の商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせる恐れがあるものといわざるを得ない。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであり、商標法第46条第1項第1号の規定により無効とされるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求める。と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
(1)答弁の理由の要約
「フーディアゴルドニー」という言葉は本件商標登録後における弊社の商業活動により一般的に知られることになった言葉である。
弊社では商業的な価値が日本国内にて存在しない時期より、”hoodia gordonii”についてカプセル状・錠剤状・液状の加工食品として流通することを研究し商品化を終え、自他商品識別標識のために「フーディアゴルドニー」として商標登録を完了したもの。
又、有効成分の均等化が難しい”hoodia gordonii”なので、本件商標登録後においては既に、消費者の混乱を避け自他商品識別標識のために本件商標が有効的な標識となり存在している。
(2)本件商標を有効とすべき理由
(ア)本件商標は「フーディアゴルドニー」であり、小学館1994年4月20日初版発行の園芸植物大事典2に植物名として記載がある「フーディア・ゴードニー」とは文字や発音で異なる。(乙第1号証)
(イ)請求人より提出された証拠“甲第5号証”にて記載された”hoodia gordonii”についてはthe authors Pretoriaより1999年に発行されたTHE KALAHARI AND ITS PLANTSにて、その名称以外に”Wild ghaap”,”wildeghaap”,”bobbejaanghaap”という複数の名称が記載されており、複数の呼び名で存在するためるに一つの呼び名である植物を特定するのが難しい。(乙第2号証)
(ウ)請求人より提出された証拠である甲第3号証、甲第5号証、甲第7号証、甲第8号証、甲第9号証及び甲第10号証には本件商標である「フーディアゴルドニー」という片仮名文字を見付け出すことはできない。
(エ)本件商標と同様に「フーディア」という片仮名文字で始まる商標「フーディア\FOODEA(登録番号第4472608号)、「フーディア\Foodia(登録番号第4932493号)」、及び出願中である「L&G HOODIA\エル・アンド・ジーフーディア(商願2006−49412)」が存在する。本件商標はカプセル状・錠剤状・液状の加工食品として消費者の混乱を避けるための自他商品識別標識として存在しなければならない。(乙第3号証)
(オ)既に本件商標に関する商標権通常使用権設定契約(平成18年2月15日付け)が締結され商業的活動が行なわれている。(乙第4号証)
(カ)上記に述べた商標権通常使用権設定契約に基づき開発されたカプセル状の加工食品が存在し商業活動が行なわれており、既に平成17年12月15日には“ローカルみえ”にて同商品の広告掲載が行なわれている。(乙第5号証)
(キ)請求人より提出された証拠である甲第4号証は、上記の契約に基づき開発された商品が発売された以降に、発行元であるCMPジャパン株式会社が商標権通常使用権設定契約の契約先である「株式会社レインフォレストハーブジャパン」に対して取材を行い知りえた内容を発表した記事であるために、同社の特定の商品に関する商品詳細を記事にしたものにすぎず他社商品との混同を招くものではない。
(ク)請求人より提出された甲第11号証、甲第12号証、甲第13号証及び甲第14号証は、商標権通常使用権設定契約の契約に基づき「株式会社レインフォレストハーブジャパン」が商品開発・販売を行なった後に市場に流通したものである。
(ケ)”hoodia gordonii”に関しては古くより自社にて研究開発をしておりHPLCおよびHPTLCフィンガープリント分析方法による有効成分均等化方法を開発した。その品質管理をされたカプセル状・錠剤状・液状の加工食品として”hoodia gordonii”を一般市場で流通させるために本件商標が自他商品識別標識としての意義が存在している。(乙第6号証)
本件商標は、前記のとおり「フーディアゴルドニー」の文字を書してなるものである。
そこで、請求人の提出に係る証拠についてみるに、甲第2号証の「園芸植物大事典 2」(1994年4月20日 小学館発行)及び甲第3号証のHJ健康食品新聞によれば、「フーディア・ゴードニー(hoodia gordonii)」の語がフーディア(属)に属する植物名として記載されているものの、これは、本件商標の「フーディアゴルドニー」とは構成文字を異にする「フーディアゴードニー」の表示であるばかりでなく、甲第3号証の発行日が4月26日と表示されているものの発行年が不明である。
一方、甲第4号証の健康産業流通新聞(2006年3月2日号)によれば、「フーディアゴルドニーは、多肉植物で、含有される成分などに脳に食欲抑制を働きかける作用があるとされている」旨の記載がある。また、甲第5号証及び甲第6号証の米国特許出願公開(Pub.Date Dec.30,2004)及び翻訳文には、サボテンである「フーデイアゴルドニ(hoodia gordonii)」が数十年間、飢えや渇望から一時的に逃れるために使用されてきた旨の記述があり、さらに、甲第7号証ないし甲第9号証の公開特許公報(公開日 平成13年6月12日、同14年3月8日及び同15年1月29日)及び甲第10号証の公表特許公報(公表日 平成12年8月15日)の我が国への特許出願においても、フーディア属の植物「フーディア・ゴルドニイ」という記載が一部認められる。
しかしながら、甲第4号証の「健康産業流通新聞」(2006年3月2日)は、本件商標の登録査定後のものである。また、甲第7号証ないし甲第10号証の特許出願に掲載された「フーディア・ゴルドニイ」はその有効成分が医薬組成物として利用される旨の記述があるものの、いわゆる健康食品に利用される旨の記述が明確にされているとは認めがたい。
さらに、甲第11号証ないし甲第14号証の各インターネット情報には、「フーディア ゴルドニイ」又は「フーディア・ゴルドニー」がダイエット食品の原材料として使用され、各種ダイエット食品の紹介記事が掲載されているものの、右隅にはプリントアウトしたと推認し得る日付がいずれも本件商標の登録査定後であるばかりでなく、該ダイエット食品の販売時期が本件商標の登録査定前であったかも不明である。
そうすると、請求人の提出に係る前記証拠によっては、請求人の主張するように、「フーディアゴルドニー」の語が、本件商標の登録査定時に、健康食品を取り扱う取引者、需要者において、健康食品の品質、原材料を表すものと直ちに理解し、認識するとまではいい得ないというべきである。
また、他に、「フーディアゴルドニー」の語が、本件商標の登録査定時に、指定商品を取り扱う業界において、商品の品質、原材料を表示するものとして普通に使用されているという事実は見出すことはできない。
そうすると、本件商標は、その指定商品について使用しても、その品質、原材料を表示するものとして認識させるものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たしうるものであり、かつ、商品の品質について誤認を生ずるおそれはないものといわなければならない。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものではなく、同法第46条第1項第1号により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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