Trademark Appeal Case
要部抽出と称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成5年審判第19127号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙(1)に表示したとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く。)布製身回品(他の類に属するものを除く。)寝具類(寝台を除く。)」を指定商品として、平成1年12月4日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原審において、登録異議の申立があった結果、原査定は、「本願商標は、その構成別紙に表示したように『algoCosilan』よりなるところ、これは、申立人が、パリ条約同盟国(独、仏、スイス等)で、本願指定商品も含まれる国際分類第25類他に権利を有する別紙に表示した商標『Cosilan AG』の構成中『Cosilan』の部分が、書体もほぼ同一といえるものであり、かつ、本願商標が一連の成語ともいえないことよりすれば、該部分が看者の注意を強く惹きつけることも決して少なくないので、両者は、類似の商標ということができる。しかして、申立人及び出願人の提出した資料に徴すれば、出願人は、本願の出願前一年以内に申立人の代理人であった者であり、これを出願するにつき申立人の承諾を得たものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第15条第4号に該当するものと認める。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
▲1▼本願商標は、別紙(1)に表示したとおりであるところ、やや図案化した書体で「algo Cosilan」の文字を書してなるものと容易に看取させるものである。
そして、本願商標は、その構成中の「algo」の文字と「Cosilan」の文字との間に一文字程度の間隔を有するものであり、そして、両文字を結合しても全体として特定の意味合いを表するものでもなく、また、両文字を常に一体のものとして理解しなければならない特段の事情も見い出せないところである。
してみると、本願商標は、その構成全体をもって一体不可分のものとして把握されるとはいい難いから、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、その構成中にあって独立しても自他商品の識別標識としての機能を果たしえる「Cosilan」の文字を捉え、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、その構成中の「cosilan」の文字に相応して、「コシラン」の称呼をも生ずるものと認められる。
▲2▼一方、申立人がパリ条約の同盟国で登録した商標(以下、「引用商標」という。)は、別紙(2)及び(3)に表示したとおりであり、別紙(2)の指定商品は国際分類第24類及び第25類「被服、綿・毛及び絹製のスカーフ及びショールjであって、登録番号は第333387号、出願日(登録日)は1984年8月17日、そして、登録国はスイスである。同じく、別紙(3)の指定商品は国際分類第24類及び第25類「綿・毛及び絹製の被服、綿・毛及び絹製のスカーフ及びショール」であって、登録番号は第488835号、出願日(登録日)は1984年9月24日、そして、登録国は西ドイツ、オーストラリア、フランスである。
そして、引用各商標は、別紙(2)及び(3)に示すとおり、やや図案化した書体の「cosilan」の文字と「▲R▼」の記号及び「AG」の文字よりなるところ、「▲R▼」の記号は登録商標であることを示すものとして普通に使用されるものであり、「AG」の文字は「株式会社」の意を有するドイツ語の「Aktiengesell−schaft」の略語を表示したものと認められるから、自他商品の識別標識としての機能を有する部分は「cosilan」の文字にあるというのが相当である。
そうとすれば、引用商標は、その構成中の「cosilan」の文字に相応して、「コシラン」の称呼をも生ずるものと認められる。
▲3▼ そこで、本願商標と引用各商標との類否について検討するに、両商標は、「コシラン」の称呼を共通にするものであり、しかも、「cosilan」の文字の書体も酷似しているものであるから、本願商標と引用商標とは外観及び観念について併せ考えてみても称呼上類似する商標と認められる。そして、本願商標の指定商品は引用商標の指定商品中の商品、例えば、絹製のスカーフ及びショールと同一または類似する商品を指定してなるものと認められる。
▲4▼ 次に、請求人(出願人)が申立人の代理人であったか否についてみるに、申立人の提出した甲第2号証(契約書)に対応する第3号証(契約書と訳文)を提出して、請求人は単に商品の販売契約をしたものであって、代理店契約をしたものではない旨主張しているが、申立人の提出した甲第2号証(契約書)及び第3号証(契約書と訳文)の記載内容からすれば、1985年3月14日付けで、請求人、特約店WOOLLEN.,LTD.及び申立人の3者の間において契約がされ、請求人は申立人の総代理店であるとされたことが読み取れるものである。
▲5▼ そして、本願商標を出願するに当たって、申立人が本願商標を出願するについての承諾をしていない旨の主張をしたのに対して、請求人は承諾を得ている旨の主張をしていないのみならず、この点にについて何ら立証していないから、本願商標は正当な理由もなく申立人の承諾を得ないで出願されたものといわさざるを得ない。
▲6▼また、請求人と申立人との取引は、第7号証(コシラン社よりの提案も契約書も破棄するとの文書と訳文)により断絶している旨主張しているが、第7号証によれば、請求人と申立人との取引は、平成1年5月31日限りで終了したとみられるところ、本願商標の登録出願の日が平成1年12月4日であってみれば、本願商標の登録出願の日は、未だ上記代理店契約が解消される1年以内に登録出願されたものと認められる。
そして、出願人は、本願商標を「Cosilan」の文字からなる引用商標とほぼ同一といえる商標と連合するものとして出願した経緯があり、当審においても、前記のとおり、本願商標は、引用商標と類似すると認められるものであり、かつ、同一または類似する商品について使用するものであるって、正当な理由がないのに申立人の承諾を得ないで、代理人であった者によってなされたものと認められるから、本願商標は、商標法第15条第4号に該当する。
したがって、本願商標は商標法第15条第4号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、当審で申立人に代理店契約書を提出するよう求めてほしい旨の主張をするが、上記のように判断される以上、請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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