Trademark Appeal Case
著名商標の混同のおそれ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第14334号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標は、別紙に示すとおりの構成よりなり、第36類「資金の貸付け」を指定役務として平成4年4月24日に商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
本願商標は、株式会社ワールド(兵庫県神戸市中央区港島中町6丁目8番1)が略称として服飾品の販売に使用して著名な標章「ワールド」の文字を書して成り、かつ、「ワールド」の標章は前記会社が近年、経営の多角化によりグループ各社によって飲食業・旅行代理店・保険代行業・金融に関連する業務クレジットカードの発行にも使用しているものであるから、これをその指定役務に使用するときは、前記会社の業務に係る役務または前記会社と経済的もしくは組織的に何らかの関係のある者の業務に係る役務であると誤認し、その役務の出所について誤認するおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
本願商標は、別紙のとおりの態様で左横書きされた「ワールド」の文字からなるところ、平成9年1月2日付け及び同年6月24日付けをもって「株式会社ワールド」(兵庫県神戸市中央区港島中町6丁目8番1)より提出された上申書および証拠方法の記載によれば、「株式会社ワールド」は、
昭和34年1月13日に神戸市に設立され、婦人オールニット製品を製造・販売し、
昭和39年には東京店を設けて関東方面にも進出し、
昭和43年7月期の年間売上高は20億円を突破するなど業績を順調に伸ばし、営業範囲も次第に婦人服飾品全体の製造・販売に及び、
昭和46年には千代田区麹町に東京店第一ビルを建設し、
昭和49年には千代田区麹町に東京店第二ビルを建設し、
昭和51年7月期の年間売上高は423億円、経常利益64億円という成長を遂げ、婦人服飾業界第一位を記録すると共に、FM東京など全国八局ネットで「ワールド・オブ・エレガンス」という番組を提供し、その名称と企業としての存在は広く一般の人々にも知られるようになり、
昭和53年頃には紳士服部門、スポーツ衣料品部門に進出し、
昭和54年7月期の年間売上高は653億円に達し、経常利益100億円を突破し、
昭和55年には従業員1000名を擁し、
昭和56年には売上高905億円、経常利益159億円をあげ、ワコールを抜いてファッション業界での利益日本一となり、同年6月には平凡社の本社ビル(千代田区四番町)を買い取り世間の注目を集め、
昭和57年には売上高1000億円を超え、経常利益は約168億円に達し、同年4月には関連会社「銀座リザ」(銀座4丁目)を出店、CMキャンペーンに女優オードリー・ヘップバーンをわが国で初めて起用してテレビ、新聞による広告宣伝を行ない(このこと自体が各種全国紙により報道される)、
昭和59年には実業団ラグビーチームを創立し、
昭和61年9月頃には日本信販株式会社と提携して、顧客を対象に「ワールドカード」と称するクレジットカード(会員は日本信販のCD機によるキャッシュサービス等を受けられる)の発行を開始し、会員数は10万人を超え、
平成1年には資本金30億円、売上高約1512億円、経常利益 約182億円、社員数約3000名、系列会社20余社、海外の子会社は8社に至り、
平成5年3月卒業見込みの大学生(37万人)の就職意識調査(株式会社毎日コミュニケーションズ)の文系総合部門で人気企業の第88位にランクされるまでに至ったものと認められる。また、同社はこの間、「株式会社ワールド」の名称と「ワールド」、「WORLD」の商標とを継続して使用してきた事実が認められることから、本願商標出願時(平成4年4月24日)において「ワールド」の文字は、その前後に他の語が結合された商標はともかく、それのみからなる商標の場合には婦人服、紳士服、スポーツ衣料等各種衣料品等の製造販売を始めとし旅行代理店、保険代行業、衣・食・住サービスの生活関連分野において幅広く営業活動を展開している同社の略称および同社の業務に係る商品・役務に会社設立時より或いは永年使用されている商標として日本国内において広く知れわたっていた「ワールド」及び「WORLD」の標章を想起させるものであったとするのが相当である。
一方、上記の上申書および証拠方法によれば出願人会社は、
昭和51年7月頃から、「ローンズワールド」の営業表示を使用し、いわゆるサラリーマン金融を営み(支店は5店舗)、
昭和54年には50店舗に、
昭和56年には100店舗に、
昭和57年末には200店舗、営業地域は東京、神奈川、千葉、埼玉となり、
昭和58年末には300店舗、営業地域は東京、神奈川、千葉、埼玉の他に群馬2店、茨城・北海道各1店とし、
昭和60年には60店舗以下に縮小し、
昭和63年頃から、営業表示を「ワールド」に変更(資本金2億8000万円、44店舗、従業員約330名)したものであって、その営業地域の殆どは東京、神奈川、千葉、埼玉(群馬2店、茨城・北海道各1店)にすぎず、その業務範囲もいわゆるサラリーマン金融業のみである。
してみれば、「ワールド」の文字のみからなる本願商標をその役務について使用したときは、それに接する取引者・需要者はその役務が「株式会社ワールド」或いは「株式会社ワールド」と資本的、組織的等において関係がある者に係るものであるかのように、その出所について誤認混同するおそれがあると言わざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとした原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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