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Trademark Appeal Case

役務の質表示と識別性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−10084(T2005−10084/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「臨床糖尿病専門医」の文字を標準文字で表してなり、第44類「医業,医療情報の提供,健康診断」を指定役務として、平成16年3月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)

原査定は、「本願商標は、『臨床糖尿病専門医』の文字を標準文字により表してなるが、これは、『実際に患者を診察、治療する糖尿病専門の医師』を意味するものと認められるから、これを本願指定役務中『医業』に使用した場合は、これに接する取引者、需要者は、単に上記医師であることを表示したものと理解するに止まるから、役務の質、内容を表したものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり「臨床糖尿病専門医」の文字を普通に書してなるところ、構成中の「臨床」の文字は、「病床に臨むこと。(株式会社岩波書店 広辞苑第五版、以下同じ)」を意味を有する語であり、「臨床医学」、「臨床家」、「臨床検査技師」、「臨床尋問」、「臨床心理学」及び「臨床心理士」の様に用いられている語であり、「糖尿病」の文字は「持続的な高血糖・糖尿を呈する代謝疾患。」の意味の病名の一つであり、「専門医」の文字は「特定の診療科に精通し、もっぱらその領域の診断・治療に当る医師。」の意味を有する語であって、本願商標は、各語を続けてなる構成であると、容易に理解させるものである。

そうとすると、たとえ同書同大同間隔で一連に「臨床糖尿病専門医」と表してなる商標であっても、その構成文字の各意味は、上記のとおりであって、当審においてもよく知られた平易な語であり、これに接する取引者、需要者をして、全体として「病床に臨み診察、治療する糖尿病専門の医師」ほどの意味合いを有するものであると容易に認識、理解されるというのが相当であり、これを本願指定役務中の例えば「医業」に使用するときは、単に役務の質(提供の内容)を表示したものと認められ、自他役務を識別するための標識としての機能を有しないものといわざるを得ないものであり、前記役務以外の本願指定役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

なお、請求人は、本願商標は本出願人が専門医制度に基づき糖尿病専門医の認定を行っている日本糖尿病学会であるから、登録されるべきである旨主張し、証拠として甲第1号証ないし同第6号証を提出している。

そこで、各証拠を徴するに、甲第1号証は「日本専門医認定制機構概報」【平成16年(2004年)版】であるが、第4頁「加盟学会の会員及び専門医数等の一覧表」には、学会名「日本糖尿病学会」の名称に「糖尿病専門医」の記載があり、また、第6頁「日本糖尿病学会専門医制度」の表中には「認定の種類と呼称」として「糖尿病専門医(最初の認定・平成元年12月2日)」の記載があり、甲第2号証中の「(社)日本糖尿病学会認定医制度規則」の第3条には「本学会が認定した認定医を日本糖尿病学会認定医と称する。」の記載があり、甲第3号証の「認定医の称呼を専門医に」に続けて、「...従来の『日本糖尿病学会認定医』を『日本糖尿病学会専門医』と呼ぶことにする。」の記載があり、第18頁の「(社)日本糖尿病学会専門医制度規則」第3条には「本学会が認定した専門医,...を日本糖尿病学会専門医,...と称する。」の記載があり、さらに第23頁の「(社)日本糖尿病学会専門医制度規則 日本糖尿病学会専門医の更新規定」第1条には「日本糖尿病学会専門医(以下専門医と略す)...」の記載があり、甲第4号証には、厚生労働省ホームページとあり、(社)日本糖尿病学会と糖尿病専門医の記載が第34頁及び第35頁にあり、甲第5号証には、報道発表資料 トピックス 厚生労働省ホームページとあり、(社)日本糖尿病学会と糖尿病専門医の記載があり、甲第6号証は、甲第3号証と同様な記載があることが認められるとしても、一般の取引者、需要者は、役務を提供する者を確認しながら、取引にあたることはまれであること及び、そもそも、前記のとおり、本願商標は、取引者、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であることから、出願人が日本糖尿病学会であるから登録されるべきである旨の主張は採用できない。

また、第42類の「医業」を指定役務とする「国境なき外科医」及び「プラズマ療法師」の登録例及び他の登録例を挙げて、本願商標も、特別顕著性を有する旨主張し、証拠として甲第7号証ないし同第14号証を提出しているが、異なる登録商標の例をもって、本願商標の登録の可能性を検討することはできない。

以上のとおり、本願商標が自他役務識別機能を有している、あるいは、自他役務識別機能を獲得しているとの請求人の主張には根拠が乏しいといわざるを得ない。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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