Trademark Appeal Case
産地表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−23296(T2005−23296/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、「灘目」の漢字を横書きしてなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒」を指定商品として、平成16年11月13日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、『灘目』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるが、『灘目』は、兵庫県灘五郷の旧名であって、ここに産する清酒を灘酒あるいは灘目酒のように呼ぶことから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の産地、品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号として掲げる商標が、登録の要件を欠くとされるのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(昭和53年(行ツ)第129号判決 最高裁判所 昭和54年4月10日判決言渡)。
(2)これを本件についてみるに、本願商標は、別掲のとおり、「灘目」の漢字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、「灘目」は「兵庫県灘の旧名」であると認められる(「広辞苑」第五版)。
また、「兵庫県の灘地方から産する清酒」が、「灘酒」又は「灘目酒」と称されていることが認められる(「大辞泉」、株式会社小学館、1995年12月1日発行)。
さらに、「兵庫県の灘」は、本願の指定商品中「日本酒」の産地、販売地として日本国内において広く知られていることは、顕著な事実である。
以上の事実を総合勘案すれば、「灘目」は旧名であったとしても、少なくとも「酒」の業界においては、地名を表示するものとして、広く一般に理解されているというべきである。
したがって、本願商標は、何人もその使用を欲するものであり、一私人に独占を認めるのは妥当ではなく、また、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、「灘(灘目)」において、生産又は販売されたものと把握し、認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有する商標としては認識し得ないものというのが相当である。
ゆえに、「灘目」の地名は使用されず、死語となっているとの請求人の主張は、採用できない。
また、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべき旨主張するが、過去になされた審査例は個別的、具体的に判断が示されているものであるところ、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を有してないことは、上に述べたとおりであるから、この点についても、請求人の主張は採用できない。
(3)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき理由がない。
よって、結論のとおり審決する。
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