結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30015(T2006−30015/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4600984号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年7月28日に登録出願され、「BROOK’S」の欧文字と「ブルックス」の片仮名文字を上下2段に横書きしてなり、第2類、第4類、第6類、第14類、第20類、第22類、第28類、第32類、第33類、第35類、第39類、第40類、第41類及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を含む商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成14年9月6日に設定登録されたものである。
請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」については、その登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)被請求人の提出した乙第1号証ないし乙第7号証によっては、本件商標が商標法第50条において規定する使用の要件を具備したものであることを立証し得たものということはできない。
(ア)乙第1号証は、株式会社幸修園と株式会社ブルックスのと間で平成5年4月30日に締結された「業務委託およびロイヤリティ契約」の写しである。
本号証の第4項において、株式会社幸修園は、株式会社ブルックスに対し、株式会社幸修園が所有し又は将来所有することとなる「ブルックス」その他の商品名及び登録商標の使用を許諾する旨規定されている。
また、後述する乙第2号証からは株式会社幸修園が、本件商標の商標権者である株式会社ブルックスホールディングスの旧名称であることもうかがえる。
しかし、株式会社ブルックスが、本件商標のいかなる指定商品・指定役務について使用許諾がされたかは、本号証からは一切明らかでないから、本件商標の指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について、株式会社ブルックスが通常使用権者であることを証明するものではない。
(イ)乙第2号証は、本件商標の商標権者である株式会社ブルックスホールディングスの登記簿謄本である。
本号証は、乙第1号証の「業務委託およびロイヤリティ契約」の契約時である平成5年4月30日において、株式会社ブルックスホールディングスの名称が、株式会社幸修園であったことを示しているにすぎず、本件商標の指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について、株式会社ブルックスが通常使用権者であることを証明するものではない。
(ウ)乙第3号証は、株式会社ブルックスと、株式会社ブルックスホールディングス(旧名称 株式会社幸修園)とは別会社である株式会社幸修園との間で平成16年5月1日に締結された「WEBサイト作成・更新等に関する契約書」の写しである。
本号証に示された「ウェブサイトの作成・更新」が、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に含まれることは、請求人は否定しないが、本号証は株式会社ブルックスと株式会社幸修園との間で「ウェブサイトの作成・更新」の役務の提供に関する契約が交わされた事実を示すにすぎず、株式会社ブルックスが、現実に「ウェブサイトの作成・更新」の役務を、株式会社幸修園に提供していたことを証明するものではない。
(エ)乙第4号証の1ないし3は、株式会社ブルックスが、ウェブサイトの修正・更新作業が完了した旨を株式会社幸修園に対して報告した「WEBサイト更新完了報告書」である。
本号証の左上には、欧文字「BROOK’S」が記載され、右下には、片仮名文字「ブルックス」が記載されている。また、作業完了日として、それぞれ2005年8月26日、2005年9月26日及び2005年10月24日が記載されている。
本件商標は、欧文字「BROOK’S」と片仮名文字「ブルックス」を二段にゴシック体で横書きした構成からなるところ、本号証には、左上に欧文字「BROOK’S」が、右下に片仮名文字「ブルックス」がそれぞれ分離して表示されているので、本件商標と同一の商標が使用されているとはいえない。両文字をそれぞれ分離して使用することは、本件商標の「使用」に該当しない。
本号証には、株式会社幸修園から株式会社ブルックスに対しての対価の授受に関する記載は全くなく、対価の支払いがなされたことを証明する他の証拠も一切提出されていない。したがって、株式会社ブルックスが、株式会社幸修園に対し、現実にウェブサイトの修正・更新作業を行っていたかどうかは、明らかでない。
したがって、本号証は、商標法第2条第3項第3号ないし第7号に規定する態様での「使用」を証明するものではない。
また、本号証には、株式会社ブルックス及び株式会社幸修園による捺印もされていない。本号証のような報告書は、容易に作成することができるものであるから、被請求人が答弁書提出時にこのような書類を作成することは十分可能である。よって、本号証の証拠価値は極めて疑わしいものであり、商標法第2条第3項第8号に規定する「取引書類」には、該当しない。
しかも、現実に、ウェブサイトの修正・更新が行われてきたのであれば、ウェブサイトに直接本件商標が使用されているか、またはカタログ、パンフレット等に本件商標が使用されているはずである。当該役務の取引先が、被請求人の関連会社と考えられる株式会社幸修園のみであることも現実的ではない。「BROOK’S」または「ブルックス」が付された証拠として、本号証のみしか提出されていないことは、極めて不自然である。
よって、本号証のみにより、被請求人が、本件商標の「使用」を立証するのであれば、請求人は本号証が真正な書面であり、かつ、本号証の書類が現実に株式会社ブルックスから株式会社幸修園へ引き渡されたことを客観的に証明する書面の提出を求める。
以上述べたとおり、本号証は、本件商標が、審判請求登録前3年以内に、日本国内において、本件取消対象役務のうち「ウェブサイトの作成、更新又は保守」との関係で使用されていることを客観的に証明するものではない。
(オ)乙第5号証は2005年8月に、乙第6号証は2005年9月に、それぞれ株式会社幸修園が株式会社ブルックスに対して送った、ウェブサイトの変更・修正を依頼する連絡書類の写しである。
これらには、本件商標は、何も記載されておらず、また、これらは株式会社ブルックスと株式会社幸修園との間の連絡書類の写しにすぎない。
したがって、本号証は、株式会社ブルックスが、実際に株式会社幸修園にウェブサイトの変更・修正を行っていたことを証明するものではない。
(カ)乙第7号証は、株式会社幸修園のダイレクトメールである。
被請求人は、答弁書において、「そこ(本号証)において、幸修園のウェブサイトのURLが記載されている。幸修園のウェブサイトが遅くとも2004年6月30日には作成されていたことが明らかであり、かつ、それ以降、定期的に更新・保守されながら存続していることが乙第7号証より推認される。」と述べている。
本号証は、確かに、株式会社幸修園のウェブサイトが2006年4月30日まで、定期的に更新・保守されながら存続してきたことを推認させるものではあるが、その更新・保守が、株式会社ブルックスによりなされてきたものであることを証明するものではない。
(2)以上述べたとおり、被請求人によって提出された上記各乙号証によっては、本件商標が、審判請求登録前3年以内に、本件指定役務中の請求に係る役務について使用されてきたという事実は何ら証明されていない。
よって、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件審判について請求の趣旨どおりの審決を求めるものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、審判請求登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者によって、本件取消対象役務のうち「ウェブサイトの作成、更新又は保守」について使用されている。
(ア)乙第1号証は、本件商標の商標権者(被請求人)である株式会社ブルックスホールディングス(契約時の名称 株式会社幸修園)と株式会社ブルックスとの間で平成5年4月30日に締結された「業務委託およびロイヤルティ契約」の写しである。乙第2号証は、当該契約時(平成5年4月30日)に株式会社ブルックスホールディングスの名称が株式会社幸修園であったことを示すものである。乙第1号証において、株式会社ブルックホールディングス(契約当時 株式会社幸修園)が所有又は将来所有することとなる登録商標の使用を、株式会社ブルックスに許諾したことが明記されている。乙第1号証及び乙第2号証から、株式会社ブルックスが本件商標の通常使用権者であることが明らかである。
(イ)乙第3号証は、通常使用権者である株式会社ブルックスと株式会社幸修園(東京都中央区築地四丁目10番7号所在)との間で平成16年5月1日に締結された「WEBサイト作成・更新等に関する契約書」の写しである。株式会社ブルックスは株式会社幸修園の委託によって、株式会社幸修園の商品の販売・商品の紹介を行うWEBサイトの作成・管理・更新及び保守を行うことが当該契約書に明記されている。なお、この契約における株式会社幸修園は、株式会社ブルックスホールディングス(旧名称 株式会社幸修園)とは全く別の法人であることは、乙第2号証から明らかである。
(ウ)乙第4号証は、株式会社ブルックスが株式会社幸修園に対して発行したウェブサイト更新完了報告書である。
乙第4号証の1は2005年8月26日付けで、乙第4号証の2は2005年9月26日付けで、乙第4号証の3は2005年10月24日付けで、それぞれ株式会社ブルックスがウェブサイトの修正・更新作業が完了した旨を株式会社幸修園に対して報告した書類であり、これにより、少なくとも2005年8月から同年11月25日の間、株式会社ブルックスが株式会社幸修園に対して「ウェブサイトの更新・保守」の提供を行っていたことは明らかである。
また、乙第4号証の1ないし3の紙面の左上に欧文字「BROOK‘S」が、紙面の右下に片仮名「ブルックス」が使用されている。これらの「BROOK’S」及び「ブルックス」は、それぞれ本件商標の使用若しくは本件商標と社会通念上同一の商標の使用に該当する。
上記の通り、乙第4号証により、少なくとも2005年8月から同年11月25日の間に本件商標が役務「ウェブサイトの更新・保守」との関係で使用されていたことが明らかである。
(エ)乙第5号証は、8月に株式会社幸修園が株式会社ブルックスに対して送った、ウェブサイトの変更・修正を依頼する連絡書類の写しである。最終頁は2005年8月25日に株式会社幸修園通信販売事業部から株式会社ブルックス宛にファクシミリで送信されていることが明らかである。株式会社ブルックスは、これに基づいてウェブサイトの修正及び更新を行い、その作業完了を乙第4号証によって報告した上で、翌月まで当該ウェブサイトを保守している。
(オ)乙第6号証は、9月に株式会社幸修園が株式会社ブルックスに対して送った、ウェブサイトの変更・修正を依頼する連絡書類の写しである。1頁目は2005年9月20日に株式会社幸修園通信販売事業部から株式会社ブルックス宛にファクシミリで送られたものである。
(カ)乙第7号証は、株式会社幸修園のウェブサイトのURLが記載された株式会社幸修園のダイレクトメールである。そこにおいて、株式会社幸修園のウェブサイトが遅くとも2004年6月30日には作成されていたことが明らかであり、かつ、それ以降、定期的に更新・保守されながら存続していることが推認される。
(2)上記の乙各号証によって、本件商標が日本国内で通常使用権者によって本審判請求登録前3年以内に、本件取消対象役務について使用されていたことは明白である。
(1)被請求人より提出された乙1号証ないし乙第5号証及び乙第7号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)乙第1号証は、本件商標の商標権者〔甲〕(被請求人)である株式会社ブルックスホールディングス(契約時の名称 株式会社幸修園)が株式会社ブルックス〔乙〕との間で平成5年4月30日に締結した「業務委託およびロイヤリティ契約」(写し)と認められるところ、同契約書の4.には「甲は、乙に対し、甲が所有し又は将来所有することとなる『ブルックス』その他の商品名および登録商標の使用、通販顧客リストの使用その他営業ノウハウの使用を許諾し、かつこれを指導する。」との記載があり、同8.には「本契約の有効期間は、平成5年5月1日から3年間とし、以後、いずれかの当事者から解約の意思表示がなされない限り、3年後毎に自動更新される。」との定めがある。
(イ)乙第2号証は、被請求人(株式会社ブルックスホールディングス)の「履歴事項全部証明書」(写し)と認められるところ、被請求人は、その名称を、平成13年11月21日に乙第1号証の契約時(平成5年4月30日)の名称「株式会社幸修園」から現名称(株式会社ブルックスホールディングス)に変更登記したことが認められる。
(ウ)乙第3号証は、株式会社幸修園〔甲〕(東京都中央区築地四丁目10番7号所在)と株式会社ブルックス〔乙〕が、平成16年5月1日に交わした「WEBサイト作成・更新等に関する契約書」(写し)と認められるところ、この契約書には、株式会社ブルックスが、委託により、その第3条に定める対価(月額21,000円(消費税込み))の支払いを受け、株式会社幸修園のWEBサイトの作成、管理、更新および保守を行うことが明記されている(第2条)。
なお、同第3号証における、委託者〔甲〕である株式会社幸修園(東京都中央区築地四丁目10番7号所在)は、旧名称を株式会社幸修園と称した被請求人(株式会社ブルックスホールディングス)とは別の法人であることが前記乙第2号証から認められる。以下、同契約書(乙第3号証)の委託者〔甲〕の株式会社幸修園を「幸修園」という。
(エ)乙第4号証の1ないし3は、「WEBサイト更新完了報告書」と題する書面(写し)であり、いずれも株式会社ブルックスが注文者である幸修園のウェブサイトの修正・更新作業を完了し、その報告を幸修園に対し行ったことを内容とするものと認められる。そして、乙第4号証の1には依頼日「2005年8月19日・25日」、作業完了日「2005年8月26日」、乙第4号証の2には依頼日「2005年9月20日」、作業完了日「2005年9月26日」、乙第4号証の3には依頼日「2005年10月19日」、作業完了日「2005年10月24日」との記載がある。そして、これら報告書(乙第4号証の1ないし3)の書面左上には「BROOK‘S」の欧文字が、右下には「ブルックス」の片仮名文字が記載されている。
また、乙第4号証の1の書面記載事項中「ページ」欄には「中華食材,韓国産食品,海苔,きくらげ,だし/削り節,その他」との各記載がある。
(オ)乙第5号証は、全13枚(以下、本審決においては1頁ないし13頁の通し頁のものとして扱う。)よりなる、幸修園が株式会社ブルックスに送付した、幸修園のウェブサイトの修正・更新内容を表示した連絡書類(写し)と認められるところ、その1頁から4頁には「中華食材」、5頁及び6頁には「韓国産商品」、7頁には「海苔」、8頁及び9頁には「きくらげ」、10頁及び11頁には「だし/削り節」、12頁には「その他の商品」、13頁には「きくらげ」の食材名がそれぞれの書面の表題に表示されているとともに、複数の商品の写真、価格及び商品の特徴等が記載されている。また、1頁から11頁(7頁を除く。)の左下には数字の下の部分が欠けているものの「2005年8月19日」の日付を表したものと推認できる「005/08/19」の記載があり、12頁の左下には「05/08/25」、13頁の左下には「5/08/25」の、いずれも「2005年8月25日」の日付を表す記載がある。さらに、12枚目と13枚目の左上には「2005−08−25」の「2005年8月25日」の日付を表す記載及び「送信元−(株)幸修園通信販売事業部」の表示がある。
これら乙第5号証の1頁から12頁に示された食材名及びその各頁に表示された日付は、上記乙第4号証の1に記載ある食材名及び修正・更新の依頼日と符号するものである。なお、乙第5号証の13頁(きくらげ)は、その掲載事項からみて、8頁及び9頁の「きくらげ」についての修正・更新依頼分の修正版と推認し得るものである。
(カ)乙第7号証は、全14枚よりなる、幸修園のダイレクトメールの写しと認められるところ、同ダイレクトメールの下部には幸修園のインターネットアドレス「http://www.brooks.co.jp/kosyuen/」の表示のほか、広告有効期限として「2004/6/30」ないし「2006/4/30」の、それぞれ「2004年6月30日」、「2006年4月30日」等の日付を表す記載がある。
(2)上記で認定した事実によれば、被請求人(株式会社ブルックスホールディングス)は、平成5年4月30日付けで、被請求人が所有し又は将来所有することとなる「ブルックス」よりなる登録商標の使用を株式会社ブルックスに許諾していたのであるから、株式会社ブルックスは本件商標について通常使用権(乙第1号証)を有している者と認められる(同契約時の株式会社ブルックスホールディングスの名称は、株式会社幸修園であった。)。また、株式会社ブルックスは、平成16年(2004年)5月1日付けで、その顧客である幸修園との間で幸修園のウェブサイトの作成・更新等の役務の提供について、対価(月額21,000円)の支払いを受けることを契約条項の一つとして、その委託(受託)契約を締結(乙第3号証)していたものである。
そして、株式会社ブルックスは、少なくとも、平成17年(2005年)8月19日及び同17年(2005年)8月25日に、幸修園より、同社の通信販売事業部門が運営する稼働中(乙第7号証)と認められるウェイブサイト上の商品データ(中華食材、韓国産商品、海苔、きくらげ、だし/削り節等)の修正・更新の依頼を受け(乙第5号証)、その作業が完了したことを、平成17年(2005年)8月26日に幸修園に対し報告した事実のあることが認められ(乙第4号証の1)、その報告に際して株式会社ブルックスが送付した「WEBサイト更新完了報告書」には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されていたことを認めることができる。
また、乙第4号証の1及び乙第5号証に関わる株式会社ブルックスによる幸修園のウェブサイトの修正・更新は、請求人も認めているとおり、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に含まれると認め得るものであり、その修正・更新の依頼日及び作業完了日は、いずれも本件審判の請求の登録日(平成18年1月25日)前3年以内のものである。
してみれば、本件商標は、通常使用権者(株式会社ブルックス)が、本件審判の請求の登録日前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定役務中に含まれるウェブサイトの修正・更新の役務について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと認めることができる。
(3)請求人は、乙第1号証よりは、株式会社ブルックスが本件商標のいかなる指定商品・指定役務について被請求人より使用許諾を受けたのか明らかではないから、株式会社ブルックスは本件商標の指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について通常使用権者であるとはいえないと主張している。
しかしながら、乙第1号証(業務委託およびロイヤリティ契約)によれば、株式会社ブルックスは、商標「ブルックス」について、その使用をする商品及び役務について具体的に対象を明示することなく、被請求人よりその使用許諾を受けていたのであるから、両者間に商標「ブルックス」の使用の範囲(商品及び役務)について制限をする特段の約定等がない限り、株式会社ブルックスは、同契約書の4.により被請求人が所有する又は将来所有することとなる「ブルックス」よりなる登録商標の全てについて、これを使用し得る通常使用権を取得していたものと解することができるものである。そして、本件において提出された証拠中には、かかる制限のあることを窺わせる証拠は見あたらない。
そうすると、株式会社ブルックスは、本件商標の指定役務中、第42類「電子計算のプログラムの設計・作成又は保守」についても通常使用権者としての地位を有する者と認め得るものである。
また、請求人は、乙第4号証の1ないし3について、同証拠では左上に欧文字「BROOK’S」が、右下に片仮名文字「ブルックス」がそれぞれ分離して表示されているので、これは本件商標の使用には該当しないと主張している。
しかし、本件商標は、前記1のとおり、「BROOK’S」の欧文字と「ブルックス」の片仮名文字を上下2段に横書きしてなるところ、乙第4号証の1ないし3によれば、その左上には「BROOK’S」の欧文字が、右下には「ブルックス」の片仮名文字が、いずれも同一の頁内の見やすい位置に表示されているものであるから、たとえ両文字が分離して使用されているとしても、かかる使用態様による使用をもって、これが本件商標と社会通念上同一と認められる商標の範囲内の使用とみて差し支えないというべきである。
さらに、請求人は、乙第4号証の1ないし3には、幸修園から株式会社ブルックスに対しての対価の授受に関する記載が全くなく捺印もないから、これらは「取引書類」には該当せず、その証拠価値は極めて疑わしいと主張するが、乙第4号証の1ないし3は、株式会社ブルックスが幸修園のウェブサイトの作成・更新が完了したことを知らせた作業終了に関する書面であるから、同書面に対価の支払いの記述がないからといって、必ずしも不自然ということはできず、また、これら書面の作成について常に捺印が求められるともいえないから、かかる事情によって同書面の信憑性が失われるものとはいえない。
なお、両者間には、乙第3号証(WEBサイト作成・更新等に関する契約書)中に、株式会社ブルックスが幸修園のウェブサイトの作成、管理、更新及び保守を行うことについて、対価の支払いに関する定めがあることは、上記(1)のとおりである。
その他、請求人は、株式会社ブルックスによるウェブサイトの作成・更新が事実として行われていたのであれば、同ウェブサイトに本件商標が使用されているか、またはカタログ、パンフレット等に本件商標が使用されているはずであること、役務の取引先が被請求人の関連会社である幸修園のみであることは現実的ではないこと等の理由を挙げ、提出された証拠によっては本件商標が「ウェブサイトの作成、更新又は保守」との関係で使用されたことが客観的に証明されていないと主張するが、本件については上記のとおり判断し得るものであるから、かかる請求人の主張は、採用の限りでない。
(4)したがって、本件商標は、その指定役務中の第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」について、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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