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Trademark Appeal Case

著名シンボルマークの類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90527(T2006−90527/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4972313号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4972313号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成16年10月18日に登録出願、第36類、第42類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同18年6月20日に登録査定、同年7月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)引用商標

登録異議申立人学校法人東京聖徳学園(以下「申立人」という。)は、本件商標についての取消理由として別掲(2)及び(3)のとおりの構成からなる2件の使用商標及び登録商標を引用している。

(a)東京聖徳学園のシンボルマークの使用商標(以下「引用A商標という」。)は、別掲(2)の構成からなるものである。

(b)登録第4337368号商標(以下「引用B商標という」。)は、別掲(3)の構成からなり、第35類、第36類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿登録記載のとおりの役務を指定役務として平成10年6月22日出願、同11年11月19日に設定登録され、その後、商標登録の取消し審判の請求があった結果、その指定役務中第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」、第42類「建築物の設計,測量,老人の養護」については、商標登録が取り消されたものである。

(2)本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(a)東京聖徳のシンボルマーク(引用A商標)について

東京聖徳は、平成10年に新しいシンボルマークを採用することとなってデザインされたのが引用A商標である。このロゴタイプは「ロゴ スタイルブック」(甲第8号証)にも掲載されている。

(b)本願商標と引用A商標との類似性について

東京聖徳は前記シンボルマークを黒色表示した引用B商標の商標権を有している(甲第2号証の2)が、本件商標はその構成が東京聖徳のシンボルマークである引用A商標とは、図形形状、デザイン構成及びブルーを基調とする色彩まで近似しており(甲第1号証、甲第2号証の1)、また、東京聖徳の前記引用B商標の登録商標とも類似している(甲第2号証の2)。

(c)引用A商標の使用実績について

東京聖徳は昭和8年4月10日に設立された学校法人であり、首都圏において、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、専門学校、短大、大学、大学院等を運営しており、幼稚園から大学院までを擁した総合学園である(甲第3号証及び甲第4号証)。東京聖徳は昭和8年4月の創立に始まり、本件商標の指定役務と関連する分野としては、昭和63年4月に旧厚生省より日本で最初の介護福祉士の授与機関の指定を受けている(甲第5号証及び甲第6号証)。

東京聖徳は前記新シンボルマーク(引用A商標)を採用後、聖徳学園グループの全ての広告宣伝媒体等にこのシンボルマークを大々的に使用しており、証拠はこれらの宣伝広告媒体の最近(本願商標の出願前)の資料の一部であるが、短大、聖徳大学・大学院に関しては3大新聞のみならず地方新聞にも広告し(甲第9号証の1〜66)、小学校・中学校・高等学校に関しても雑誌・新聞に掲載し(甲第10号証の1〜7)、短大、聖徳大学・大学院の各学科に関しても雑誌・新聞に掲載しているし(甲第11号証の1〜66)、聖徳大学通信教育部に関しても雑誌・新聞に掲載している(甲第12号証の1〜4)。また、駅看板、ラッピングバス、道路脇看板、電車内広告等にも掲載している(甲第13号証の1〜5)。さらに、「聖徳大学」では平成4年度からは「聖徳大学オープン・アカデミー(SOA)」として各種の分野の一般向け公開講座も開いており(甲第14号証)、以後も継続している(甲第15号証)が、これらの案内文書には前記シンボルマークが必ず付されている。

(d)広告・宣伝について

東京聖徳の宣伝広告媒体の種類の例を挙げると次のとおりである。

(イ)新聞広告について

新聞広告は、三大新聞、地方新聞、特定業界新聞等に掲載した(甲第22号証の1〜2)。

(ロ)雑誌広告について

雑誌は各種のものに掲載されていてその資料は膨大なものであり、例えば、年度別ファイル(甲第23号証の1〜7の各ファイル背表紙参照)に示すように各種分野の雑誌に広告掲載されており、その中にはJALグループの機内誌「Winds」や「skyward」に掲載されたものもある(甲第23号証の4、甲第23号証の6、甲第24号証等)。

特に、異議申立人は介護を含む福祉関係の教育等についても各種の形態で実施していることを広告しており(例えば、甲第23号証の2中の「チャレンジ音楽療法士」及び「私の可能性発見BOOK」、甲第23号証の4中の「チャレンジ音楽療法士」の各記事参照)、その他の分野を含めて幅広く宣伝広告している。

(ハ)駅看板について

駅看板の資料については申立書に添付した。

(ニ)電車内吊り広告について

電車内吊り広告の写真等については申立書に添付したが、この写真に今回提出するその実物資料(甲第25号証の1,2)には引用A商標が明確に掲載されている。

(ホ)印刷物の配布について

各種の印刷物はことある毎に各所で配布されているが、一般人を対象としたものとして、例えば、「生涯学習」関係の印刷物(甲第26号証)があり、各部門について案内されている。

(へ)テレビCMについて

各地のテレビ局からスポット放送され、テレビ局としては、北は岩手めんこいテレビから南は沖縄テレビ放送にいたる各地(8局)のものがあり、例えば、平成16年7月〜平成16年9月の間のスポット放送確認書(甲第27号証の1〜3)では、1日複数回放送を含んで毎日のように放送されている。

(ト)バレエ公演等の催しものへの協賛に伴うポスターについて

異議申立人は、世界的に有名なバレエ団によるバレエ公演等の開催に協賛しており、そのポスター(甲第28号証の1〜4)には協賛として異議申立人及び引用A商標が掲載されている。

(e)引用A商標の著名性について

引用A商標は東京聖徳のシンボルマークとして平成11年から使用を開始すると共に各種の宣伝広告媒体で宣伝広告することにより、本件商標の出願の際には東京聖徳の役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているのであり、引用A商標をみれば東京聖徳を想起するほど周知著名となっている。

(f)本件商標の指定役務についての使用が東京聖徳の役務と混同を生じるおそれがあることについて

東京聖徳では、専門学校、短大、大学、大学院等の各種の学部部門において各種のセミナーの開催だけでなく、実践的に各種の実習等「役務的実践行為」が行われることがあるのである。特に平成4年頃からは、今後ますます重要視されると目された介護福祉の分野に力を注ぐべく、平成6年を第1回として聖徳大学短期大学部主催の「夏季介護福祉セミナー」(甲第17号証の1〜3)やシンポジウム等を開催すると共に同短期大学部介護研究室に、生活文化学科(家政学科)生活福祉専攻、専攻科福祉専攻の卒業生(介護福祉士)を会員とする「聖徳介護福祉研究会」(以下、「研究会」という。)を発足させ(甲第18号証)、平成12年4月からは前記生活文化学科生活福祉専攻を介護福祉学科として老人・障害者(児)の介護の研究等をしており、現在も活発に活動している。

また、この研究会では年2回発行の機関誌「SOIGNER/ソワニエ」を発行しており、この「SOIGNER/ソワニエ」には前記シンボルマークが付されている(甲第19号証)。この機関誌は会員外にも配布され、この研究会やその分科会では各地の施設での実習が行われている。

本件商標の構成は東京聖徳の前記シンボルマークとは、図形形状、デザイン構成及びブルーを基調とする色彩まで近似しており、そのデザイン構成は著作物的にも酷似したものとなっていて、マークとしては同一性の範囲として取り扱われるほどのものである。

特に、本件商標は引用A商標とは酷似しており、また、近時の規制緩和や企業の経営分野の多様化、本件異議申立人の寄付行為中の不動産の取扱いに関する役務、最も重要な分野として力を傾注している福祉の分野等を考慮すると、本件商標をその指定役務について使用するときは東京聖徳の業務に係るものと認識され、役務の混同を生じるおそれがあるのである。

さらに、インターネットの本件商標の商標権者の平成17年6月当時のホームページ(甲第20号証)では、「ヘルパー研修」「訪問介護員養成研修事業」が掲げられており、ここに本件商標が表示されている。

(3)むすび

以上詳述したとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。

3 当審の判断

本件商標は別掲(1)のとおり、立体的な円(球)と立体的な三日月図形からなり、それぞれ二つの三日月図形は互い離れているものである。そして、本件商標の指定役務は第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」、第42類「建築物の設計,測量,養護老人施設の設計に関する助言」及び第43類「老人・病人・身体の不自由な人の介護・養護,老人・病人・身体の不自由な人の介護・養護のための施設の提供,老人・病人・身体の不自由な人の介護・養護に関する指導又は助言及び情報の提供,老人・病人・身体の不自由な人の介護・養護に関する相談,老人の在宅介護,老人の訪問介護,老人介護施設における老人の介護,老人ホームにおける養護」とするものである。

これに対し、引用A商標及び引用B商標は、別掲(2)及び(3)に示したとおり、円形と三日月図形からなり、それぞれ二つの三日月図形が互いに接触しているものである。そして、申立人提出に係る証拠(甲第1号証ないし甲第32号証)をみると、これらの証拠書類のそのほとんどが教育に関するものばかりである。また、広告・宣伝の範囲は首都圏・東北・新潟県・静岡県・愛知県・岐阜県・福井県・沖縄県・等が中心で全国版のものは一部分である。よって、甲第1号証ないし甲第32号証を総合すると、引用A商標及び引用B商標は、申立人の業務に係る役務中特に「大学における教授,高等学校における教授,中学校における教授,小学校における教授」については、前記の地域において、本件商標の登録出願前より、教育関係者にある程度知られていると認めることができる。

そこで、本件商標の指定役務と引用A商標及び引用B商標の前記役務とを検討すると、両者の役務は、当該商標の使用に係る事業者、及びこれに接する需要者の範囲のみならず、取引場所・形態が大きく異なるものである。してみると、たとい、申立人に係る引用A商標及び引用B商標が教育関連役務分野においてある程度知られていると認められるとしても、その周知性が直ちに本件商標の指定役務の分野にまで及ぶとみるのは困難である。

また、本件商標と引用A商標及び引用B商標とを比較すると、前記したとおり、本件商標は円と二つの三日月図形が離れているため全体に一体感がないのに対し、引用A商標及び引用B商標は二つの三日月図形が互いに接触しているため、全体的にまとまって一体感があるものである。よって、本件商標と引用A商標及び引用B商標とは外観上の相違点があるものである。

そうすると、本件商標をその指定役務に使用した場合、これより直ちに申立人の引用A商標及び引用B商標を想起、連想し、その役務が申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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