Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90554(T2006−90554/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4975145号商標(以下「本件商標」という。)は、「Enhance Element」の欧文字を標準文字で表してなり、平成17年12月22日に登録出願され、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「被服,履物」を指定商品として同18年8月4日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4596099号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ELEMENT」の欧文字を標準文字で表してなり、平成13年4月17日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同14年8月16日に設定登録されたものである。同じく登録第4503925号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ELEMENT LIFE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年10月10日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同13年9月7日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立の理由の要点
(1)本件商標からは、商標の構成より「エレメント」のみの称呼を生ずる。他方、引用商標1及び同2からは、商標の構成より「エレメント」の称呼を生ずるから両者は、称呼において類似するものである。また、その指定商品も互いに抵触するから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標「ELEMENT」は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く一般に知られているから、本件商標はかかる周知商標と類似する。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3)商標「ELEMENT」は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く一般に知られていることから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標と引用商標1及び同2との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、構成各文字は外観上まとまりよく一体に表現されており、しかも、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼できるものである。そして、たとえ、構成中の「Enhance」の文字部分が「さらによくする、高める、強める」等を意味する語であるとしても、かかる構成においては特定の商品又は商品の品質、原材料等を具体的に表示するものとして直ちに理解できるものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分のものとして認識し把握されるとみるのが自然である。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して「エンハンスエレメント」の一連の称呼のみを生ずるものであり、全体として「成分を高める、要素を高める」程の観念を有するものとして認識し把握されるものというのが相当である。
他方、引用商標1は、「ELEMENT」の文字を書してなるから、その構成文字に相応して、「エレメント」の称呼及び「成分、要素、原理」等の観念を生ずるものといえる。
また、引用商標2は、「ELEMENT LIFE」の文字を書してなるところ、「ELEMENT」と「LIFE」の間が一文字分の間隔があるとしても、構成各文字は外観上まとまりよく一体に表現されており、しかも、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼できるものである。そして、「ELEMENT」の文字部分のみ分離抽出すべき特段の事情も認め難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分のものとして認識し把握されるとみるのが自然である。そうすると、引用商標2は、その構成文字全体に相応して「エレメントライフ」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念をもたない一種の造語として認識し把握されるものというのが相当である。 しかして、本件商標から生ずる「エンハンスエレメント」と、引用各商標から生ずる「エレメント」及び「エレメントライフ」の称呼とは、「エンハンス」の音の有無、「エンハンス」と「ライフ」の音の顕著な差異により、それぞれ明瞭に区別することができるものである。
また、本件商標と引用各商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、観念においても紛れるおそれはないものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
申立人の提出に係る証拠(甲第6ないし第17号証)によれば、引用商標がスケートボード等の商品について使用されていることが認められるものの、いずれも「Element」及び図形と「Element」の組み合わせ等のように使用されているに止まり、これらを「Element」シリーズとして積極的に強調ないしは説明するものは見当たらない。加えて、甲第8ないし第17号証は、申立人の商品を紹介するインターネットのホームページや雑誌の写しであり、これのみでは、引用商標の使用の期間、地域、範囲、宣伝広告の期間、手段、規模等や引用商標を使用する商品の販売数量、売上高、市場占有率等が必ずしも明らかでなく、引用商標そのものが、申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者間に広く認識されているものということはできない。
また、上記(1)のとおり、本件商標と引用各商標とは、非類似の商標であって、別異のものというべきであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用各商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものというのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものではない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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