Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90638(T2006−90638/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4986711号商標(以下「本件商標」という。)は、「Jamba Jara」の欧文字と「ジャンバ ジャラ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成17年6月29日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年7月11日に登録査定、同年9月15日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)引用商標
登録異議申立人ジャンバ ジュース カンパニー(以下「申立人」という。)は、本件商標についての取消理由に、申立人が果実飲料及び飲料用野菜ジュースに使用している「Jamba」、「Jamba Juice」及び「Jamba Juice」の文字と図形とを組み合わせた商標を引用している(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。
(2)本件商標と引用商標との比較
本件商標は、「Jamba/ジャンバ」と「Jara/ジャラ」の文字の間にスペースがあり、「Jamba」と「Jara」の語に意味合いはなく、全体としても特定の観念を生じない。そして、引用商標が周知であることから、本件商標中の「Jamba/ジャンバ」の文字が特に出所表示として需要者の注意を惹くことは間違いなく、本件商標からは「ジャンバ」の称呼をも生じるものというべきである。
一方、引用商標は、前記の構成よりなるものであるから、「ジャンバジュース」及び「ジャンバ」の称呼が生じる。
したがって、本件商標と引用商標は、「ジャンバ」の称呼を同一にし、「Jamba」の文字部分において外観を同一にし、観念上も引用商標が飲料業界の需要者・取引者に周知であることから「Jamba」の文字部分から一定の観念を想起させるものであるから、全体として相紛れるおそれのある類似の商標である。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人は、果物や野菜をミキサーにかけてシャーベット状にしたジュース(スムージー)の製造販売業者である。アメリカ合衆国で営業を開始した1995年9月以降成長を続け、その店舗はアメリカ合衆国22州、590店舗にまで増加しており、これらの店舗所在地の中には、ハワイのホノルル、ニューヨークのタイムズスクエア、カリフォルニアのディズニーランド等の日本人観光客が多数訪れる場所も含まれている。
また、申立人は、日本でも良く知られる「NEWSWEEK」、「TIME」等の著名な雑誌・新聞にも相当回数掲載されているほか、テレビ・映画・新聞・雑誌等の各媒体において宣伝広告活動を展開している。
このように、アメリカ合衆国の国内における引用商標の周知度は非常に高く、また、ハワイ等の観光地においても街角の至るところで店舗を目にする機会があることから、申立人の商品は現地在住の日本人や日本人観光客の興味を引き、日本のニュース記事や日本人のブログ(日記)においても盛んに紹介されており、日本国内の需要者にも引用商標が浸透していることが分かる。
また、申立人は、アメリカ合衆国はもとより日本及びその他の世界の国と地域において引用商標の出願・登録を進めており、店舗進出・商品販売の基盤を確保してきた(甲第2号証ないし甲第6号証)。
上記した事実から、引用商標は、本件商標の出願日以前より、申立人の商品を表示するものとして日本の需要者にも広く認識されていたことは明らかである。
したがって、本件商標は他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者に間に広く認識されている商標に類似する商標であって、その商品に類似する商品について使用するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。また、仮に、本件商標と引用商標が非類似であって、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当しないとしても、本件商標は著名である引用商標をその一部に含んでおり、商品の出所の混同を生ずるおそれがあることから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号について
商標権者は、飲料業界にあって上記事実を認識していたはずであるから、本件商標の出願をしたことに不正の目的があったものと言わざるを得ない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
(5)よって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、これを構成する欧文字及び片仮名文字の各構成文字は、いずれも外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「ジャンバジャラ」の称呼も語呂も良く一連に称呼し得るものであって、「Jamba/ジャンバ」の文字部分のみが強調され強く印象付けられるような構成からなるものではない。
そうとすれば、本件商標は、欧文字部分、片仮名文字部分とも、全体をもって一体不可分の造語として認識され把握されるとみるのが自然であり、各文字の全体に相応して「ジャンバジャラ」の一連の称呼のみを生じるものである。
一方、引用商標は前記の構成よりなるものであるから、「ジャンバジュース」及び「ジャンバ」の称呼が生じるものである。
そこで、本件商標から生ずる「ジャンバジャラ」の称呼と引用商標から生ずる「ジャンバジュース」及び「ジャンバ」の称呼とを比較すると、両者はその音構成を全く異にするものであるから、称呼上、相紛れるおそれのないものである。
よって、本件商標と引用商標とは、称呼において類似するものではなく、それぞれの構成よりして、外観、観念においても類似しない別異の商標というべきものである。
加えて、申立人の提出に係る証拠によれば、アメリカ合衆国においては、引用商標がスムージーの商標として使用され、一定程度の広告・宣伝もなされていた事実は認められるとしても、申立人の証拠をもってしては、本件商標の登録出願時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に(アメリカにおける周知性を含めて)広く認識されていたものとまでは認められない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標と引用商標との関係は、上記のとおりに解されるものであるから、本件商標は、引用商標の著名性を希釈化し、不正の目的をもって使用をするものとはいえず、不正の目的をもって使用をするものであることを認めるに足る証拠も提出されていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。