Trademark Appeal Case
図案化文字の称呼認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90651(T2006−90651/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4988811号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成17年12月9日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年9月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)引用商標
登録異議申立人スワッチ エス アー(以下「申立人」という。)は、下記の3件の登録商標を引用している。
(a)登録第2024822号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、第27類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和60年8月16日に登録出願、同63年2月22日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が平成9年10月7日になされたものである。
(b)登録第2068223号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和60年8月16日に登録出願、同63年7月22日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が平成10年3月3日になされたものである。
(c)登録第4730932号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年3月4日に登録出願、同年12月5日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、図案化された「Snatch」の態様で表されており、これより「スナッチ」の称呼が生じ、他方、引用各商標は、「swatch」の文字を書してなるものであるから、構成文字に相応して「スワッチ」又は「スゥォッチ」の称呼が生じるものである。
本件商標から生ずる「スナッチ」の称呼と引用各商標から生ずる「スワッチ」あるいは「スゥォッチ」の称呼とは、聴者の印象に残りにくい中央に位置する音の差異のみであり、その差異音も相紛らわしい音であるから、本件商標と引用各商標とは、称呼上類似するものである。
そして、本件商標の指定商品中、「貴金属製喫煙用具」については引用商標1の指定商品と、「貴金属製靴飾り」については引用商標2の指定商品と、「貴金属製宝石箱,身飾品,宝玉,宝玉の模造品,貴金属製コンパクト,時計」については引用商標3の指定商品と抵触している。
したがって、本件商標は、上記商品について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、取り消されるべきものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、腕時計を中心とする各種商品について、引用各商標又は引用各商標と同様の態様の標章を付し、長年に亘って、かかる商品を日本を含む世界各国で販売してきており、申立人の「swatch」商標は、取引者・需要者の間に広く認識されているものである(甲第5号証ないし甲第13号証)。
本件商標と申立人の著名商標「swatch」とを比較すると、その綴りの差異は、印象に残りにくい2文字目に位置する「n」と「w」の差異のみであり、しかも、本件商標の「n」は、一見「w」であるかの如き外観に表されているため、綴りが酷似するものであるから、かかる商標がその指定商品に使用された場合には、取引者・需要者間において、申立人の商品であるかの如く混同を生ずるおそれのあることは必至である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)に示したとおりの構成からなるところ、全体としてかなりデザイン化された文字をもって表されているが、特に、語頭の文字は、極めてデザイン化されており、これが何らかの書体に基づいたものであるとしても、一般的な取引者・需要者が直ちに特定の文字を表したものとは理解・認識し難いものというべきである。
そうとすれば、本件商標は、判読し得る「natch」の文字部分に相応した「ナッチ」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。
一方、引用各商標は、別掲(2)に示したとおり「swatch」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「スウォッチ」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標より生ずると認められる「ナッチ」の称呼と引用各商標より生ずると認められる「スウォッチ」の称呼を比較すると、両称呼はその構成音数及び音の配列等において明らかな差異を有するものであるから、それぞれを称呼するときは全体の語感、語調が明らかに相違し聴き誤るおそれはないものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標から「スナッチ」の称呼を生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用各商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
また、両者の外観を比較してみても、本件商標は、上記したとおり、特に、語頭の文字が顕著にデザイン化されている特徴のある構成からなるものであるのに対して、引用各商標は、別掲(2)に示したとおり、「swatch」の欧文字を丸みを帯びた書体をもって表してなるものである。
そうとすれば、両者は、その構成態様において顕著な差異を有しており、商標全体から受ける視覚的印象を全く異にするものであるから、これらを時と処を異にして離隔的に観察するも、外観において紛れるおそれはないものといわなければならない。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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