Trademark Appeal Case
ハとパの称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90658(T2006−90658/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4989442号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハイレックス」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成17年12月28日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年8月31日に登録査定、同年9月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の4件の登録商標を引用している(以下、下記の商標をまとめて「引用各商標」という。)。
(a)登録第498553号商標は、「PYREX」の欧文字を横書きしてなり、昭和31年1月6日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同32年3月24日に設定登録され、その後4回にわたり商標権の存続期間の更新がされたものであるが、指定商品中の「写真器械器具」については、商標権の一部取消し審判の請求により取り消され、その確定登録が同60年12月24日になされているものである。
(b)登録第948590号商標は、「PYREX」の欧文字を横書きしてなり、昭和43年6月7日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同47年2月1日に設定登録され、その後3回にわたり商標権の存続期間の更新がされたものであるが、指定商品中の「写真機械器具、これらの部品および附属品、写真材料」については、商標権の一部取消し審判の請求により取り消され、その確定登録が同59年5月11日になされ、更に指定商品については、平成15年1月15日に指定商品の書換登録により、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
(c)登録第1570652号商標は、「Pilex」の欧文字と「パイレックス」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、昭和54年4月14日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年2月25日に設定登録され、その後2回にわたり商標権の存続期間の更新がされ、更に指定商品については、平成15年6月18日に指定商品の書換登録により、第20類、第21類、第22類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
(d)登録第2001259号商標は、「パイレックス」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和57年6月19日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年11月20日に設定登録され、その後2回にわたり商標権の存続期間の更新がされたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ハイレックス」の自然的称呼を生じ、引用各商標は「パイレックス」の自然的称呼を生ずるものである。
この両称呼は、共に促音を含む6音の構成音からなるところ、第2音より末尾音までの配列構成音を全く同一にし、異なるところは、第1音において、前者が「ハ」の音であるのに対して、後者は「パ」の音である点にある。
この「ハ」(ha)の音と「パ」(pa)の音を比較するに、「ハ」音は、無声の摩擦音である子音(h)と母音「a」との結合した音からなるものであるのに対し、後者の「パ」音は、無声の破裂音である子音(p)と母音「a」との結合した音からなるものである。
このため、両者は、その子音部において発音方法を異にするものではあるものの、ともにロを大きく開き、舌を低く下げて発音する母音「a」をそれぞれ結合して発音することから、互いに近似した音となるものであり、清音と半濁音という微差に過ぎないこれら各音の差異が全体の称呼に及ぼす影響は極めて少ないというべきである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、彼此聞き誤るおそれのある類似の商標というべきであり、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標と引用各商標とは、それぞれ前記したとおりの構成からなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、本件商標からは「ハイレックス」の称呼を生じ、引用各商標からは「パイレックス」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、この両称呼を比較するに、両者は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音において、「ハ」と「パ」の音の差異を有するものである。しかして、「ハ」の音は、摩擦音であって響きの柔らかい音であるのに対して、「パ」の音は、破裂音であって鋭く明瞭に響く音であるから、これらの音の差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、全体の語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものといわなければならない。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は見出せない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
なお、申立人は、語頭音の「ハ」と「パ」の音に差異のある商標を類似であると判断した審決例を挙げているが、非類似と判断した審決例もあることから、申立人が挙げている審決例があるからといって、本件商標と引用各商標についての上記判断が左右されることにはならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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