Trademark Appeal Case
公序良俗違反の商標
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90239(T2006−90239/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4931511号商標(以下「本件商標」という。)は、「APV」の文字を標準文字で表示してなり、平成17年7月8日に登録出願され、第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同18年2月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同15号及び同19号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである旨申立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証を提出している。
3 本件商標の取消理由の概要
登録異議の申立てがあった結果、商標権者に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した本件商標の取消理由(平成19年1月23日付取消理由通知)は、要旨次のとおりである。
申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下のことが認められる。(1)申立人が属する「APVグループ」は、1910年に英国において醸造及び乳業用アルミ製容器の製造会社として発足した「Aluminum Plant&Vesseles社(略して、APV)」を起源として成長し、現在では英国、独国、デンマーク、米国、豪州及び東南アジア地域に工場を有し、在英10数社、海外50数社を傘下に発展する会社である(甲第7号証)。
(2)その年間売上高は2005年3月期で約790億円になる。
(3)「APVグループ」は、別掲(1)及び(2)の構成からなる商標について世界の56カ国において登録商標を所有しており(甲第18・19号証)、1999年には世界的規模でエンジニアリング事業を展開している英国インベンシス社を中心としたインベンシスグループの傘下に入り営業を継続しており、また、我が国においては1963年に「APV株式会社」を設立し、現在は「インベンシスシステムス株式会社日本APV」として活発に営業活動が行われている(甲第6号証)。
(4)商標権者は、その商業登記簿(甲第21号証)によれば、書籍、食品、医薬品など各種商品の輸入販売をはじめ、「アルミニューウム等注型品の製作」の業務も事業目的に含まれていることが認められ、かつ、代表取締役として「鈴木幸夫」氏及び取締役として「西山辰雄」氏の名前が掲載されている。
(5)インベンシスグループの傘下企業であるデンセイ・ラムダの平成10年7月1日付人事異動によれば、西山辰雄氏は、管理本部 総務人事部長に任命されている(甲第23号証)。
(6)鈴木幸夫氏は、2006年5月8日にAPVグループの担当者に「私は、2005年5月より2006年2月までインベンシスで働いていました。第37類において『APV』の商標登録を取得した今、インベンシス株式会社への資本参加をしたいと考え、この手紙を書いています。」との文面を含む電子メールを送信している(甲第20号証・甲第22号証)。
そして、本件商標は、前記のとおり「APV」の欧文字よりなるものであり、その指定役務中には申立人の業務と関連を有する「食料加工用又は飲料加工用の機械器具の修理又は保守」外、「各種機械器具の修理又は保守」が含まれているものである。
以上のことを総合すると、商標権者は、申立人及び申立人の業務に係る引用商標を熟知していながら、本件商標の登録出願時に当該役務に「APV」の欧文字からなる商標が登録されていないことを奇貨として、申立人等に無断で上記指定役務に登録出願し登録を得たものとみられるところ、かかる行為は、公正な商道徳に反し、公の秩序を害するおそれがあり、ひいては国際信義に反するものであって、穏当を欠くものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由の通知に対して何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
本件商標についてした上記の取消理由は妥当であって、その登録は商標法第4条第1項第7号に違反してされたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する
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