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Trademark Appeal Case

数独の著名性・称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90418(T2006−90418/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4957107号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4957107号商標(以下「本件商標」という。)は、「数独スタジアム」の文字を標準文字で書してなり、平成17年10月25日に登録出願、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第28類「スキーワックス,遊園地用機械器具(業務用テレビゲーム機を除く。),愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具,昆虫採集用具」を指定商品として、同18年6月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、異議の申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第22号証を提出した。

(1)本件商標は、申立人の所有にかかる登録第33327502号商標及び登録第4936155号商標と「スウドク」の称呼を共通にする類似の商標であって、それぞれの指定商品も抵触するから、その登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

(2)「数独」は、申立人の商標として著名であることから、「数独」の文字を含む本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、その登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。

(3)本件商標は、登録第4980699号商標(「数独」、「スウドク」の文字よりなり、平成17年8月30日登録出願、第28類及び41類の登録原簿に記載の商品又は役務を指定商品として、同18年8月18日設定登録。)の後願にかかるものであり、共に「スウドク」の称呼生ずる称呼上類似の商標であって、指定商品も互いに類似するものであるから、その登録は、商標法第8条第1項に違反してされたものである。

3 本件商標の取消理由

商標権者に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した本件商標の取消理由(平成19年2月16日付取消理由通知)は、要旨次のとおりである。

申立人の提出に係る証拠(甲各号証)によれば、次の各点が認められる。

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る甲第15号証ないし甲第19号証によれば、申立人の代表者は、米国で流行していた「ナンバープレイス」というパズルにヒントを得て、1984年ころに、これを日本に持ち込み、「数独」との名称を付して、申立人の業務に係る数字パズル及びこれを掲載した雑誌について使用したこと、該パズルは、1桁の数字を使用して完成させる単純明快なゲームであり、外国人旅行者が日本の書店で該パズルを目にし、その後、2004年末ころに、英国のザ・タイムズ紙が取り上げたことに端を発し、本件商標の登録出願前には、欧米諸国をはじめ、日本を含む世界各国で大流行したこと、申立人の業務に係る数字パズルに使用される「数独」の名称は、上記のように、1桁の数字を使用して完成させるゲームであることから、「数字は独身に限る」というルールを短縮したのがその由来であること、などが認められる。

(2)商標法第43条の8で準用する特許法第150条第1項に基づいてした職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。

(ア)1997年3月4日付け毎日新聞(地方版/東京)によれば、「[TOKYOヌーボー]中年パズル」の見出しのもと、「写真は『数独』または『ナンバープレイス』と呼ばれるパズル。最近、通勤の電車や会社の中で、これに熱中するおじさんの姿が目につくようになった。ルールはいたって単純。縦、横それぞれ九つあるマスに、1から9までの数字を入れていくのだが、(1)縦も横も、一つの列に同じ数字がだぶって入らないようにする(2)太枠で囲まれた縦三つ、横三つ計九つのマスでできるブロックの中にも、1から9までの数字をだぶらずに入れる−−というもの。このパズル、本になっていて、『ほとんど中高年の方たちが買っていきます』と東京・神田の書店。・・アメリカで流行していたのをパズル専門出版社『ニコリ』が十数年前、日本に紹介。ジワジワと人気が広がり、2年前には別の出版社・日本文芸社が『ナンバープレイス』の名で売り出した。」との記事が掲載された。

(イ)2005年6月27日付け日経流通新聞MJ(28頁)によれば、「英で数字パズル『数独』ブーム――全国紙の大半が掲載中(英国発)」の見出しのもと、「英国で升目に数字を入れるパズル『数独』がブームになっている。タイムズ紙やデイリー・テレグラフ紙が出版した数独のパズル本がベストセラー上位に進出。パズル出版の国内最大手『パズラー・メディア』が出版した数独本は数日で売り切れた。『クロスワードのように難しい言葉を知らなくても楽しめる』ことが人気の理由だ。『脳に刺激を与え教育効果がある』として、学校教材に取り入れようという動きさえ出てきた。・・数独は18世紀にスイスの数学者が発案した『ラテン・スクエア』というゲームが起源。米国では『ナンバー・プレース』の名前で知られ、70年代に流行した。80年代に日本に上陸し、ゲーム出版のニコリ社が改良を加えて『数独』と命名。90年代後半に世界に広がった。」との記事が掲載された。

(ウ)2005年7月5日付け毎日新聞(東京夕刊、5頁)によれば、「数独パズル:英国で大流行 育ての親は日本の専門誌−−新聞各紙が連日新作掲載」の見出しのもと、「◇和名そのまま『SUDOKU』 ◇子供が熱中、学校に遅れる/社員が仕事にならない

日本育ちのパズルが英国で大流行中だ。その名も和名そのまま『SUDOKU』。新聞各紙は連日新問を掲載し、通勤客がペン片手に熱中する。紙上で『全英選手権』を開催する新聞も登場しブームは熱を帯びる一方だ。・・一般に『ナンバープレース』と呼ばれるこのパズルは、18世紀にスイスの数学者が考案したといわれ、1970年代にニューヨークのパズル専門誌が取り上げた。日本ではパズル専門誌『ニコリ』が84年に『数独』と名付けて紹介、洗練されたパズルに育てた。ニコリから21冊の『数独』パズルが刊行されている。」との記事が掲載された。

(3)前記で認定した事実によれば、「数独」の文字よりなる商標(以下「引用商標」という。)は、申立人の業務に係る数字パズル及びこれを掲載した雑誌を表示するためのものとして、本件商標の登録出願時にはすでに、欧米諸国をはじめ、日本国内においても、需要者の間に広く認識されていたことが認められる。

してみれば、本件商標はその構成中に「数独」の文字を含むものであるから、これを商標権者がその指定商品に使用するときには、前記申立人の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について誤認、混同するおそれがある。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

上記の取消理由に対して、商標権者は、その意見を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。

(1)本件商標は、商標権の一部抹消登録申請(乙第1号証)のとおり、その一部を放棄するので、第9類「業務用テレビゲーム機,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用の電子回路及びCD−ROM,録画済ビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」となるものであるから、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当しない。

(2)申立人が提出する甲第15号証ないし甲第19号証は、本件商標の出願後に発行されたものであり、その内容についても「数独」が申立人の「数字パズル」の商標、役務として提供されていたかどうか不明であり、むしろ「数字パズル」の普通名称として使用されているものと思料する。

(3)審判官が職権による証拠調べにより認定した事実についても、申立人の商標を紹介する内容ではなく、「数字パズル」が普通名称であることを証明するものと思料する。

(4)「数独」の登録に対し、「数独」を含む結合商標が非類似として登録されている事実がある。

よって、本件商標は、その構成中に「数独」の文字を含むものであっても、申立人の業務に係る商品であるかのごとく出所について誤認混同するおそれもないから、商標法第4条第1項第15号に該当しないものであって、本件異議申立による取消の理由はない。

5 当審の判断

本件商標についてした上記3の取消理由は妥当であって、本件商標は他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

しかして、商標権者は、上記4(1)ないし(4)のとおり意見を述べているが、「数独」の文字は申立人の代表者による創造語であること、証拠の発行日が本件商標の出願後であるとしても、その内容から本件商標の出願前及び登録時において「数独」の文字が申立人の業務にかかる「数字パズル」の商標として広く知られていたことが明らかであること、更に申立人の挙げる既登録例は、本件商標とは、指定商品等において事案を異にするものであること、その他本件商標の指定商品の分野における取引の実情を総合判断するに、前記認定を相当とする。

また、商標権者は商標権の一部抹消登録申請(乙第1号証)のとおり、その一部を放棄するので、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当しない旨述べているが、商標権の一部抹消登録の効力は、将来に向けて生ずるものであり遡及することはないと解すべきであるから、当該手続が登録商標の登録査定時において拒絶の理由の有無を判断する登録異議申立ての上記認定及び判断に何ら影響するものではなく、商標権者の述べる意見はいずれも妥当性を欠くものであって、採用の限りでない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の3第2項により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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