結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2006−90241(T2006−90241/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4931714号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成17年6月21日に登録出願され、第9類「電子出版物」、第16類「出版物」及び第41類「知識の教授,コンピューター・通信回線・通信ネットワーク・インターネットを利用した知識の教授,知識の教授のためのセミナーの企画・運営,教育に関する研究・教育に関する交流・教育に関する理論と実践方法についての知識の教授に関する助言・指導及び情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同18年2月24日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1440708号商標は、「COSMO」の欧文字と「コスモ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、昭和48年11月21日登録出願、第26類「月刊雑誌、その他の印刷物、その他本類に属する商品」を指定商品として、同55年10月31日に設定登録されたものであるが、その後、平成14年3月6日に指定商品を第16類「雑誌,その他の印刷物,書画,写真」とする指定商品の書換登録がされたものである。
同じく、登録第2721984号商標は、「COSMO」の欧文字を横書きしてなり、平成1年10月19日登録出願、第26類「印刷物(文房具に属するものを除く)書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、同9年6月6日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4184665号商標は、「COSMO」の欧文字と「コスモ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成7年12月14日登録出願、第16類「雑誌,書籍,その他の印刷物」を指定商品として、同10年9月4日に設定登録されたものである。
上記の外、登録第1570863号商標、登録第1499913号商標、登録第2717807号商標、登録第4325679号商標及び登録第4325680号商標を引用している。
申立人は、商標登録異議申立書において、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当する旨、述べているが、詳細な理由及び証拠は追って補充するとし、同18年8月24日付けで提出した商標登録異議申立理由並びに証拠補充書において述べた理由は、以下のとおりである。
1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その出願日において、引用商標と類似する商標であって、同一又は類似する商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人の著名商標の著名な略称を含んでなる。
出所の混同を惹起するおそれが多分に存在していたものである。
当審は、商標権者に対し、意見書を提出する期間を指定して、平成19年2月1日付けで通知した商標登録の取消しの理由の要旨は、次のとおりである。
本件商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、その上部に表された淡いブルーの円内に、最上部のやや大きな円内には、「c」と「o」の欧文字が、中央の少し小さな円内には、「s」の欧文字が、そして、その下の2つの円内には、「m」と「o」の欧文字が書されていることは容易に把握・認識し得るものであり、これらの各文字を上から順に並べると「cosmo」となり、比較的知られた英単語(世界、宇宙の意)であって、これより「コスモ」の称呼を生ずるものと判断するのが相当である。しかも、これらの文字の下には「弁理士支援事務職養成スクールコスモ塾」と「コスモ」の文字が表示されていることを勘案すると、より一層「コスモ」の称呼を生ずるものといえるものである。
他方、申立人が引用する登録第1440708号商標、登録第2721984号商標及び登録第4184665号商標(以下、一括して「引用商標」という。)は、それぞれ上記2のとおりの構成よりなるものであるから、各構成文字に相応して「コスモ」の称呼を生ずること明らかである。
そうすると、本件商標と引用商標は、「コスモ」の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ないものであり、また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似するものである。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第9類「電子出版物」及び第16類「出版物」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
上記4の取消理由に対して、商標権者は、要旨次のとおり意見を述べている。
本件商標は、中央の略全体には、大きな割合を以って配置された、図形的処理が施された「C」「m」「s」「O」「o」の欧文字からなる図形的構成部分(以下「図形部分」という。)が配置されている。上記各欧文字は、ボール状の文字背景の中に、それぞれ異なる色の縁取りがされ、透明なボール又は風船内に収納されて、中空に浮遊して配置されているかのような観を呈している。その結果、看者に各文字が立体的な処理が施されている感を与える。
そして、この図形部分の下方に、上記各欧文字よりも標章の縦方向で、5:1の割合の小さな文字サイズで横一連に記載された「弁理士支援事務職養成スクールコスモ塾」の文字が配置されている。
その結果、本件商標においては、上記図形部分が商標の大部分を占め、圧倒的に需要者、取引者の目に入りやすく、視認されやすい構成態様となっている。
したがって、本件商標においては、上記図形部分が商標として大きく機能する部分であるものと考える。
この場合、図形部分の欧文字は、互いに独立して配置されていると共に、上段に配置された「C」及び「O」のみが大文字で、「s」「m」「o」は小文字であることから、各文字相互の連結性に乏しい配置となっている。
したがって、これらのデザイン的に処理された5つの図形的英文字の構成部分を、需要者・取引者が何の先入観もなく見た場合、多くの需要者・取引者が、一見して、確実かつ一義的に「C」→「O」→「s」→「m」→「o」という語順を認識し、その結果、この構成部分のみから「コスモ」という称呼に至るとはいえない。
多くの需要者・取引者は、上記のように、まず、5つの、互いに独立配置されたデザイン処理された英文字を認識するが、これらの英文字の相互の独立した配置関係にあることから、一つの語を認識するに至るには、意識的に各個別の英文字を結合していく必要がある。
この場合、多様な読み方が可能である。
例えば、これら5つの文字は全体W字状に配置されていることから、上段大文字の「C」から始めて、全体W字状に読み進み、「m」→「s」→「O」→「o」という語順で読み進む可能性もあるものと思われる。このような語順で読んだ場合には「C」「m」「s」「O」「o」となり、意味を有する一つの語は成立せず、単なる「5つの英文字を特殊な背景の中に記載して配置した図形標章である」と認識する可能性もある。
また、本構成部分は、各英文字が左右上下均等に配置されていることから、読み始める英文字の選択も固定されず、例えば、上段右側の大文字の「O」から読み始めることも字の配置上からは可能であり、例えば、右方向から読み始める日本語読みに慣れた年配の需要者・取引者はそのように読む可能性もある。このような読み方をした場合には、「O」→「o」→「s」→「C」→「m」として読み進む可能性もあり、上記同様に有意的な一つの語にはならず、「コスモ」という称呼には至らない。
したがって、上記のように、本構成部分の具体的構成からは、需要者・取引者が、取引過程において本件商標を視認した場合、常時、一義的に「C」→「O」→「s」→「m」→「o」という語順に至ることは困難である。その結果、本構成部分のみから一義的に「コスモ」という称呼が抽出されることはないものと思料する。
また、本件商標中の「弁理士支援事務職養成スクールコスモ塾」(以下「文字部分」という。)の構成部分に関しては、本件指定商品及び指定役務との関係で、指定商品又は指定役務の内容を指称するものでもなく、また、本件の指定商品又は指定役務の内容又は品質等を指称するものでもない。
また、文字部分は、一体に記載されており、さらに、「弁理士支援事務職」という語、及び「弁理士支援事務職養成」という語そのものが、従来、取引界において使用されていない新たな造語であることから、「弁理士支援事務職」及び「弁理士支援事務職養成スクール」という語は本件指定商品又は指定役務との関係では、識別力のある語である。そして、「コスモ」の語は、上記識別力ある語の中に埋没しており、需要者・取引者が本件商標を取引過程で視認した場合に、容易には「コスモ」の語のみを抽出できないものと考えられる。
そして、需要者・取引者が、取引過程で本件商標を見た場合で、まず、図形部分を視認し、その後、文字部分に至り、再度、図形部分へ戻って考慮した場合であっても、審判官が指摘するように、図形部分から「より、一層『コスモ』の称呼を生ずる」とはいえないものである。
したがって、上記の点より、本件商標は、多様な称呼を発生させ得る、一義的に発生する音が特定されない、相互に独立して配置された「ボール状の文字背景」の中に記載された「C」「m」「s」「O」「o」の図形的態様の文字商標と、「ベンリシシエンジムショクヨウセイスクールコスモジュク」という称呼を発生する「弁理士支援事務職養成スクールコスモ塾」という文字商標の結合商標として、需要者、取引者に認識されるものである。
したがって、「ベンリシシエンジムショクヨウセイスクールコスモジュク」という称呼を生ずる本件商標と、申立人の引用する「コスモ」の称呼を生ずる引用商標とは、多数の音において相違し、明らかに非類似である。
(1)本件商標と引用商標は、前記4の取消理由で認定したとおり、外観及び観念の差異を考慮しても、「コスモ」の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ないものであり、また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似するものである。
(2)商標権者は、前記5のとおり意見書において、本件商標については、デザイン的に処理された5つの図形的英文字の構成部分を、需要者・取引者が何の先入観もなく見た場合、多くの需要者・取引者が、一見して、確実かつ一義的に「C」→「O」→「s」→「m」→「o」という語順を認識し、その結果、この構成部分のみから「コスモ」という称呼に至るとはいえない。そして、本件商標は、多様な称呼を発生させ得る、一義的に発生する音が特定されない、相互に独立して配置された「ボール状の文字背景」の中に記載された「C」「m」「s」「O」「o」の図形的態様の文字商標と、「ベンリシシエンジムショクヨウセイスクールコスモジュク」という称呼を発生する「弁理士支援事務職養成スクールコスモ塾」という文字商標の結合商標として、需要者、取引者に認識されるものである。したがって、「ベンリシシエンジムショクヨウセイスクールコスモジュク」という称呼を生ずる本件商標と、申立人の引用する「コスモ」の称呼を生ずる引用商標とは、多数の音において相違し、明らかに非類似である旨、意見を述べているが、本件商標より「コスモ」の称呼をも生ずることについては、取消理由通知において述べたとおりであるから、申立人の主張は採用できない。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第9類「電子出版物」及び第16類「出版物」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
しかしながら、登録異議の申立てに係るその余の指定役務については、同法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持する。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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